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49: 本当にあった怖い名無し 2018/02/03(土) 11:41:22.10 ID:Kh9l0F7c0
手塚治虫『緑の果て』
放射能に汚染された地球から抜け出した最後の男たちを乗せたロケットが密雲に覆われた星に着陸した。
その星の魚や蝶は全て植物でできており、電柱にそっくりな植物までが見つかった。
見張りに立った主人公は、地球に残した恋人の姿を見て、化け物に違いないと追いかけ、銃を放った。
それが落とした髪の毛を顕微鏡で観察すると、葉緑素を含んだ植物の繊維であることが判明した。
男たちは動物のいない星で、まるで動物が来るのを待ってサービスするかのような植物を怪しむ。
翌日、新聞記者の男が出勤のことを少し思い出していると、歯ブラシや食器や鞄やバス停の形の植物が生えて仰天した。
どうやらこの植物は、思考を感知して反射的に細胞分裂を起こし、相手の思った通りの形になるらしい。
50: 本当にあった怖い名無し 2018/02/03(土) 11:41:58.81 ID:Kh9l0F7c0
主人公は昨日撃った恋人の元へ行き、彼女を地球に残してきた恋人として一緒に過ごす。
一方、宇宙船では原因不明の腫瘍で寝込んでいた者を手術して、植物の胚芽が取り出されていた。
この星の植物は動物の思い通りに変態してサービスし、動物に寄生して他の天体に運ばせ、繁殖するのである。
はじめて出会った喫茶店の形の植物で睦み会う主人公と恋人のところに他の男が現れ、体内に種を植え付けられる危険な化け物である恋人を焼き殺そうとするが
主人公が「おまえなんか悪魔にくわれてしまえ」と言った途端、男は植物の悪魔に食われる。
真相を知った主人公は恋人を突き放し、一行は脱出を急ぐ。
態度を変えて襲いかかる植物たちに応戦する。
焼き殺される恋人は最後に、主人公のことが好きだったから彼だけには種を植え付けなかったと言った。
ロケットは脱出し、主人公以外は植物の肥やしとなって死んだ。
ロケットの中に生えたジャングルの中で、主人公は夢を見ているのだった