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915: 1/2@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 11:54:21.53 ID:MQ2IO9zRO.net
星新一
無名俳優、古風な令嬢の春子に偶然を装って声をかける。
俳優は紳士的にふるまい、交際にこぎつける。
俳優は春子と節度ある交際を続け、結婚話が自然と出るように仕向ける。
春子は父親に俳優の事を話すが、結婚も交際も禁じられたと涙ながらに打ち明ける。
母親を亡くし父親と二人暮らしの春子の豪邸に行くが、古風で厳格な父親は、役者なんぞに娘をやれるかと激怒。
俳優は何度も訪問するが、門前払い。
春子は父親に嘘をついて外出し俳優と逢うが、あなたとは逢いたいし父を騙すのは心苦しいし、と次第にやつれる。
どちらからともなく心中の話が出る。
俳優は美辞麗句で心中を美化する。
916: 2/2@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 11:58:23.55 ID:MQ2IO9zRO.net
二人は逃避行へ。
俳優が用意した毒を、春子は素直に飲んだ。
俳優は春子を安心させる為に寄り添い、毒を飲んだふりをした。
春子が死ぬと、俳優は一人で去った。
「僕をひどい男とお思いでしょうね」
「わしをひどい父親とお思いだろうな」
「あなたは春子さんを愛していました」
「娘はわしの生き甲斐だった。だから余命わずかな娘に、せめて苦痛のないロマンティックな死を与えてやりたかった」
「あなたのシナリオは完璧でした」
「本当にそうだろうか」
「春子さんは幸せでした」
「本当にそうだろうか」
「……」
「…報酬の残りを受け取りたまえ」
二人の男は涙をこらえて見つめあった。
918: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 12:02:18.09 ID:cHKK5Z7+0.net
>>915
太宰治とかが書きそうなハードな内容だなーって思ってたら、オチはちゃんと星新一っぽかった