目次
友人の店の話
友達が店長やってる店で深夜バイトがやっておいてって頼んだ事を全くやってなかったんでなんでやってないの?って聞いたら「なんか変なおじさんが来てずっとあれはどこにある?じゅあこれはどこにある?」って延々聞かれてできなかったんですよ。って言われたらしくて。
信用できないタイプのやつだったんで防犯カメラみたらそのバイトだけが映っていてなにもないところに話しかけたり一人でフロアの商品を指差したりしてたそうです。でやたら防犯カメラに変なものが映るらしくてどこの店かわからない程度のやつを撮ったんであげておきます。
場所的には何もない床です。 http://t.co/nsOqmIMIN5(※リンク切れ)
動画を投稿しました http://t.co/nsOqmIMIN5(※リンク切れ)
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孝男さんの話
孝男さんの話。
孝男さんは奥さんもまだ小学校低学年の女の子のお子さんもいるのにギャンブルが好きで仕事は解体の仕事をしていたが基本フラフラと過ごしていた。
そのうち消費者金融で借りれなくなり闇金にまで手を出した。ギャンブルは好きだが才覚はなくどんどん借金は膨れ上がり。ついにパンクして闇金業者に毎日詰められる日々だったのね。
である日闇金業者にいいバイトがあるからこれやったら借金をチャラにしてやる。って言われて犯罪かなにかですか?って聞いたけどおつかいみたいなもんや。って言われて。怪しいとは思ったけど背に腹はかえられないからわかりましたやらせてください。と引き受けた。
じゃあ明日連絡するから。と言われて。次の日に電話がかかってきて○○駅に来いって言われて行くと闇金業者にコインロッカーの鍵を渡されて中に入ってる通りにしろ。って言われた。わかりました。と応えると闇金業者は車で去って行った。
でコインロッカーを開けると紙袋が入っていて中に紙と木の箱があった。紙を読むと二つ隣の県のある街のある墓地のある墓にこの箱の中身を置いてこい。と書いてあった。詳細な地図付きで。気持ち悪いなと思ったがこれで借金が無くなるならと孝男さんは一旦家に戻り車でその墓地を目指した。
途中車を停めてそういえばあの箱の中身はなんなんだろうかと開けて見てみると真新しい壺に若い女の人の写真が貼ってあるものが入っていた。骨壷…。と孝男さんは思ったがとにかくこれを運べば借金が無くなる。と思い箱に戻した。壺の中に何か入っていたが中はあえて見なかった。
で車で目的の墓地についた。真夜中に。なんとか柵を乗り越えて墓地の中に入った。地図を見ながら目的の墓を探すと名前すら読めない朽ち果てた墓が見つかった。
紙の指示通り石をずらすと中が見えた。とにかくとっとと置いて帰ろう。と思い携帯の光で中を照らした。すると中には同じような写真が貼ってある骨壷が大量にあった。貼ってある写真は老若男女で小さい子どものものまであった。
真新しいものから、ひびの入ったもの、朽ち果ててバラバラになったものまで。孝男さんはなんだこれは…と思ったがとにかくとっとと置いて帰ろうと思い骨壷を置いて石をずらして作業を完了させた。ずっと後ろから何かの気配がしたがあえて無視をした。
全てを終えて車に戻るとひどく疲れていた。なんだったんだ。あれは。もう嫌になっていた。声が聞きたくなり奥さんに電話した。コールがしばらく続き奥さんが出た。寝ていたようだった。
眠そうに何?って言われた。胸に熱いものがこみ上げて孝男さんはその場で今まですまなかった。もうギャンブルはやめる。明日娘と三人で久々にどこかへ出かけよう。と奥さんに伝えた。奥さんはビックリした様子でどうしたの?と応えたがとにかくギャンブルはもうやめる。と伝えた。
奥さんは半信半疑ながらもわかった。と応えた。今ちょっと離れた所にいるからとにかく帰るから明日は朝から三人で出かけよう。と伝えた。奥さんはよくわかんないけど気をつけて帰ってきてね。と応えた。娘は何してる?と孝男さんが聞くと寝てるに決まってるじゃないと笑って奥さんが応えた。
2時間後に家へ着いた。真夜中だから行きより早く着いた。
とにかく疲れていた。シャワーを浴びて早く寝よう。明日は久しぶりに娘に何か買ってやろうと思いながら鍵をを開けて玄関のドアを開いた。
中に入ると奥さんと娘さんが首を吊って死んでいた。
数日後にあの闇金に電話したが現在使われておりません。ってアナウンスが流れた。
