後味の悪い話

【後味の悪い話】柴田元幸氏のエッセイ「チョコレート」

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903: 本当にあった怖い名無し 2011/02/01(火) 23:38:58 ID:ELkSeGnr0
超有名翻訳家&東大英文学教授である柴田元幸氏のエッセイ「チョコレート」

53歳である柴田氏は、飲み会で知人の吹いた自分に関するホラ(シバタ先生のお宅、1階がまるで洋書図書館。そんでそこに夜中に降りていくと、過去の自分の亡霊が出るんだってさ。そうっすよね、シバタ先生?)
に対して、飲み会ののりで話をあわせてしまう。その後、その考えに魅了された柴田氏は、自宅の一階に入るときに、自身の亡霊と出会うことをイメージする。
ある晩成功し、中学2年くらいの自分が深夜に音楽を聴きながら英文翻訳している姿を目にする。その後交流にも成功し、もちろん感性の合う自分と、当時の洋楽事情や、英語の勉強などを話し合う。
そして2月のある晩。少年の自分は夢見心地で机に載せた板チョコを見つめている。
バレンタインのチョコレートを貰ったのだ。
柴田氏は詰問口調で誰からのチョコかを問い詰める。子供の『彼』はニコニコしながら、
「アオキさんていう子」と答える。
柴田氏は激昂する。「そんな馬鹿な!僕はそんなのもらった覚えないぞ!」
なぜなら、彼が初めてバレンタインをもらうのは三十歳近くなってからだからだ。
少年は事情はわからないまま、女の子からもらったロッテ・ガーナミルク・チョコをおじさんと「半分こ」しようよ、と提案する。柴田氏はまた激昂する。
「ふざけんな!お前がもらったチョコレートなんか誰が要るか!お前なんかと違って、僕は、僕はな、毎年すごくたくさん、ロッテなんかじゃなくてゴディバとかマキシム・ド・パリとかのチョコレートを、食べきれないくらいもらうんだぞ!」
そこで深夜の騒音を心配した両親が起き出してくる。『僕』は、
「ごめんなさい、こいつが、僕がもらった覚えのないチョコレートをもらったものだから、つい……」
と言いながら、子供の「僕」を指差す。そこには誰もいない……僕はもう一度、僕の人生を十四歳から生き直すことになるのだ。
それは誰が見ても、とてつもない幸運だろう。もう人生が半分以上終わってしまったと思っていたら、またほとんど無限に思える未来が開けたのだ。

なのに僕は、どうしようもない心細さを抱えて途方にくれていた。
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全体的には楽しいのだけれど、非モテ主張(人気教授になってからの豪勢自慢含めw)や、今更14歳に戻されてもなぁ…の感覚が後味悪い。この話好きなのだけれどね。

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