後味の悪い話

【後味の悪い話】天才スリ

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307: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/04/02(日) 07:54:01.15 ID:3P1vnyMS0
昔読んだ短編漫画
主人公は天才スリ。誰にも気付かれないどころか、無意識の内に他人の金品をかすめ取ってしまう程の天性のスリだった
そんな主人公だったが、愛する女性との結婚を期にスリを辞めて真面目に生きていくことにした
しかし天性のスリがそう易々と変われる筈も無く、妻と幼い息子と一緒に旅客機に乗ろうとした際に、ついついスリを働いて些細な騒動を起こしてしまうが、その場はなんとか事なきを得て旅客機に乗って出発する
だが、機内で奇妙は男に話しかけられる
「スッゴーイ! 君はスリが得意なフレンズなんだね!」

男は「天使」と名乗り、主人公に死の宣告をする
その直後、旅客機に異常が発生し、墜落の危機に陥る
天使が言うには、全知全能である神が管理するこの世界で大規模な事故や事件が発生するのは、人間の中に「神を欺く者」が存在しているから
天使たちは神に代わって地上を調査し、神を欺く者を見付けては抹殺していた
実は主人公も神を欺く者であり、主人公のスリ行為は神にも認識出来ないレベルだった
天使は主人公を殺すために運命を操って旅客機を墜落させようとしていた
このままでは主人公の妻と息子が死ぬだけでなく、大勢の人間も犠牲となってしまう
主人公は「俺1人が死ねばいい筈だ。この旅客機に乗っている人々の命を助けてほしい」と涙ながらに天使に訴える
天使はそれを拒絶し(理由は忘れた。この事故には主人公がその日行ったスリ行為が関わっていた?)、「神を欺く者に神のご加護は無い」と切り捨てる

旅客機の高度どんどん下がっていき、もはや万事休す
と思われた次の瞬間
旅客機は機能を回復し、奇跡的に体勢を立て直して無事に着陸することに成功する
主人公は土壇場で自分の利き手の指を全て切り落し、それによって「神を欺く力」を失い、「神のご加護」を得られたのだ
生還した主人公は妻と息子と再会し泣きながら抱き合う
天使は「他のターゲットを見付けた」と言い残して去っていく
主人公は自分の息子を見て青ざめる
「お前……いつの間に……それを……」
息子は主人公のポケットに仕舞われて筈の万年筆をいつの間にか握り締めていた

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