孝男さんはその後つまらない傷害事件を起こして今は刑務所にいる。
よくわからない話。
終わり。
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イベント『怪談ナイト』のおしらせ
【怪談ナイト・ゲスト情報】9/4,11,18日の3日間、当シアターで開催される怪談ナイト。ゲストの蛇囚人さんの全日出演が決定いたしました。ネットのまとめサイトで話題の恐怖、体感しに来てください! http://t.co/pzdX2w2kSC
蛇囚人 @hebisyuujin
怪談ナイト楽しかったです。フォロワーさんともお話できてよかったよかった。もはやマンツーマンでも語るんで話しかけてください。また来週やります。是非お越し下さい。
洒落怖な体験語れ
蛇囚人 @hebisyuujin
ドアについてるポストに新聞を配達すると待ち構えたように入れた瞬間に中に引っ張りこむ家があってある日夕刊を配達しに行ったら人だかりができていて数日前に老人が孤独死してたと聞いたがその日の朝刊も新聞はドアの中に引っ張られたしその感触も新聞から手を離す前に感じた。 #洒落怖な体験語れ
100円ショップでレジに包丁を持ってきたからレジを打とうとしたら店長が「すいませんこの商品不備がありまして本社より回収命令が出ておりお売りできません」と言うので「そうなんですか?」って後で聞いたら「口の中が真っ黒な奴にあんなもん売ったらダメ」と言われた。 #洒落怖な体験語れ
ホテルでマッサージを呼んで30代後半の女性に腰を揉まれていたら赤ん坊の泣き声が聞こえはじめてえっ?思ってキョロキョロしたら「ごめんなさいお客さんの事父親と勘違いしてるみたいちょっと待ってくださいね」と言って何もない所に鞄から出した人形を投げたら泣き声が止んだ #洒落怖な体験語れ
哲夫さんの話
哲夫さんの話。
哲夫さんが小学生低学年の頃、土曜日の午後に学校から帰ってきて昼ごはんを母親に作って貰っているのを待っていると玄関の呼び鈴が鳴った。行って玄関を開けると誰もいなくてベビーカーが置いてあった。
台所へ行き母親にベビーカーが置いてあった事を伝えるとこっちを向かずに裏の○○川に捨ててきなさい。と言われた。えっ!川に捨てていいの?って聞き返したがいいから捨ててきなさい。とまた振り向かずに言われた。
よくわからないが哲夫さんはベビーカーをおして家の裏の道を進んで○○川にベビーカーを捨てに行った。ベビーカーには鈴がついており動かす度にチリンチリンと音を立てた。まったく汚れもなく綺麗だなと思ったが母親が捨てろと言うのだからいいのだろうと思ってベビーカーを担ぎ上げて川に捨てた。
家に帰ってお母さんベビーカー捨ててきたよ。と言ったが特に何も言われず作ってくれた焼きそばを2人で食べた。
時が経ち哲夫さんは地元で結婚した。子宝に恵まれてかわいい女の子を授かった。営業マンとしてばりばり働き順風満帆な生活がしばらく続いた。
ある日も営業に出ていると携帯電話が鳴った。妻からだった。かけ直すと酷く取り乱した声でゆきちゃんがいなくなった。今警察にいる。と言われた。
ゆきちゃんは哲夫さんの愛娘である。哲夫さんは急いで妻のいる警察に駆けつけた。妻は青い顔をして動転していた。どうした⁉何があった⁉と問い詰めると奥さんが話し始めた。
奥さん曰く友達の家にベビーカーに娘を乗せて遊びに行った。その帰り道、ベビーカーの車輪が一つ外れた。また一つ外れた。ついにはネジまで外れはじめてもはやパーツの山になった。
そこへ1人の老女が現れた。あら?大変ね。私の家に使ってないベビーカーがあるから使いなさい。とニコニコ言われた。娘を抱いて帰ろうとすると火がついたように泣きじゃくる。奥さんは老女の行為に甘える事にした。
真新しいベビーカーを老女が持ってきた。老女にお礼を言うと、こちらこそ。とよくわからない返答をされた。娘を乗せて家へとを奥さんは急いだ。
そうこうしてるうちに坂道に差し掛かった。坂道を越えると家まですぐだった。奥さんはそこで足に違和感を感じた。足をみると両足のスニーカーの紐が絡み合って硬く何重も結ばれている。えっ!と思って解こうとするとチリンと音がしてベビーカーが動きはじめた。
えっ?と思ったがベビーカーはゆっくり坂道を登っていく。チリンチリンと鈴の音を鳴らしながら。必死で紐を解こうとするが解けない。なんとか無理やり片方の靴を脱いで追いかけたが坂道を登りきった時にはもうベビーカーは消えていた。
