後味の悪い話

【洒落怖】パワポケ10「サラの話」

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271:本当にあった怖い名無し:2014/03/04(火) 22:50:30.88 ID:oYOVzRWt0
パワポケ10

主人公は親切高校という全寮制の高校に通う高校野球児であり、甲子園に向けて日々野球の練習に励んでいる。
ある日、屋上で休憩をしようとしていた主人公は一人の女の子をみかける。
その女の子はなぜか表情が暗く、日の光でとても明るい屋上の雰囲気とは対照的であった。
主人公はその女の子がとても気になるのだが、怒っているのかと勘違いしたためすぐさまその場から退散する。
別の日、屋上で休憩をしようとしたときにまたあの表情が暗い女の子を見かける。
主人公はその女の子がどうしても気になってしょうがなかったのだが、いきなりカメラのシャッター音が鳴る。
そのおかげで女の子は主人公に気が付き、すぐさまどこかにいってしまう。
そしてまた別の日、主人公は三度その女の子を見かける。

前に女の子が逃げて行ってしまったのは自分の顔が怖かったからなのだ、と主人公は思い込み女の子に謝ろうとした。
しかし主人公を見るなり彼女はまた同じく逃げようとするが、誰もいないのに急に屋上の扉が閉まったことにより驚く。
主人公もそのことに驚いてはいたが、いまが謝るチャンスだと思い女の子に謝る
しかし彼女はそんな主人公を見てくすくすと笑う。
実は彼女はただ単に機嫌が悪いからどこかに行ったのではなくて、ただ極度の人見知りの為に突然現れた主人公に驚きどこかにいったのである。
それを知った主人公はほっとし、そしてお互い自己紹介する。
その女の子の名前は芳槻さらといい、主人公とおんなじ学年である。
さらは、この極度の人見知りという性格をなおす手伝いをするよう頼み主人公はそれに応える。
こうして屋上で様々な事を話したりしていくなどして、うちに二人とも仲良しになっていく。
おかげで、さらは暗い表情をすることがあまりなくなりよく笑うようになっていくのであった。

272:本当にあった怖い名無し:2014/03/04(火) 22:52:35.96 ID:oYOVzRWt0
しかしある会話でさらは極度の人間不信であることが分かっていく。
さらは「自分が大切だから誰だって人を簡単に裏切る。
その人が友人であろうと仲間であろうと姉妹であろうと……」という考えを持っている。
そのことで主人公は「もしかしてさらは今仲良くしている自分でさえも信じていないじゃないのか?
そしてさらが友達を作らない理由もこれから来てるのではないか?」
と思うようになる。

が、特に何事もなく自分に接してくれているさらを見て、本当にあの時に言ったことは本心なのだろうかと主人公は思った。
とはいえ自分と普通に接しているからかそのことはあまり気にせずに、仲良く過ごしていくのであった。
しかしある時主人公のある言葉がきっかけで、さらはいつも仲良くしている主人公の事を全くと言っていいほど信じていないと告白する。
主人公の事を信じていないのになぜ主人公と一緒に仲良さそうにしているのか……それは『目の前に他の人とは違う人が現れ、これまで誰も信じることのなかった自分が初めて違う感情を覚えた。
それで何か変われることができるのか』このことを知るための実験として、主人公と仲良くしていたのであった。
そして今までの楽しそうな笑顔も全部演技であり心の底からではないという事も告白した。
そのことを聞いてただただショックを受けるしかない主人公。
しかし彼はそのことを一切信じようとしなかった。
なぜなら主人公は、屋上から出て行くときのさらの顔が辛そうに見えるからだ。もしもこれらすべての事が実験ならば、あんな辛い表情になる必要はない、と主人公は考えた。
そして別の日にさらに会い、その実験を続けてみようと主人公が提案した。
しかしさらは「実験の結果が出た。あなたならば信じられることができるかもと思っていた。
でも、残念ながらあなたでもだめだった。ただ、心のどこかでうれしいという気持ちが宿ったのは本当である」と言い残しそのまま屋上から出て行ってしまうのであった。
それでも主人公は「勘違いだとしても自分だけがさらを変えることができるのかもしれない」とさらの言葉を本気で信じようとはしなかった。

273:本当にあった怖い名無し:2014/03/04(火) 22:53:10.70 ID:oYOVzRWt0
それからというものの、さらはいつも来ていた屋上にも来なくなっていたし主人公と
廊下でばったりあっても無視をするようになっていた。
しかし主人公はそんな状況でもまたさらと話せる機会がほしいとずっと思い続けていた。

そしてある日の事であった。屋上に向かおうとしていたら廊下でばったりと主人公のクラスメイトと遭遇し、
すぐに屋上へ向かうように強くせかされるのであった。
そして主人公は一目散に屋上に向かった。しかしそこにいたのはナイフで自殺を図ろうとしていたさらの姿であった。
それを見た主人公はナイフを離すよう必死に説得する。しかしさらはそれを拒否したうえに、彼女が唯一信じていた父親にも裏切られたというのであった。
絶対に一人にしないと誓ったさらの父親。しかし不幸なことに交通事故に遭い意識不明の重体に陥ってしまった。そのことがさらの心を大きく傷つけさせたのであった。

「いつか世界でさえも自分を裏切るときがくる。だからこんな世界に生きる意味なんてない。誰も信じることができない世界につかれた」
そういい彼女は再び自殺を図ろうとしていた。
しかし主人公はそれを阻止し、
さらに向かって「さらがやっている行為は俺を裏切ろうとしている。裏切られるのが嫌だと言ってる人が裏切るのはおかしい」と必死に説得する。
その言葉を聞いたさらはこれからどうすればいいのか涙を流しながら主人公に問いかける。すると主人公は「世界が裏切ろうと俺は絶対にさらを絶対に裏切らない。だから俺を信じて生きてくれ」と説得するとともに、自分の想いをさらに告白する。

そしてこっから分岐となるわけだが、彼女のBADENDはパワポケ彼女のBADENDの中でもとびっきり後味が悪い。
どんな内容かというと、結局さらは主人公の必死の説得を聞き、そして告白をされても最後まで主人公を信じることができなかった。
それでもあきらめずに必死に説得する主人公、しかしさらはそれでも主人公の言葉を聞き入れなかった。

そしてフェンスのほうに向かい主人公に感謝の言葉を言ったあと、そのまま投身自殺をしてしまったのである。
その後のエピローグもまた強烈で、主人公の必死の説得を一切受け入れなかったうえに、目の前でさらが投身自殺をしてしまった影響で主人公もさらとおなじように他の人を信じない性格になってしまったというだれも救われない内容である。

276:本当にあった怖い名無し:2014/03/04(火) 23:17:25.56 ID:ISrCXYLa0
>>273
姉がいた気がするが、姉もまた救われない話なんだよなあ……

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