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857:1/4:2006/09/03(日) 18:39:21 ID:H7YUWcPp0
ダンカン監督出演『七人の弔』
山奥に七組の親子が二泊三日のキャンプに参加するためにやってくる。
主催者であるダンカンに迎えられ、マイクロバスでキャンプ地へ向かうがどの親も様子がおかしい。
このキャンプは子供を虐待している親が、子供の臓器を秘密裏に売るためのキャンプだった。
参加した時点で口止め料の500万円がもらえ、二日目の夕飯までに辞退しなければ5000万円もらえる。
さらに、もし途中で体力的に厳しい子供がいたら失格となり、その分浮いたお金は他の参加者に配当される。
ダンカンはコーディネーターで、後ろにはなにやら物騒な組織がついているらしい。
子供たちが消えた後も、怪しまれないようなフォローは保障されていた。
1日目の夕飯には子供たちの分にだけ薬物が混入され、翌日の登山までに回復できるか、
臓器の健康具合を確かめるようになっていた。
数人の子供たちは熱に苦しむが、翌日の登山には全員参加できるように。
登山中、参加者の山崎一(七人の子沢山。会社が倒産)の息子と、
温水洋一(以下ぬっくん。消費者金融で借金まみれ)の息子がいなくなってしまう。
2人はがけから落ちかけ、がけの途中の足場でやっと立っている状態だった。
他の親たちはそのまま落ちれば自分たちの取り分が増えると傍観状態。
ぬっくんがロープを持ってきており、山崎がそれを自分に巻きつけ子供を助けに行く。
そして、まずぬっくんの子供を助け、それから自分の子供を背負う。
なぞなぞ大好きな息子は父親に背負われながら、こう言った。
「会社がつぶれて、家族で一番困ってる人はだれだ!」
山崎はしつけというには厳しすぎる折檻で児童相談所に通告を受けたことがある。
七人も子供がいて、いちいち口で言ってる暇がないのだ。今度は八人目の子供が生まれる。
「ヒントは僕が世界で一番好きな人!」
それどころじゃない山崎は「答えはあとで」と言い、必死でロープをたぐる。
その時、誰かがロープをナイフで切った。必死で岩を掴む山崎の上から、誰かが手を差し伸べて息子を引き上げた。
それはぬっくんだった。ぬっくんは子供を引き上げた後、山崎にも手を貸す。
年長の子供二人は、ダンカンに何かを言われしぶしぶ手を貸した大人たち、
そしてロープの切れ方が不自然だと、何かこのキャンプはおかしい、と思い始める。
858:2/4:2006/09/03(日) 18:39:53 ID:H7YUWcPp0
キャンプ地に戻ってくると、荷物をあさっている泥棒に出くわすぬっくん。
ぬっくんに包丁をつきつけ泥棒は車を用意しろと叫ぶ。
「お父さんを離せ!!」
普段はおとなしくてもの言わぬぬっくんの息子が、そう叫んで泥棒に飛び掛った。
泥棒はそれをかわし、ぬっくん息子を人質に取る「近づいたらコイツを殺す!」
それを聞いた他の親たちは、ぬっくんが止めるのも聞かずにじりじりと泥棒に近づく。
年長の少年が機転を利かせ、無事泥棒を捕獲。ぬっくんの息子も無事だった。
ダンカンは泥棒をどこかに捨てに車で出かけていく。
親たちはカラオケを見つけ、どんちゃん騒ぎを始めた。
山崎は、少し迷っているとぬっくんに言う。ぬっくんもだ。
何故あんなに借金してしまったんだろうと思うぬっくん。
「でもいいじゃないですか、あなたには他にいっぱい子供がいるし…」
ぬっくんのその言葉に、山崎は声を荒げた。「他にって言うな!!」
その頃、先ほどの騒ぎでも違和感を感じた子供たちは七人で集まっていた。
親たちは自分たちを殺そうとしているのでは?
