199: 本当にあった怖い名無し (ワッチョイ 2b35-KY9h) 2018/05/24(木) 14:29:05.32
昔、ホラー系の漫画雑誌で見た話。
男子小学生三人組(以下、A・B・Cとする)が遊びに来た山で迷子になる。
季節はもうすぐ冬。
寒さと怪我の痛みで震える三人の前に、不思議な生き物が現れる。
見上げるように大きな体をしたその生き物は、頭に帽子のような物をかぶっている。
怯える三人だが、生き物は彼らを温かい洞窟に案内してくれた。
「じいちゃんが言ってた。あれはきっとヤーボだよ。山に住む、動物の神様なんだ」
囁き合う少年たちに、ヤーボは指先から滲む汁を舐めさせる。
それを舐めるとすっかり元気になり、なんと怪我まで治ってしまった。
回復した三人は、ヤーボに人里のある方向を教えてもらい、礼を言って洞窟を出た。
しばらく進むと、行く手に怪我した小動物がいた。
Aはもう一度ヤーボを探して手当してもらおうと提案するが、BとCは早く家に帰りたくて仕方がない。
結局、三人は別行動を取ることになり、Aは小動物を抱えてヤーボを探し、BとCはそのまま進むことにした。
200: 本当にあった怖い名無し (ワッチョイ 2b35-KY9h) 2018/05/24(木) 14:30:14.57 ID:S82RfQaQ0
その頃、麓の町では行方不明になった少年達の捜索が始まっていた。
老人の一人が山を見て呟く。
「ヤーボに出くわしてなけりゃいいが・・・」
「おじいちゃん、こんな時に何を言っているんですか。第一、ヤーボって神様なんでしょ」
「確かにヤーボは神だ。普段は人間にも優しい。だが、唯一、冬になる前のこの時期・・・冬の間、動物たちのための力を蓄えるため・・・ヤーボは・・・」
小動物とともにヤーボを探すA。
やがて木々の向こうにヤーボの巨大な後ろ姿が見えた。
「ヤーボ、この子、怪我してるから治してほしいんだ」
Aの声に振り向くヤーボ。
その手には先へ進んだBとCの首が、口からは手足がはみ出していた。
ヤーボは帽子をかぶっている・・・だからヤーボと呼ばれている・・・ヤーボは動物の神様・・・動物<だけの>神様・・・
少年三人組は何一つ悪いことをしておらず、Aに至っては心細い気持ちを押し隠して怪我した小動物を助けようとする。
それがなすすべもなくヤーボに食い殺されるんだろうと思うと、ものすごく後味悪かった。
この作者、好きだったんだけど名前が思い出せない。
内容とは裏腹に、可愛い感じの絵だったんだけど。
203: 本当にあった怖い名無し (スプッッ Sd73-xwR8) 2018/05/24(木) 17:31:03.04 ID:Tybvk8/ud
>>199
一旦帰してくれたのは何故だろう
タイミング悪く狩猟シーズンのスイッチが入ってしまったのかな?
208: 本当にあった怖い名無し (ワッチョイ 2b35-KY9h) 2018/05/25(金) 10:37:05.33 ID:Jl9xv4bd0
>>203
記憶があやふやなんだけど、ヤーボと三人組が一旦別れた後、初雪がちらつくという描写があったかもしれない。
「雪が降る→いよいよ冬到来→栄養蓄積開始」ということなのかも。
最終ページをめくった瞬間、スノーマンみたいなほのぼのした容姿のヤーボが子どもを貪り食ってる場面がどーんと出て、かなり衝撃を受けた。
209: 本当にあった怖い名無し (スップ Sd33-xwR8) 2018/05/25(金) 11:16:19.55 ID:MHFfsUoHd
>>208
タイミングの問題だったわけか