8:本当にあった怖い名無し2020/11/21(土) 10:06:13.87ID:h3vi6J1W0>>27
「邪魔立てする者」
大きな森の所有権を三代にわたって争っている二つの家があった。
ある日、両家の当主がたまたま森で一人で出歩いているときに遭遇。
正々堂々と決闘で勝負しようと銃を構えるが仇敵であるものの、二人とも引き金を引くのには躊躇してしまう。
二人が迷っているうち、たまたま大木が倒れ二人とも下敷きにしてしまった。
二人とも息はあったものの動くことはできず、初めは互いに「くたばりぞこないめ」「そっちこそ、部下が到着したらお前はお陀仏だ」
と罵り合っていたがやがて
「なあお前、水はあるか?そっちに水筒を投げてやってもいいぞ」
「…ふん、仇といっしょに水を飲むとかごめんだね」
「…なあ、もし部下が到着したら俺はお前を先に助けてもらうつもりだ。
もう境界争いなどやめないか?そうすれば俺たちは友達だ」
「…俺たち二人がなかよく馬を並べて市場に顔を出したらみんな驚くだろうな」
和解がなった時、人影のようなものがいくつも現れた。
「部下がきたんだ!どっちの家でもいい!俺たちは助かったんだ!」
と二人が喜びあっていると徐々に影の正体が明らかになった。
「「狼だ!!」」
【後味の悪い話】邪魔立てする者