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14: 本当にあった怖い名無し:2007/07/21(土) 11:18:30 ID:4KCGExM10
小学生の頃、よく友達と一緒に近くの海で遊んでいた。
小4の夏、近所に軽い知的障害のある兄ちゃんが引っ越してきた。
兄ちゃんは中学生だったけど、体は大人なみに大きくて強そうで、
でも頭のほうは僕らと大して違わなくて、ときどき一緒に遊んでいた。
高学年や中学生は兄ちゃんをいじめたりからかったりしていたけど、僕らは兄ちゃんが好きだった。
優しかったし、力が強いからダイナミックな遊びができておもしろかったから。
ある日友達と僕と兄ちゃんで、遠泳勝負をすることにした。
もちろん何度やっても兄ちゃんが圧倒的に勝ってしまう。兄ちゃんがあんまり
得意げに何度も勝負をもちかけてくるものだから、僕らも少しうんざりした。
それで、いつもは遠くに行くと危ないから海辺をまわるように泳いでいたけど、
ちょっとしたいたずら心で「夕日に向かって泳ごう」と誘った。
それで、僕らだけすぐに引き返して、兄ちゃんが気づいたら笑ってやろうと思った。
そのとおりにして、僕らは途中で止まり、兄ちゃんが泳いでいくのを見ていた。
でも思っていたのと違って、兄ちゃんは全然こっちを振り向きもしなかった。
どこまでもどこまでも泳いでいく兄ちゃん。あんまり速くてあっというまに
黒い影になってしまった。
大声で呼んで、追いつこうと泳いだけど全然無理だった。
あきらめて浜に戻って、兄ちゃんが帰ってくるのを待ったけど、いつまでたっても戻ってこなかった。
僕らだったら、疲れたら途中で引き返すだろう。でも兄ちゃんは、いつだって
疲れるってことを知らない人だった。
僕らは親達に血が出るほどぶん殴られ、大人たちは兄ちゃんを捜して船を出した。
何日たっても兄ちゃんはみつからず、兄ちゃんの親は翌年引っ越していってしまった。
今も兄ちゃんはみつかっていない。
故郷に帰りその海を見ていると、今でも夕日に向かっていつまでもいつまでも
泳ぎ続けている兄ちゃんの姿が目に浮かぶ。
16: 本当にあった怖い名無し:2007/07/21(土) 11:58:02 ID:p64JZQKh0
>>14
朝日の方角から泳いできたらビックリするだろうな
22: 本当にあった怖い名無し:2007/07/21(土) 15:37:05 ID:SpgJHcwM0
>>16
いまだに風船おじさんの生存を期待している俺
さらっと帰ってきて、「めぐまれない人たちのために飛んでいた」なんて美化している
妻らの勝手な設定を「飛びたいから飛んでたんだよー」と一蹴してほしい