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※男女論系のネタです。苦手な人は注意。
※男女論は結論のでない話題だと思っていますが、僕は個人的に「自分の思考だと思っていたものが、実は構造的な体系、あるいはトラウマから生まれたものだった」と気づく話が大好きです。というわけで興味深くて載せました。
三好さんへの質問
はじめまして。もうすぐ三十路の男です。
嫌知らずで三好さんを知り、以降拝見させていただいています。
学生時代の自分は意図的な女性叩きはしてはいないものの、心の何処かに(女はずるい、女は甘えている、これだから女は、どうせ女は)という気持ちがありました。
それが変わるきっかけになったのが、友人が「日本人女はマザコンを嫌うが、どうせイケメンのイタリア人のマザコンなら肯定する」というような発言です。
僕も(そうだろうなwww)などと思っていて、軽い気持ちで調べてみたところ、日本人女性のイケメンマザコンイタリア人に対する感情等はわかりませんでしたが、何故イタリアの母親がマザコン息子を育ててしまうのかについて、多少の知識を得ることが出来ました。
(現在は変わったようですが)イタリアでは伝統的にカトリックが強く離婚を許さなかったため、夫からどんなに酷い目にあわされていても女性は逃げられない。更にイタリア人の男尊女卑、女性が犠牲にならざるを得なかった社会。それの捌け口として母親は息子を溺愛し、母親なしには居られない存在にしてしまう負のループがあるようでした。
恥を忍んで言うと、最初は(じゃあ結局女が悪いんだな)と思いました。そう育てているのが女なんだから、女の責任だと。
それはそう思いたい理由が僕の中にあったからです。僕の母親が家族のための犠牲になって、苦痛を堪えて子育てしていたと思いたくなかったんです。
でも現実には明らかに犠牲が存在していました。子育ては大変なものだとか、苦労は付き物だとか、そんなレベルではない犠牲です。
僕の父は仕事も趣味も休日も友人関係も実家も好きに堪能しながら、母にはそれらを一切許していませんでした。妻なら母親ならそれらを諦めるべきだという考えがあり、それら意外に関しても、自分の支配に背くと暴力に訴えて母を黙らせる男でした。
それを見ながら(お母さん可哀想だな)と思う一方で(これが普通で、女はこうであるべき、女にはこうするべきなんだな)とも思ってしまっていました。
そして母が犠牲を強いられていたと認識してしまうと、自分に対する母親の無償の愛情が目減りする(母親の愛情の価値が落ち、本来得られたはずの完璧な愛情を得られなかった俺は損をしている)気がしてしまう。それを恐れていました。
母親が無償で一点の曇りもない喜びのみで俺のために奉仕してくれていないと、俺の価値が減る。そんな恐れです。
母親の犠牲という現実を本当は知っているからこそ、それは犠牲なんかじゃないんだと思いたかった。
そして恐ろしいことに、犠牲によって成り立つことを享受していた正当化のために、自分の彼女相手にも俺のためにどれだけ犠牲になってくれるかで愛情を試すような、矛盾した性格を持つようにもなっていました。
愛情なんだからそれは犠牲ではない、と証明しようとしていた気がします。
イタリアの事情を調べてからすぐにこれらに気付いたわけではないのですが、何かにつけて頭を過るようになり、数年それが重なって少しずつ(俺の感覚がおかしいのでは?)と思うようになりました。
イタリアは母強し+女性をちやほやするイメージがあったので、男尊女卑が強いのも驚きで、それらが女性を尊ぶこととは別なんだと理解した辺りから明らかに感覚が変わった気がします。
これは極端な言い方ですが、「俺の性欲の対象として君は最高に価値があるよ!」とちやほやすること=相手の価値を認めることだと思っていたので、これはダメなんだ、と理解した時は衝撃でした。
その時にやっと、自分の性欲の対象として最高だという対象を見つけた瞬間の喜び、嬉しさは一方的に俺のものでしかなくて、相手は全く喜びも嬉しさも感じない、ということを理解した気がします。
