885:本当にあった怖い名無し:2014/01/21(火) 12:36:21.43 ID:rsmYz23I0
職場の先輩に聞いた話。
まだ昭和の頃、ある30代社員が新入社員とペアを組むことになった。
しばらく経ったある日、二人で銀行に行き順番待ちをしていると、
新入社員が周囲を伺いながら真顔で言った。
「気をつけてください、監視されています。カメラが仕掛けられています」
銀行なので、当然監視カメラはある。
30代社員はギャグだと思い、退屈な待ち時間を和ませる気づかいに好感を持った。
その後も新入社員はペアの30代社員に監視の話を振ってきて、定番ネタのようになっていた。
30代社員は、仲の良い同僚に監視ネタの話をしていた。
あるときトラブルが発生し、部署の全員が疲労と睡眠不足でピリピリしていた。
そんな中、新入社員がいつものように監視ネタを振ったところ、30代社員は
「ふざけてる場合か!」
とつい怒鳴ってしまった。
新入社員は、いつの間にかいなくなっていた。
皆忙しくて、いつ出て行ったのか誰も知らない。
そのまま、新入社員は出社しなくなった。
その新入社員は心の病気で、監視の話はギャグではなく本人としては大真面目だった。
当時は心の病気の知識は一般的ではなく、30代社員だけでなく部署内の誰も病気なんて発想にならなかった。
30代社員に怒鳴られたのが引き金になって悪化したとかで、新入社員の親が会社を訴えると言ってきた(結局は示談だったらしい)。
30代社員は一緒にいる時間が長かったことや、症状をはっきり認識していた(症状とは思っていなかったけど)ことで矢面に立たされた。
最初は皆も同情していたけど、頻繁に呼び出され仕事の穴が多くなり、穴埋めをさせられ続ける同僚も疲れてきた。
その結果、30代社員は孤立し、会社を辞めた。
時代背景として知識がなかったことを考えると、一連の流れすべてが回避不可能だったとしか思えない。
他にも症状があったにしても、性格として片付けてたのだろうし。