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217: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/12/03(水) 18:20:48.94 ID:9Ci1hYTX0.net
北山猛邦の短編集『私たちが星座を盗んだ理由』に収録されている『恋煩い』
主人公は女子高生。幼馴染の男の子と、親友の女の子がいる。
主人公は通学電車の中で見かける同じ高校の先輩にほのかな恋心を抱いている。
ある日、親友の女の子から「好きな人いる?」と質問され、なんとなく言葉を濁してしまう。一方で、幼馴染の男の子には「先輩の事が気になる」と相談。
なんとなく感じ取るものがあったのか、親友の女の子は小瓶に紙切れが入ったものを主人公に渡してくる。
曰く「大事に持っていたら恋が叶う。中身を見たらだめだからね」
口では「いらないよ」と言いながら、小瓶を大事に持ち歩く主人公。
またある日、休み時間にクラスで雑談をしていると、親友の女の子が「恋に利くおまじない」を披露しているのが耳に入ってくる。
そのおまじないとは「階段を後ろ向きに数えながら降りる」や「黒い服を着て香水を付け、暗くなってから神社に一人で行ってくる」というもの。
半信半疑になりながらも、主人公はおまじないを試してしまう。けれど何も起こらない。
後日、親友の女の子に「ねえ、おまじない試した?」と訊かれたが、また咄嗟に否定してしまう。
すると今度は「将来の結婚相手が分かるおまじない」として「放課後に古い校舎の踊り場の鏡をのぞく」という話をする。
やはり、半信半疑のまま、放課後に鏡の前に立とうとする主人公。
そこに幼馴染の男の子が駆けつける。
古い校舎の踊り場は床が傷んでいて、運が悪ければ床が抜けて落下する可能性があった。
男の子がためらいながら「おまじない」について推理し始める。
階段を後ろ向きで降りれば足を滑らせる可能性が高いし、神社には蜂の巣があり黒い服と香水は蜂を引き寄せてしまう。そして最後の床。
親友の女の子が狙っていたのは、未必の故意。
親友の女の子は、幼馴染の男の子のことが好きで、先輩が好きだとはっきり言わなかった主人公の事を恋のライバルだと勘違いしていた。男の子に恋愛相談をしていたことも勘違い増長させた原因に。
男の子に促され、親友の女の子からもらった小瓶を開けて中身を見てみると――
紙切れには「死ね」の文字。
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後味が悪いというより、背筋がひんやりする系統の話かも