スポンサーリンク
423本当にあった怖い名無し2022/02/02(水) 21:45:57.85ID:mtUVVD/Y0
『雨の日も神様と相撲を』のメインストーリー。
舞台となる地域に伝わる風習と伝承の真相。
その村の人々は昔から豊穣の神としてカエルを「カエル様」と呼んで信仰し崇めていて、それが現代まで続いていた。
実はこれ迷信ではなく、村にはガチでカエル様という神様が居て、神通力によるご利益をこの地の人々にもたらしてくれているというファンタジー。
村には代々カエル様の声を聞くことができる「かんなぎ」の一族がいた。
その一族では女だけがかんなぎの跡継ぎに成れ、かんなぎの女は60歳になるとカエル様に嫁入りして「カエルの花嫁」にならなければならないという掟が有った。
事実、その一族の跡継ぎの女性は60歳になると決まって行方不明になっていた。そのことは地元の警察さえ了承済みという徹底ぶり。
ヒロインの少女もかんなぎで、子供の頃に祖母がカエルに変身するところを見たことが有ったと語っている。
しかし諸事情で東京から村に引っ越して来た聡明な主人公は、ヒロインの話や地元の伝承などを照らし合わせて独自に考察し、真相に気付く。
「かんなぎの一族の女達は、カエルに変身して嫁入りしているのではなく、“カエル様に食われてる”んだろ?」
そう、ヒロインが幼い頃に見たという祖母の変身シーンの真実は、カエルに変身していたのではなく、カエル様によって肉も骨も食べられていくというおぞましい光景だった。
かんなぎの一族の役目とは、「嫁入り、」ではなく「人身供養」、つまり生け贄だったのだ。
その事はヒロインも既に知っており、彼女は「村から出て、遠くへ行きたい」という夢を抱えながらも、「この村の繁栄のために犠牲になる」と既に自分の運命を受けれ入れていた。
しかし、物語終盤で主人公がかんなぎの役目をヒロインから奪い取ってしまう。
こうしてヒロインは一族の呪縛から解放され、自由の身となり救われた。
ある夜、主人公の家にカエル様が訪ねて来て、色々と語らうことになる。
その際に、カエル様は「実は、かんなぎを食べる必要は無かった」と真相を明かす。
昔、カエル様の力が及ばずに少しだけ実りが少なかった年があった。
すると村人達は不安と恐怖にかられ、かんなぎ一族の娘をカエル様への「生け贄」として捧げようとし始めたのだ。
424本当にあった怖い名無し2022/02/02(水) 21:46:45.65ID:mtUVVD/Y0
当時のカエル様は、かんなぎの口を通して「生け贄など必要無い」と必死に説いた
だがカエル様を盲信する村人達は「かんなぎ自身が命懸が惜しくて言ってるだけだ」「カエル様は人身供養を求めておられるに違いない」と狂気にかられて聞く耳を持ってくれなかった。
「人々が求める偶像」に抗うことは、神様としての威厳を失うことになる。もしそうなって信仰が失われた時、カエル様は滅ぶことになるのだ。
自らの滅びを恐れたカエル様は、致し方無く人々の望み通り「生け贄」を受け入れ、差し出されたかんなぎ一族の娘を食い殺した。
それからというもの、村ではかんなぎ一族の女を人身供養としてカエル様へ捧げることが風習と化してしまった。
カエル様はせめてもの慈悲で、時代の流れに伴って風習を変化させていき、かんなぎ一族の女が60歳までは生きられるようとり計らってきた・・・。
だが、現代になって主人公が現れ、一族の娘からかんなぎの役目を奪うという異例の事態を引き起こした。
カエル様はこれを変革の時と感じ、この村に根付き凝り固まった悪習を変えて欲しいと主人公に願う。
主人公はそれを承諾し、時間がかかるかもしれないが、いつか必ずこの村を変えてみせる、と約束するのであった。