134: 本当にあった怖い名無し 2010/11/15(月) 03:54:17 ID:pAvtZL3T0
さっきネットサーフィンしてたら知った話。平成のは知ってるけど昭和作品はほとんど知らなんだわ
帰ってきたウルトラマン『怪獣使いと少年』
超能力を持つ宇宙人だと噂される一人の少年が廃墟で暮らしていた
少年は何故か毎日地面を掘り続けていた
不良たちは少年を虐め、暴力を振るった。街の住人達は少年を恐れて少年に食べ物を売らなかった
少年の噂を聞きつけた地球防衛隊隊員の主人公(ウルトラマン)が少年の調査をし、身元を特定する
少年の父は、かつて北海道からこの地に出稼ぎに来たが、そのまま蒸発してしまっていた
父を慕って北海道の実家を抜け出して一人で父を追って来た少年はそのままこの地に取り残されてしまい、故郷では母が死に、天涯孤独の身だった
ある日、少年が廃墟の中で食事していると、不良たちが乗り込んでくる
不良たちは少年の食べていたお粥を泥まみれにし、少年に犬をけしかけた
少年が犬に噛まれそうになった時、犬は爆発して死んでしまう。不良たちは恐れて逃げて行った
少年は宇宙人ではなく、廃墟の中に超能力を持つ宇宙人を匿っており、それを見抜いた主人公は少年に事情を聞いた
宇宙人は、かつて地球の調査にこの星へやって着ていた
そこで、恐怖と飢えと寒さのため死に掛かっている少年を見付けて保護し、それ以来、少年は宇宙人を「おじさん」と慕い、宇宙人と少年は親子のように暮らした
いつしか宇宙人はこのまま少年と共に地球で生きていこうと思うようになる
しかし、廃墟の側に工場や高速道路が作られ、公害によって宇宙人の身体は蝕まれていった
宇宙人の宇宙船は宇宙人の超能力によって地中深く埋められていたが、公害によって力が弱った宇宙人には宇宙船を掘り出すだけの力が残っていなかった
少年は、宇宙人が公害で死んでしまう前に宇宙船を掘り出し、故郷へと還してあげようとしていた
つづく
スポンサーリンク
135: 本当にあった怖い名無し 2010/11/15(月) 03:55:19 ID:pAvtZL3T0
つづき
事情を知った主人公は少年の穴掘りを手伝うようになる
穴掘りの最中、少年は高速道路の向こうを指差し、「あそこには、おじさんが超能力で封じ込めた怪獣が埋まってるんだ」と言った
そこへ、暴徒と化した街の住人達が大挙して押し寄せて来る。不良たちから犬の件を聞き、少年が宇宙人なのだと確信していた
住人達は防衛隊隊員である主人公と宇宙人が仲良くしているのを見にして怒り、「防衛隊が何もしないなら、俺たちの手で宇宙人を始末する」と言った
主人公は少年を守ろうとするが数で敵わず、少年は暴徒に引き摺られて連れて行かれようとしていた
少年が泣き声をあげた時、廃墟からヨロヨロと出て来た宇宙人が言った「私が宇宙人だ。その子は私を守ってくれていただけだ。殺すなら私を殺せ」
暴徒の手から逃れた少年は、宇宙人に駆け寄って抱きつき「どうして出て来てしまったんだよ」と泣き、宇宙人は「もういいんだ」と少年を抱きしめた
暴徒達は「こいつを生かしておけば恐ろしいことが起こる」と叫び、宇宙人に石を投げつけ、取り囲んだ
主人公は宇宙人に押し寄せる暴徒達を止めようしてもみ合いになるが、銃声が響いた
暴徒の一人であった警察官がピストルで宇宙人を撃っていた。数発の弾丸を撃ち込まれた宇宙人は倒れた
少年は泣きながら「おじさん」と何度も呼び、宇宙人の手を握り締めた
宇宙人は緑の血を流して死に、少年は泣き続け、暴徒達は気まずそうにそれを眺めていた
主人公は宇宙人を助けられなかった失意からorzした
つづく
136: 本当にあった怖い名無し 2010/11/15(月) 03:56:42 ID:pAvtZL3T0
つづき
怪獣を封じ込めていた宇宙人が死んだことで、地中から巨大な怪獣が現れる
暴徒達は主人公に助けを求めたが、主人公は心の中で「あの怪獣を目覚めさせたのはお前達だ」と呟き、その場を動かなかった
暴徒達は怪獣に殺され、高速道路や工場は怪獣に破壊され、主人公は「まるで宇宙人の怒りが乗り移ったかのようだ」と感じた
やがて雨が降り出したが、それでも主人公は動かなかった
そこへ防衛隊の隊長が現れて主人公を一喝し、主人公はウルトラマンに変身し、怪獣をあぼんした
その後、一人残された少年は、相変わらず宇宙船を掘り出すために穴を掘り続けていた
「おじさんは死んでない、故郷の星に帰ったんだ。おじさん、僕が着いたら迎えてくれるよ、きっとだよ」
少年は涙を拭いながら作業を続けた
それを見た主人公と同僚が言った
「いったい、いつまで掘り続ける気だろう」
「宇宙船を見つけるまでやめないだろう。あの子は地球にさよならを言いたいんだ」
おわり