口に出して言ったことはありませんが、(俺はこんなに嬉しいのに何でお前は同じように嬉しがらないの????何で嫌なの????俺の性欲だよ???わかってる??????)みたいな感覚を漠然と持っていて、自分の性欲にとんでもない高値をつけて押し売りしようとするのに似ていた気がします。
ここに至るまでは、女性の身体的な危険の問題はそれを提示されるだけでこちらが悪者にされたように思って、理不尽な苦情だと思っていました。
結局のところ現実を直視出来ず、自分自身の自尊心の問題を他者に依存することで満たしたい、という幼稚な未熟さに、二十代も後半になってようやく気付けた…というお話でしかないのですが。
SNS等を見ていると、日本社会における女性の問題を直視するのを嫌う人たちの中には、僕のように育った家庭に問題があり、母親の愛情の対象としての自分に自信がないタイプも多そうな気がしています。
だから仕方がないとか父親のせいだとか、社会のせいだと言って自分も同じことを繰り返していたら、確実に自分自身が不幸になります。
解決するにはまず自分の問題を直視するしかないので、三好さんの指摘から効果が出ている可能性を感じています。
女性のための三好さんの呟きに乗っかるのは心苦しいのですが、これは女性の尊厳だけの問題ではなくて、男の不幸(だという思い込み)に関する問題でもあります。
社会は中々変わらなくても、個人単位で救われる人たちがいると思っています。
学生時代は得意気にセクハラ・ノンデリ発言をしていた友人知人たちも、ここ最近の性被害関連のニュース等には真顔で「令和にそれはないわ」という雰囲気になってきています。
令和じゃなくてもダメだったんだよな、とは思いますが、日本の男の価値観が改善される可能性はまだあると、ほんの少しでも思っていただけたらいいなと思い書き込ませていただきました。
そう思ってもらえたら男にとって都合がいいからではなく、男側が良くなっていければ僕の母のような被害を受ける女性が少しでも減ることになると思うので。
長々と失礼しました。
三好さんの回答
おお… これは大袈裟でなく、言葉通りの意味で、このアカウントを作って発言をしてきた中で一番嬉しい出来事かもしれません… なんというか、元々蔑視的な感覚がなかったわけではなく、過去には女性蔑視が当たり前の感覚を内面化していた男性が、自力で、そこから脱却できた、という実例は、今の日本社会でものすごく救いになると思います… 20代後半でなら十分早いですよ!!!!5060になっても全然どうしようもないままのおっさんばかりすぎて、もう一度女性蔑視に堕ちると戻れないものだと思ってる中で、若くしておかしいと理解できたのは本当にすごいと思います(そしてそれは今の社会がものすごい速度で女性蔑視のおかしさを明るみに出せてきているという追い風もあるかもしれません)
多分、あなたのおかあさんも、「あ〜ほんと子育て死ぬほどやりたくなすぎる、ゲボ吐くほど犠牲100%だわ」とは思ってないと思うんですよ、普通にあなたを育てる中で愛おしく思う時もめちゃくちゃ幸福な時間がたくさんあったと思うんです ただ、それを得るために手放さなければならないものがものすごく莫大すぎた&男性はほぼ何も手放さずにスッとそれを誰もが得られる(それこそ女性を犠牲にして)という非対称な不公平さがあり、それには苦しめられたと思いますが、このような整然とした文章を丁寧にかけるあなたを育てたというだけでもそこには深い愛情や配慮や関心があったんだろうと思います(何も知らずに言ってすみません)
