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182: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/08/12(水) 16:17:50.45 ID:+1tfC2r80.net
実話怪談集 恐怖箱から「見える聞こえる」
報告者の中尾さんは死者の声を聞くことができるという。
7歳の時に故人だった祖母の声を聞いたのがきっかけで様々な声が流れ込んでくるようになった
常に聞こえてくるその声にいつしか中尾さんは慣れと経験により集中して意識を遮断すると
曰く、「スイッチを切って」声を追い出すことができるようになった。
彼女が大学に入学して同じゼミに通う智美さんという女性に出会った。
ふとした事がきっかけで智美さんが死者の姿を見ることができるのだと知り
中尾さんは自分の秘密を打ち明け、2人は仲良くなった。
3年目のある日智美さんの母親が亡くなったのだが、智美さんは頑なに葬式に行かないと言う。
実は母親は父の再婚相手で、中学生だった智美さんは陰で相当嫌がらせを受けたそうだ
父親に訴えたが信用してもらえず何年も苦しんだ末、大学に入ると同時に家を出て一度も帰らなかった
いまさら自分が行って喜ばれるはずがない、と涙を流していた。
だが結局父親の命令に逆らえず、しぶしぶ帰郷して行った。
智美さんの身を案じながら待っていた中尾さんだったが、戻ってきた智美さんは意外にも笑顔だった
「あの人、笑っていたのよ」
「最初自分の棺をじっと見つめていたんだけど、私を見つけると嬉しそうにこっちに寄ってきてね、
にこにこと笑いかけてくれたの」
「今でも私の側にいてくれるの、どう?笑ってるでしょ」
中尾さんはスイッチを入れ彼女の背後の声を聞くと確かに笑い声が聞こえた、そしてこうも言っていた
【あたしだけが死んでたまるか、必ずお前も連れて行ってやる】
涙ぐみながら話す智美さんにとても本当のことを言えず、中尾さんは曖昧に返事をした。
数日後、散々悩んだ末智美さんに本当の事を話すと今まで見たこともないような形相で睨みつけ
口汚く罵って足早に立ち去って行ったという。