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82: 昔読んだ児童書・1 2012/03/07(水) 01:29:37.24 ID:j/tMNpsn0
昔読んだ児童書。うろ覚えな部分多いです。
話は主人公の少年(小学校5、6年)が父の郷里に引っ越し・転校するところから始まる。
転校先は父の母校でもあり、主人公もすんなり周りと打ち解けた。
しかし新生活に期待を膨らませる主人公を不安にさせる事が二つあって
一つはこの学校に伝わる怪談でもう一つは怪しい教頭・徳蔵丸先生。
怪談とは「いつの間にか教室に足が一本欠けた古い椅子がまぎれ込み、
それに座ると怪我してしまう」というもの。
教頭は主人公との初対面の時「君のお父さんの名前はもしかしてA?」と確認し、
主人公が肯定すると複雑な顔をし、それ以来常に主人公を監視しているようだった。
教頭は父の同級生なのかと思った主人公は帰って聞いてみると
父親は激しく動揺し否定する。
主人公は「あんな珍しい名前の人なら覚えてるでしょ?お父さんの名前も知ってたよ」と突っ込むが
父親は「知らんと言ったら知らん!」と叱り付けその場を立ち去る。
それから主人公の周りでは不可解な事件が起こりはじめる。
83: 昔読んだ児童書・2 2012/03/07(水) 01:32:55.37 ID:j/tMNpsn0
まず主人公の椅子だけが古い物、足の一本欠けたものに変えられていた。
例の怪談を思い出し震え上がる主人公とクラスメートだが悪戯という事で話は終わる。
しかしそれ以外にも主人公が放課後一人残って廊下を歩いていると
後ろから誰かがつけてくる気配→振り返ると例の古い椅子が!
移動教室で誰がどこに座るか分からない、それ以前に鍵がかかっていて誰も入れなかったのに
あの椅子が主人公のところに!という事が何度も起こり主人公はすっかり参ってしまう。
主人公は皆から好かれているのでいじめや嫌がらせの可能性も考えられず担任もお手上げだった。
そんな中徳蔵丸先生が「最近大丈夫かね?」とか不気味な笑顔で声をかけてきて
主人公は一連の事件の犯人は教頭で過去父と何かあって
自分に嫌がらせしてくるのではないかとの疑念を抱くが、誰にも話せないまま月日が流れる。
84: 昔読んだ児童書・3 2012/03/07(水) 01:41:33.94 ID:j/tMNpsn0
しばらくして文化祭が近付き、主人公のクラスは劇をすることに決まった。
担任は元気のない主人公を力付けようと主役を与える。
狙い通り劇の練習に打ち込む事で気分が戻ってきた主人公は本番の前日、
父に学校に見に来てくれるよう伝える。
あの日以来何となく溝があった二人だが父親は了承。
翌朝本番の日、父は主人公に手紙を渡す。
そこは父がかつて徳蔵丸先生と同級生だった事、父含め複数で彼をいじめていた事、
さらにそのいじめが原因で徳蔵丸先生は目に大怪我を負い
その後徳蔵丸先生は転校、どうなったかは知らず今まで忘れようと思っていた事などが綴られていた。
最後に父はこれを機に過去に向き合い、今日学校できちんと徳蔵丸先生に謝罪すると記してあった。
主人公はあの古い三本足の椅子こそが当時の事故のきっかけとなった椅子で
怪談の由来そのものだったのだと知る。
85: 昔読んだ児童書・4 2012/03/07(水) 01:43:16.45 ID:j/tMNpsn0
やがて本番を迎え、劇は進み最後のシーンが近づく。
終盤主人公は椅子に座り、独白を続けることになるのだが
本番直前まで道具類を皆で念入りにチェックしていたはずなのに
またしてもその椅子が例の椅子に入れ替わっていた。
しかし今回はもはや脅かしのデモンストレーションではなく、椅子から明確な悪意が感じられた。
椅子が自ら転倒し、金縛りになった主人公の目に小道具の剣が迫る。
その瞬間徳蔵丸先生が斧を振りかざして舞台袖から乱入、
間一髪主人公を突き飛ばして斧で椅子を叩き割った。
安心し泣き崩れる主人公と徳蔵丸先生。
徳蔵丸先生はそこで彼からの事実を打ち明ける。
いじめから目に大怪我を負って転校した徳蔵丸先生はその後失明し義眼になっていた。
それでも頑張って教職につき、教頭として学校や子供たちのために尽くしてきたが
突然自分を失明にまで追い込んだ一員の息子が現れて過去がフラッシュバックした。
主人公は関係ないと分かっていても我慢できずに脅かすために一度だけ椅子を入れ替えたが
すごく後悔してそれ以降はやっていない、椅子が意思を持ち出して悪さをしはじめたと訴える。
主人公に付きまとっていたのも主人公を椅子から守り見張っていたからだった。
答えられない主人公だったがやがて警察が到着し、徳蔵丸先生は連行される。
その背に主人公は「僕は信じます。あの椅子はあの日確かに自分で歩いてきていました」と叫ぶ。
先生は振り返り、泣き笑いのような表情を見せた。
悪いのは父やいじめグループなのにとばっちりで怖い目に遭う主人公や
失明した挙げ句せっかく忘れて教職で励んでいたのに逮捕される先生カワイソス。
でも父親もちゃんと包み隠さず息子に過去の悪事を話すまともな所もあり
ひたすらもやもやするんだよなあ…。
91: 本当にあった怖い名無し 2012/03/07(水) 08:14:45.82 ID:jhOv4IFV0
>>85
これは確かにいろいろと後味が悪いね。
86: 本当にあった怖い名無し 2012/03/07(水) 01:58:20.94 ID:gw/z/Nvr0
小学生とはいえ失明させるようなイジメをしていた連中が
お咎め無しだったのも後味悪い
しいて言えば主人公の父親が罪悪感を抱えているのとその後の
親子関係がギクシャクしそうな位か