というのも、私は多分逆の犠牲の感覚があって、もともとそんなに結婚願望も子供がほしいという思いも強く持っていなくて、仕事が割と長時間労働ぎみかつ労働状態が不安定(休日が決めにくいなど)があって、「結婚願望がないから今の仕事を楽しくできてるけど、結婚したい人は結婚してもこの生活を続けるというのはほぼ不可能だろうから結婚か仕事の二択を選ばされてしんどいだろうな…」と思ってたんですが、30半ばくらいでふと「いやでも同じような拘束具合で働いてる男性の多くが家庭を持って子供も持ってるな…???『帰宅したら嫁も子供も寝てて飯も冷えててツラwww 俺が夜中に帰ったら起きてあったかい飯くらい作ってくれよ、自分でチンして飯食うの侘し〜〜〜』みたいに自虐してるけど、私がその生活をしようと思ったら、日本の男性相手だったら『毎日、夫の食事を温めやすいメニューで作り置きした上で自分は夜中まで外で労働』ってしんどすぎるし、その上で掃除や洗濯まで全部私がやるの不可能に近いし、第一子供が生まれたとして生まれた瞬間に保育園に入れるとかでもない限り授乳もおむつも誰がやるんだって話で、育休なんか取らずに働いてる既婚子持ち男性と同じ生活って私は今の日本では『ただ女に生まれた』というだけでほぼ100%無理なんだな…」と気づいてゾワっとした覚えがあります(そして既婚子持ち長時間労働男性の妻と同じだけ手を抜かずにちゃんと家事労働や育児をやり、妻が一ミリも家事育児をせずにいられる状況を子供が成人するまで提供できる男性、というのは多分日本で見つけるのはほぼ不可能に近い、0ではないけど限りなく0に近い)もちろん仕事自体は好きだし楽しいし、結婚願望自体はないので何かを断腸の思いで諦めたりとかはないのですが、シンプルに「生まれる性別が女ってだけでこんなに男より人生の選択肢が減るんだ」とは思いました… そんな感じで、あなたのおかあさんも、他の女性も、「女性というだけで発生する負荷や選択肢減らし」みたいなものの犠牲にはめちゃくちゃなってきてると思うんです ただ、それが本当にこの10年くらいでブルドーザーでぶっかますくらいの爆速でマシになり続けていて、例えば今まさに話題になってるフジテレビの中居性加害事件がこんなに大々的に「中居が性加害をした」という論調で報道されることなんて1年前でも想像がつかない、10年前にこんなこと言ったら頭のおかしい女だと思われるくらいには社会が異常だったんです もちろん女性たちのほとんどは10年前どころか自分が物心ついたくらいから多くの女性がこのような被害にあってきたことを自分自身が被害に遭い、それを周囲の女性たちと話して共有し、理解してきていました もちろん性加害する方の男たちも何十年も前から自分たちが意図的に女性を騙して呼び出して泥酔させたり意識不明に追い込んで強姦してきたことは理解しつつ、それを社会問題にしようとする女を全力で叩き潰して精神病になったり自死したりするまで追い詰めてきました それがようやく、「社会問題である」という文脈でニュースになるところまできた、というのは、信じられないほど社会の進化が進んだということだと思います(だとしてマイナス2億がマイナス1億9999万くらいになった程度ですが…)
その流れもあって、この先もどんどんマイナスが減っていくだろうと思いますし、その一つがあなたのように「自力で若いうちに女性蔑視から脱却する男性」ということだと思います 大変だろうとは思いますが、可能な範囲で構いませんので、どうか日常でもネットでも異様な女性蔑視を当然のように撒き散らす男性に男性としてストップの声をかけてみてください あなたの声かけがあなたをまともにしたイタリアのようなきっかけになるかもしれないので… 彼らは女性の声は全て耳に入らず「なんか知らんけど女がなんかピーピー喚いて男に迷惑をかけてる」みたいにしか捉えられないのですが、中には男性の声なら脳が理解を拒まないタイプもいるようです(でも過半数が男性の声でも女性蔑視を抑制する方向の内容だと脳が理解を拒んで「は?何言ってんの意味わからんwww チン騎士乙www」みたいに性欲に還元しちゃうみたい)
とにかく、あなたは、存在だけで勇気をもらえる方です!よくぞ自力で毒の沼から抜け出してくれました…!周囲の女性もあなたのような男性がいると知ることで生きる勇気がわくと思います メッセージくださって本当にありがとうございました…!
参照元:https://x.com/miyoshiiii/status/1907037772738875468