後味の悪い話

【後味の悪い話】WEB漫画「ロジカとラッカセイ」

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401: 本当にあった怖い名無し 2018/09/07(金) 22:09:15.32ID:u9btUdQf0
ウェブ漫画「ロジカとラッカセイ」のエピソード

主人公のロジカとラッカはある日魔法使いのAという少年と出逢う
ロジカは自分の足を伸ばしてほしいと頼むが、「魂あるものに魔法をかける事が出来るのは特級魔法使いというほとんど存在しない魔法使いだけ」と言ってAは断る
それなら火を起こしたり小石を浮かせたりする魔法が見たいとせがむラッカに気圧されて、結局魔法を使って見せることになるA
しかしAが浮かせようとした小石はその場でバラバラに砕け散ってしまった
実はAは魔法をろくに使えず20回に1回くらいしか成功せずいつも暴発して対象を壊してしまっており、そのせいで学校では落ちこぼれ扱いでからかわれていた
そんなAをロジカとラッカは「オイラたちからすればバラバラにできるのだって凄い」と励まし、Aの魔法を「破壊魔法」と名付けて長所だと褒めた
褒められて少しだけ嬉しそうにするA
けれど家に帰って学校の成績が悪いことを母に叱られ、さらに両親が成績が良かったが死んでしまった兄KとAを比べて嘆いているところを聞いてしまう
(本当はすぐに「AはAで頑張っているし兄弟を比べるなんて親失格だ」と反省していたのだが、Aは逃げるようにベッドに戻ってしまったのでそこまで聞いていなかった)

402: 本当にあった怖い名無し 2018/09/07(金) 22:09:39.61ID:u9btUdQf0
ある日、学校で備品が壊されてしまうという事件が起こる
いじめっ子らしきクラスメイトが「お前壊すのだけは得意だもんなぁ」とAのせいにしてくるが、弱気なAは自分がやっていないにも関わらず上手く否定することができない

その内先生がやってきて、Aの話を聞かずに「また問題を起こして!どうしてKのようにできないのかしら」と言ってしまう
クラスメイトたちもそれを受けて「Kって?」「Aのお兄さんでしょ?」「優秀だったけど死んだって」「弟はあんななのに」「お兄さんじゃなくてAが死んだ方がよかったんじゃない?」とヒソヒソ話
Aはすっかり自信を失ってしまい、他の人の嫌な言葉が気になってしまってロジカとラッカの励ましの言葉も信じられなくなってしまっていった

そんな時、落石事故が起きて人が下敷きになってしまったという連絡が届く
3人は手伝うために現場に向かうが、下敷きになっていたのはAをいじめていたクラスメイトの親だった
岩はとても大きく、大人たちが集まってもびくともしないほどで、魔法使いであるいじめっ子も小石を動かすくらいしか出来ないので何ともならない

そこでラッカは「動かせなくてもAなら壊せるんじゃないか」と提案。いじめっ子は「こんなグズにそんなことできるわけない」と否定し、Aも「いくらなんでも大きいし、いじめっ子を助けるなんて……」とやりたがらない
だがラッカはそんなAを「チャンスじゃん!」と励ます。「すごさを見せつけてやれ!いじめっ子もきっと何も言えなくなるぞ!きみなら出来る!きみは素晴らしい魔法使いだ!」と

Aは自分を信じてくれたロジカとラッカのために、何より自分自身を信じるために魔法を使うことを決意する
大きな岩は粉々に砕け、無事にいじめっ子の親は助けられた
Aの活躍はすぐに広がり、クラスメイトや先生からも見直されるようになった
Aは自分自身と褒めてくれる人の言葉を信じられるようになり、弱気なAはもういなくなった

403: 本当にあった怖い名無し 2018/09/07(金) 22:10:01.60ID:u9btUdQf0
というAの精神的な成長を描いたのが先週までで、ここまではよくあるめでたしめでたしな話だったんだが、今週の話ではAの死んだ兄Kの話が描かれた

Kは自分でもはっきり自賛するくらい優秀な魔法使いだった
他の生徒とは比べものにならない実力があり、先生や両親にも一目置かれていた
そして彼は周りの者を自分を持ち上げる足場と認識していた
その他大勢はごく一部の天才のために犠牲になるようにできている。それが世界の理なのだ
そんな彼にある日弟=Aが出来る
Aはいつもボーっとしていて物覚えも悪く歩くのも喋るのも遅かったし、試しに母親が簡単な魔法を教えても全くできなかった
Aが「どうしようもないグズ」だったおかげでKは更に特別視され、KはAに感謝していた
ところが、ある時Kは庭で遊んでいたAが鳥に襲われているところに直面する
Kはどんくさい弟を情けなく思うが、助ければ褒めてもらえるだろうと仕方なくAを助けることにする
だがその瞬間、Aを襲っていた鳥は一瞬でバラバラに消し飛んでしまった
Kがやった事ではなかったし、他に誰もいない。つまり鳥を消し飛ばしたのはAという事になる

だが、それはAが「魂あるものに魔法をかける特級魔法使い」という事に他ならない。生物に魔法をかけるのは優秀なKですら努力でどうにかできる物ではない天性の才能だった
Kは焦る。Aが特級魔法使いであることがバレればみんながAに夢中になる。それがこれまでチヤホヤされてきたKにとって我慢ならなかった

Kは人の頭ほどの大きさの岩を手元で浮かせた。「悪いなA、オマエはぼくの足場、優秀なぼくの……」と呟きながら、岩を持ち上げてAの頭の上に落とそうとする
するとAは「あー」と気の抜けるような声をあげ、その瞬間、Kの頭は先程の鳥のように跡形もなく消し飛んでしまった
『その他大勢はごく一部の天才のために犠牲になるようにできている。それが世界の理なのだ』

単品で見ると自業自得みたいな話なんだけど、先週までがAの成長物語として綺麗に終わってたので後味の悪いエピローグって感じた
ちなみにAとKは某有名な兄弟の名前そのままなので、エピローグ無しでも何があったのかは気付こうと思えば気付けてたかもしれない(ので伏せた)

405: 本当にあった怖い名無し 2018/09/07(金) 23:02:23.97ID:md410TDd0
>>403
面白いじゃん
カインとアベル?

406: 本当にあった怖い名無し 2018/09/08(土) 02:59:51.49ID:Duj2yF060
>>405
そうカインとアベル
名前だけ借りてきたのかと思ってたらがっつりカインとアベルをなぞってた(逆に殺されちゃうけど)

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