後味の悪い話

【後味の悪い話】過去転送

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39:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/09/15(月) 14:00:57.10 ID:pYDuQX4l0.net
題名は忘れたけどSF短編小説

未来の世界
DQNな若者たちが集まって遊んでいた。
みんなが一番熱狂していたのはある転移装置を使った遊びで
その装置に入って過去の世界に転移してわざと死ぬ、
その瞬間に肉体を再構築して呼び戻し生き返る、
死のショックと生の喜びをこの上なく強く味わうことができて麻薬のように刺激的なゲームだった。

狙いをつけた過去世界のある運転手のトラックの前に、彼らはかわるがわる飛び出した。
運転手は何度も人間をひき殺して無残な死体を前にするのに、
それが目の前からかき消えてしまう。
トラックを降りてみるとガラスが割れていたり血が付いていたりするから確かにひいたはずなのに。
運転手は昔愛する妻を交通事故で亡くしていたために、
ひいた人間と妻の最後の姿が重なり、精神的により強い打撃を被る。

未来世界では、警察官がやってきてゲームの主催者にやめるように警告するが
彼は「運転手はこの後崖から落ちて死ぬ運命にある、
自分たちは彼が最後に人と会ってから死ぬまでの間の時間帯にこの遊びをしているから
歴史にもなんの干渉もしていないし法に触れていない」と言いはる。
しかし運転手は飛び出しに驚いて車を止めたときに崖に気づいてしまう。
警察官が「運転手は死ななくなった。あなたは歴史を変えた」
と主催者を逮捕しようとしたが、すっかり精神に参っていた運転手は自ら崖に飛び込んでしまった。

「やぱり運転手は死んだことに代わりないじゃないか」と得意げに反論する主催者。
しかしゲームを続けるうちに主催者に反感を持っていた知人が
主催者が装置に入っているうちにスイッチを切ってしまいそれっきり彼は戻ってこなかった。

主催者だけは最後に報いを受けるけど、ほかに大勢このゲームを楽しんだ連中はお咎めなしだし
いくら近い未来に死ぬからと言って余計な苦痛を味わわされた運転手みたいな人たちが気の毒すぎる。

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