ぬっくんの息子の怪我の手当てをしていた少女が、ふとぬっくん息子の体のあざに気付き、驚く。
自分にも同じようなあざがあるからだ。
また別の少年も、もっとひどいあざがあると体を見せる。
年長の少年が尋ねた。「この中で児童相談所の世話になったことがあるやつは?」
全員が、手を上げていた。
859:3/4:2006/09/03(日) 18:40:37 ID:H7YUWcPp0
戻ってきたダンカンは馬鹿騒ぎの親たちに激昂した。
「子供たちが集まって何か話している。あなた方の不審な行動を怪しんでる。何故監視してない」
ダンカンは人数分のアイスを買ってきていた。
夕飯後、この睡眠薬の入ったアイスを子供たちに配るのだ。
年長の少年がダンカンを山小屋の一室に呼び出した。
このキャンプの目的を問い詰める少年。
ダンカンは「じゃあ君だけ助ける、他の子には言うな」とあっさり白状した。
自分たちの臓器が親によって売られたことに愕然とする少年。
「でも君以外の子供たちはみんな、自分は親に愛されてると自分に言い聞かせているようだ。
このことを知って、親たちに捨てられたと知って、
親から受けた心の傷を抱えたまま長い間生きていく辛さ」
ダンカンの体にも、またひどい傷跡が残っていた。
「君は他の子に話さない、話せないだろう」
少年は呆然と呟いた。「話せなかった、でも」少年の手にはトランシーバーがあり、窓の外には子供たちが全員いた。
山崎の息子が「お父さんがそんなことするはずない!!」と叫んで走り出した。
それを止める年長の少年と、ダンカン。ぬっくんの息子もまた、そんなの嘘だと泣いた。
860:4/4(もう1レスつきます):2006/09/03(日) 18:44:39 ID:H7YUWcPp0
そしてついに最後の夕飯の時がきた。ダンカンがアイスを全員に配る。
年長の少年が「忙しいのにキャンプにつれてきてくれたお父さんお母さんにお礼を言おう」と提案する。
もう諦めたように「これからもお母さんと一緒にいて」と、母の内縁の夫に言う少女。
自分の似顔絵を父親に渡す少年。ただ、「ありがとう」と母親に言う少年。
「これからはいい子になるから…」父親と後妻にそう告げる少女。
親たちは複雑そうに、居心地悪そうに生返事をするばかりだった。
ぬっくんの息子は、何か言おうとするが泣くばかりでなにも言うことができない。
そんな息子が、自分が泥棒に包丁をつきつけられた時、大きな声で「お父さんを離せ」と叫んだ。
そう思ったぬっくんは、思わず息子のアイスを取る。そして、息子にティッシュを差し出そうとする。
そのティッシュは、消費者金融の広告が付いていた…。
ぬっくんは一度取り上げたアイスを、再び息子の前に、戻した。
年長の少年の父親は「素直な息子でうらやましい」と皮肉を言う。少年はおざなりに皮肉を返した。
まさかこの最低の父親がこの期に及んで考え直すとは、思えなかったのだろう。
最後に、山崎の息子が「なぞなぞこれからもいっぱい覚えるから」と言った。
山崎はがけで、息子が出したなぞなぞを思い出す。
「あの答えって、父さんか…」
嬉しそうな息子の顔を見て、父親は息子のアイスを取り上げた。
「正解したから父さん商品としてアイスもらうぞ!」
ダンカンに促され、全員自分のアイスを食べ始めた。山崎は、息子から取り上げたアイスを。
861:5/4:2006/09/03(日) 18:45:12 ID:H7YUWcPp0
そして、親たちが全員机に突っ伏して倒れていた。呆然とする山崎。
それを見つめる子供たちと、ダンカン。
真実を知ったとき、子供たちはこう決めたのだ。「自分を売った、そんな親いらない。殺そう」
「子供の臓器じゃなくてもいいんでしょう。虐待されてる子がいなくなるより、親がいなくなったほうがいい」
「もうあんな人たちと暮らせないよ」
「いくらで私たちを買ったか知らないけど、その半額、子供料金でいいよ」
山崎の息子と、ぬっくんの息子は反対した。
最後の場で、親が答えを出す。信じたければ信じればいい、ダンカンはそう言い、子供たちの条件を飲んだ。
子供たちと山崎は行きと同じようにマイクロバスに乗り、キャンプ場を後にした。
キャンプ場には木の枝で作った墓標と、少年の一人が描いた親たちの絵が残された。
それを見送るダンカン。
ぬっくんの息子は、一人やるせない顔をしていた。少女が傍らに座り、慰める。
ぬっくんの息子が歌を歌い始め、少女、そして他の子供たちも一緒に歌い始めた。
いーいーな、いーいーな、にーんげんっていーいーなー
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親たちの消息はダンカンのバックの組織がうまいことやるんだろうけど、
これからこの子供たちがどうなっていくのか、簡単に明るい未来じゃないのが後味悪い。
あと山崎の家は最初の口止め料と半額分で3000万と結果的に一番得しちゃったのも、
後味悪い。
865:本当にあった怖い名無し:2006/09/03(日) 19:15:39 ID:H7YUWcPp0
あっ!!
みんな、ぬっくんのとこは「温水」って脳内変換して読んでね!
867:本当にあった怖い名無し:2006/09/03(日) 19:43:23 ID:JPqlJeZ00
>>865
わろたwありがとう