191: 本当にあった怖い名無し 2017/12/08(金) 00:02:04.79ID:S8e21XoK0
前スレで朱川湊人の小説が紹介されてたが、俺も同じ作家の作品から。
「遊星ハグルマ装置」って本に入ってるショートショート。
主人公は保育園の女の先生・高橋。
他の先生達が子供達を遊ばせるのがメインなのに対し、教育熱心な彼女は小学校に備えて勉強になる遊びをさせるべきだと主張していた。
ある日、雨が降って散歩ができなくなったため、子供達に「暗号遊び」というのをやらせる。
「トトロ」「けむし」「いちご」といった風に複数の単語を子供達に見せて、その単語のどこかに別の言葉が隠れているから見付けてみようという遊びだ。
この場合は一文字目だけつなげると「とけい」になる。
この遊びはガキ共に受けて、自分達でも問題を作って遊び始めた。
で、昼休みにガキ共が「先生に問題作ってきた」と言って2枚の紙を差し出す。
一枚目には『たっきゅう』『かぜ』『はえ』『しやくしょ』。
二枚目には『だんす』『いちじぐ』『すずむし』『きつね』。
192: 本当にあった怖い名無し 2017/12/08(金) 00:05:23.67ID:S8e21XoK0
高橋先生は全部一文字目をつなげて読み、「たかはし・だいすき」だと思って大喜びし、ガキ共にお礼を言う。
しかし「いちじ『く』」が「いちじ『ぐ』」に書き間違ってると指摘もする。
だがガキ共はニヤニヤしながら、「間違いじゃないの、それでいいの」と言って帰って行った。
高橋先生は感激しながら、その2枚の紙を同僚に見せるのだが、同僚はそれを何度か読んで顔色を変え、
「いちじくじゃなくいちじぐが正しいって言ったんですよね?これ、一文字目じゃなく最後の文字だけ読んでみてください!」
そこで突然物語は終わる…。
193: 本当にあった怖い名無し 2017/12/08(金) 10:16:53.53ID:CTzHbvjZ0
>>192
真実は伝えない方が良くないかそれ