後味の悪い話

【後味の悪い話】アリサ

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228: 前半 2011/04/04(月) 09:45:03.97 ID:r1bgK2hP0
マンガの読み切りで、前半は女性(アリサ)目線、後半がその後の顛末になってる。

幼い頃に乗っていた船が遭難して、30歳前後の「先生」(男性)と孤島に流れついたアリサ。
さいわい島は暮らしやすく、魚を捕り、先生に(先生は物理学者のようだった)ものを教わり、
救助を待つ毎日だった。
そのうちアリサは成長し、先生と恋に落ち、妊娠する。
出産では失神してしまい子供はダメだったが、それ以外は幸せな毎日だった。
ただたまに見せる先生の悲しげな表情が気がかりだったが…

救助はいまだ来ず、
アリサは古いパソコンで物理理論を研究し、この世の不思議を思いながら、年老いる。
「先生、あなたも不思議のひとつね」と。
先生は、むかし恋に落ちた頃とほとんど変わりないままだった。
老婆となったアリサは先生に「幸せだったか」と聞かれ「長い間、わたしは幸せだった」と答えて死ぬ。

229: 後半 2011/04/04(月) 09:48:12.41 ID:r1bgK2hP0
アリサの亡骸を抱いて泣く先生のもとにヘリが救助にやって来た。
先生はアリサの使っていたパソコンをスタッフに渡し「この子は物理の新理論を作ったかもしれない」。
「アリサにはたった6年が長い人生だったんだ」。

アリサは、先生がむかし某国の極秘計画で作った、常人の数倍の能力を持つ遺伝子改造人間の一号だった。
生まれて3ヶ月で立って歩き言葉を喋り、普通の10倍の早さで成長しているかと思えたが、
実は老化速度が加速度的に早まっていることが明らかになった。計画は失敗だった。
先生は「遭難」したことにしてアリサと二人っきりで孤島で暮らし、
子供が生まれたら失神してるうちに島の外へ移し死産だったことにし、
アリサが自分の老化の早さに気付かないよう彼女の短い人生を終わらせることにしたのだった。

街に出て、先生はアリサと自分との子供に会いに行く。その子はまだ3歳だった。

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