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560: 本当にあった怖い名無し 2017/09/09(土) 03:42:23.98ID:9BSA0pm5r
小学生の頃に読んだ児童書「おとうさんがいっぱい」の一篇
「僕は五階で」三田村信行著
主人公は団地住まいの鍵っ子の小学生。両親は共働きで夕方過ぎに帰ってくる。
学校が終わったあとは、いつも公園で友達と野球をして時間を潰す。
その日も、家に帰ってランドセルを置いて、グローブを持って公園に行こうと玄関を出た。
玄関を出たら玄関だった。
何を言ってるのか(ry
あれっと思って、勘違いしたかな?と振り返って、玄関を出た。
ら、玄関の中に入っていた。うわあああとベランダまで走って外を見たが、普通にいつもの外で、歩いてる人もいる。
もう一回玄関を出てみたがやっぱり玄関の中に入ってしまう。どこにも行けない。外に出れない。
親の会社に電話してみるも、寂しくて電話してきたと勘違いされたり信じてもらえない。
外から人が来たら一緒に出れるかも、と出前を頼んでみるもチャイムもノックも無い。来ない。
出前のお店に電話してみると、誰も出なかったのでドアの前に置いておきましたよーと言う。
561: 本当にあった怖い名無し 2017/09/09(土) 04:01:49.49ID:9BSA0pm5r
続き
隣の部屋の人に助けを求めようと、ベランダの柵を乗り越える。
ベランダは開いていて中が見えるが…何か家具や襖の柄など見覚えがある。
部屋に入ってみると、そこは元の自分の住む部屋だった。
確かに柵を乗り越えて、手に錆も付いてるのに。
ベランダから下を見てみると、ご近所さんがベビーカーを押して歩いている。
オーイオーイと声をかけるも全く気付かない。カッとなって下に向けてグローブを投げつけた。
…が、ご近所さんの頭上数メートル上でグローブがふっと消えた。
と、突如背後でゴトッと音がして、投げたはずのグローブが部屋の真ん中に落ちてきた。
怖くて泣いて寝落ちして気付くともう真っ暗で、やっぱり親は帰って来てない。
閃いて、押し入れからシーツを全部取り出して端と端を結んで長いロープの様にした。これを伝って外に出る!
端っこをベランダの柵にしっかりと結ぶ。ぶら下がる様にしてするすると下の階に降りる。
主人公の部屋は五階で団地の最上階。下の四階のベランダまでなんとか降りた。
降りた先の部屋の中を見て…そこはまた自分の部屋だった。ベランダの上を見ると上の階が無くなっている。
シーツは柵に結ばれている。
と、自分の母親が奥のキッチンから出てくるのが見えた!お父さんもいる!帰ってきてたんだ!
ベランダは鍵がかかってて開かない。バンバンと叩くが二人は気付かない。
体当たりをした。何度目かでバリッとガラスが割れて、部屋の中に転がりこむ。
イテテ…と起き上がると部屋は真っ暗になっていて、
両親も居ない…。
主人公はうわーんと泣き出した。
終わり
562: 本当にあった怖い名無し 2017/09/09(土) 04:05:24.27ID:9BSA0pm5r
自分も鍵っ子だったので図書館で読んで物凄く怖かった。
トラウマ解消しようと、最近本を買って読み返したが、やっぱり怖かった。
全く救われない後味悪い児童書。
563: 本当にあった怖い名無し 2017/09/09(土) 06:08:17.73ID:BHk21KF3H
怪奇の原因が全く判らないのが腑に落ちないし余計に怖さを掻き立てるな…
世にも奇妙な物語にありそうだが子供が理不尽に不幸になる話はクレームきそうで放送できないか
高校生くらいのいじけた引きこもりが罰として自分の部屋だけを自分の世界にされてしまった結果なら
因果応報なんだが、望んでマンションを自分の世界にしたわけでもない鍵ッ子の小学生がなあ…
564: 本当にあった怖い名無し 2017/09/09(土) 08:40:46.78ID:lt3tU8nId
シンプルに怖くて実にいい