後味の悪い話

【後味の悪い話】黒澤明『蜘蛛巣城』

8本当にあった怖い名無し2021/12/01(水) 18:18:07.26ID:a1eq2g9l0
シェイクスピアの『マクベス』を原案とした
黒澤明の映画『蜘蛛巣城』

主人公は蜘蛛巣城の城主に支える忠義者の戦国武将。
ある日、同僚である親友と二人で馬に乗って駆けていたところ、もののけが居るとされる森に迷い込んでしまう
そこでもののけが現れ、主人公と親友に予言をする。

「主人公さまは蜘蛛巣城の殿に成られるお方」
「そして親友さまの息子は、『その次』に殿に成られるお方」

互いに忠義者である主人公と親友は予言を一笑に付して帰還
主人公は予言の話を妻に聞かせる
すると妻が言った。
「私はお妃に成りたい。君主を暗殺し、殿にお成りなさい」

やがて主人公は狂気にかられ、妻に言われるがまま、
君主を暗殺してしまい、まんまと蜘蛛巣城の城主の座に着いた
主人公には子がいなかったため、親友の息子を跡継ぎに任命した
だが、そこで妻がこう言い出した
「わたくし、妊娠しました」

生まれてくる我が子を跡継ぎにしたいという欲望にかられた主人公は、
親友と親友の息子の暗殺を企てる

しかし、親友を暗殺することには成功したが。その息子には逃げられてしまう
こうして主人公の軍勢と親友の軍勢で戦が勃発する。
やがて主人公は諸事情から部下全員に裏切られ、矢を浴び、無惨にも命を落とした。

個人的にこの作品で最も面白いと感じた点は、もののけの予言に飲まれていく主人公と
親友を憂いた息子が警告として父親に発した台詞

「もののけは『ただ予言しただけ』ではございませんか。
その予言に踊らされて悪事を働いているのは、全て人間なのでございます」

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