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712: 姉妹1/2:2007/06/10(日) 15:03:32 ID:VHNhBQom0
楳図かずおのおろちシリーズ「姉妹」。
不思議な力を持ったおろちという少女が、
ひょんなことからお手伝いとして入り込んだお屋敷での話。
そこには美しい17歳の姉と16歳の妹、醜い化け物と化した母親が住んでいた。
この家系の女は皆、18歳になると手や顔にほくろのようなアザが出来、
やがてはそれが全身に広がり化け物のようになるという運命を背負っていた。
姉妹2人は、その日が来るのを恐れながらも、
どうすることも出来ずにお互い慰めあって生きている。
特に姉には恋人がいるのだが、その恋人を心の支えとしながらも
本当のことは言えず、迫り来る18歳の誕生日におののく日々を送っていた。
そんなある日、母親が死ぬ。
その時姉は外出していたため、母親は妹にだけ遺言を託した。
妹はおろちと姉の恋人にだけ、その内容を打ち明ける。
それは妹は実はもらわれっ子であり、つまり化け物になるのは姉だけであるということだった。
それを立ち聞きしてしまう姉。
その日以来、姉は人が違ったようになり、妹を虐待し始める。
妹は、「それで姉の気がすむのなら」と健気に耐え続ける。
714: 姉妹2/2:2007/06/10(日) 15:04:33 ID:VHNhBQom0
そして、姉の18歳の誕生日の前日。
姉は1人鏡に向かって自分の顔を眺めた後、
「どうせ醜くなるならいっそ自分の手で」と炎で顔を焼いたのであった。
その後も虐待は続き、それを見かねたおろちや姉の恋人
(こいつ途中で妹に心変わりのそぶりを見せる)が妹に救いの手を差し伸べようと
するのだが妹は「ずっと姉の側にいる」とこれを拒否し2人を追い出してしまう。
そして姉と妹、2人の生活が始まる。
時は流れ、妹の18歳の誕生日。
姉は又も1人鏡に向かい自分の焼け爛れた顔を眺め、
「今日が来ても妹は美しいまま」と錯乱する。
そこに声をあげて笑いながら入ってくる妹。
妹は自分の額と指先を姉に見せる。
そこにはほくろのようなアザが出来ていた。
もらわれっ子は姉の方だったのだ。
「お姉さま、この事実をしった時、あなたが今まで私に対してそうしてきたように私もあなたを憎み嫉妬した。だから嘘をついた。そしてあなたは自分で醜くなった。私はこの事実をあなたに告げる日を屈辱に耐えながら待っていた。」
そして更に時は流れ、姉の恋人が屋敷を訪れる。
閉ざされた扉をこじ開けて中に入ってみると、
そこには狂い死にした女とえたいの知れない醜い化け物がいた。