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298: 本当にあった怖い名無し:2008/12/10(水) 19:28:32 ID:sNIF7+WlO
森鴎外『舞姫』
幼い頃に父親を亡くして母の手一つで育てられた主人公。
逆境をバネに、19才という若さで大学法学部を卒業して某省に勤める。
三年後、ドイツ留学を命じられて、出世の念に燃えて快諾し、ベルリンで法律を学ぶ。
留学して三年程たったある日、ドイツの教会の前ですすり泣く少女を見つけ、声をかける。
聞くところによると、父親が亡くなったのだが、金が無いため葬式をあげられないという。
同情した主人公は葬式代を肩代わりする。
これをきっかけにその少女、エリスと付き合い始めるが、
留学生仲間に嫉妬されて上官に告げ口され、今ドイツから日本に帰るならその旅費を出してやるが、
このまま留まるつもりならもう公的な援助は仰げないと言われる。
悩む主人公だが、結局ドイツに残ってエリスと同棲する。
大学での勉強を諦めて、語学力に長ける主人公は通信員として小金を稼ぐ日々を送る。
エリスの妊娠が判明し、途方に暮れている時、大学時代からの親友、相沢から手紙が届く。
自分が仕える大臣が君に会いたいとおっしゃるから、早く来い。
きみの名誉を回復するチャンスだ。という内容だった。
早速出かけようとする主人公に「例えあなたが偉くて高貴な身分になっても、
私を捨てないでください」と言うエリスに主人公は笑いながら
「私はもう政治には興味ありません。ただ、親友に会いに行くだけですよ」と答える。
299: 本当にあった怖い名無し:2008/12/10(水) 19:30:40 ID:sNIF7+WlO
大臣のもとに着くと、ドイツ語の文書の翻訳を頼まれる。
主人公は文書を受け取った後、相沢に昼食を誘われる。
相沢は、きみのような学識があり才能があるものが、
いつまでも女の愛情にとらわれて、なんでもない生活をすることはない。
どうにかして大臣に気に入られて信用を手に入れろ。
少女との関係は今すぐ切れ。と、主人公を説得する。
主人公は相沢の言うことに納得し、必ずそうすると相沢と約束する。
が、結局家に帰ってもエリスには何も言えなかった。
翻訳は、一晩でなしおえた。
翻訳の仕事で大臣のもとに通い詰めて一ヶ月程たったある日、
大臣からロシアに一緒に来ないか?と誘われる。
従わないはずがありません、と答える主人公。
ロシアでは、毎日エリスから手紙が届く。
手紙の内容「あなたが居ないとこんなにも寂しいものだったのか。絶対に、絶対に私を捨てないで下さい。もしあなたが日本に帰るとしても、大臣に気に入られている今のあなたなら、私の旅費は出せるでしょう。早く帰って来ることを願っています」
300: 本当にあった怖い名無し:2008/12/10(水) 19:32:24 ID:sNIF7+WlO
手紙を見て、初めて自分の立場を理解する主人公。
相沢は、主人公の約束を信じて既にエリスとは別れていると思っている。
一ヶ月後、ベルリンの自分の家に帰ると、エリスは階段を駆け降りて主人公に抱き付く。
ためらう気持ちは消え去り、主人公はエリスを抱き締める。
手を引くエリスと共に部屋に入ると、机の上にはエリスが作ったオムツが積み上がっていた。
嬉し涙を流しながらエリスは言う。
「生まれて来る子はあなたに似て黒い瞳でしょうか。その綺麗な瞳。夢にまで見ました。
切ないと笑わないで下さい。教会に行く日はどれほど嬉しいでしょう」
二、三日後、大臣から呼び出される。
大臣は、私とともに日本に帰ろう。きみの語学力は実に役立つ。
滞在が長かったので、面倒な関係もあるだろうと心配したが、
相沢に尋ねるとそんなことはないと言うので安心した。と、主人公に言う。
主人公は混乱しつつも、申し出を受け入れる。
帰り道、罪の意識に精神が不安定になった主人公は、家に着くなり倒れて数週間意識を失う。
それを知った相沢は、主人公の家に見舞いに尋ねてしまう。
エリスは相沢から主人公の裏切りを知り、ついに発狂してしまう。
301: 本当にあった怖い名無し:2008/12/10(水) 19:33:40 ID:sNIF7+WlO
目を覚ました主人公は、変わり果てたエリスを抱き締めて涙を流しながら、
事の経緯を話してエリスを精神的に殺した相沢を恨む。
大臣に従って日本に帰る際、主人公はエリスの母にまとまった金を与えて、
エリスの胎内に残した子供が生まれる時のことを頼む。
主人公の心には、相沢のような良い友はなかなかいないだろう、と思いながら彼を憎む気持ちが残る。
303: 本当にあった怖い名無し:2008/12/10(水) 19:37:06 ID:9QbwbRgp0
実話な所がまた後味悪い
310: 本当にあった怖い名無し:2008/12/10(水) 20:32:57 ID:Na/2QNX70
鴎外って子供の名前がひどかったような
311: 本当にあった怖い名無し:2008/12/10(水) 20:49:41 ID:8uDCIypW0
西洋でも通じるように、漢字に「マックス」を当てたんだっけか
314: 本当にあった怖い名無し:2008/12/10(水) 21:29:27 ID:crYI2FGI0
Wikiで見てきたw 鴎外と愉快な子供たち
長男 於菟(おっと) 次男 不律(ふりっつ) 三男 類(るい)
長女 茉莉(まり) 次女 杏奴(あんぬ)
長男の子供
真章(まくす) 富(とむ) 森礼於(れお) 樊須(はんす) 常治(じょうじ)
でもちゃんと高学歴家系なんだな。
316: 本当にあった怖い名無し:2008/12/10(水) 21:45:00 ID:cQkgUaAT0
>>314
時代を1世紀ほど先取りした素晴らしい名前だな