ベビーカー?鈴?小学生の時の事を哲夫さんは思い出したがそんなことあるわけないと自分に言い聞かせた。とにかく警察による捜索が始まったから哲夫さん夫婦は自宅で待機する事になった。
哲夫さんは全く寝れなかったが奥さんは疲れたのかソファで寝てしまっていた。明け方警察から電話があった。哲夫さんが電話に出て警察からの説明を受けた。電話を切って振り返ると妻が立ってこちらを見ていた。
○○川でしょ?奥さんが言った。哲夫さんは心臓が止まるかと思った。今警察から○○川に娘さんらしき遺体が見つかったと連絡を受けた所だった。なんで知ってる⁉と奥さんを問い詰めると奥さんが言った。
今夢で見たの○○川にゆきちゃんを乗せたベビーカーを放り投げるあなたの姿を。と言った。
とにかく警察に言われた通り確認しに行った。娘だった。そこからは色々な手続きを経て悲しみに暮れながらも通夜、葬式を行った。葬式には哲夫さんの年の離れた姉が来た。久しぶりの再開だった。
姉は母親と折り合いが悪く高校を出ると東京に行き正月も帰ってくる事はなかった。精神的にまいっていた哲夫さんは姉に小学生の時のベビーカーの事、奥さんが見たベビーカーの事などを全て話した。姉は静かにその話を聞いていたが多分あの人がやった事ね。と呟いた。
お姉さんの言うあの人とは母親の事らしく、どういう事?と哲夫さんは聞いたがあの人ならやりかねない。と答えるのみで、哲夫さんがはっきり言えよ!と声を荒げるとお姉さんはあの人のあなたに対する執着は異常だからと答えた。
あなた覚えてないの?とお姉さんは言った。なにが?と聞くと、あなたが小さい時からあの人は毎晩私が寝たのを確認してあなたのものを口に入れてたのよ。と言われた。一瞬意味がわからなかったが意味に気づいた哲夫さんがそんなわけないだろ!と怒るとお姉さんはそのまま出て行って帰ってこなかった。
なんなんだいったい。哲夫さんはわけがわからなかった。奥さんはあの事件の後精神を病んで四十九日が終わると離婚する事になった。
哲夫さんは母親に全てを確かめようと決心した。母親は認知症を患って施設に入院していた。哲夫さんは施設に行き車椅子に乗った母親を庭に散歩に連れ出した。
母さんに聞きたい事があるんだ。哲夫さんは言った。
お母さんは何も答えないで空を見ている。
ゆきちゃんが死んじゃったんだ。○○川で溺れて
お母さんの顔がピクっと動いた。
そのせいであいつとも別れたんだよ。哲夫さんは言った。
お母さんの片方の口角が上がった。
その瞬間。車椅子に座ったお母さんの股の部分から血が流れ出した。血はどんどん地面を染めていく。なんだこれはと哲夫さんは後ずさりした。
血に染まった地面に歪んだ笑顔の知らない男性が映った。哲夫さんを見てニヤニヤ嗤っている。
なんなんだこれは。哲夫さんが動けずにいると、その時にまぁ大変!という声が聞こえて施設の職員が駆け寄ってきて騒ぎになった。お母さんは病院へと搬送された。
哲夫さんはもう嫌だと思い騒ぎの中施設を後にした。
後の施設からの連絡で外傷もなく病気でもないと知らされた。
調べた結果月経が始まっていた。との事だった。
その後哲夫さんは一度も施設に面会に行かずに半年後お母さんは亡くなった。遺品を整理しているとお母さんの子供の時の写真が出てきた。その写真にはお母さんとあの血の中で嗤っていた男が一緒に写っていた。
初めて見る哲夫さんの祖父の姿だった。
祖父であり父親。
哲夫さんの両親の離婚理由は哲夫さんが哲夫さんの祖父と母親の間にできた子供だというのが理由である。
よくわからない話。
おわり。
この話を柚木麻子先生に捧げます。
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ある若夫婦の話
今日話した話をレイテッドバージョンで。
ある若夫婦の愛娘が○を失った。不注意から起きた事故と2人はひどく落ち込んだがそれでも懸命に生きる娘を見てこの子と希望を持って明るく生きていこうと思った。
そんな時に母親側のお祖母さんが亡くなった。それに続いてお祖父さんも亡くなった。田舎の家に若夫婦と娘は移り住む事になった。葬儀等が終わり家の片付けを夫婦は始めた。
田舎の家でその家には蔵があった。蔵の片付けをしていると母親がこれ何かしら?と木の箱を見つけた。なにやらよくわからない文字が書いてあった。なんだろうね?父親が箱を開けた。
中には人形が入っていた。娘が乳児の時に着ていた服を縫って作ってあった。着れなくなった服を捨てるなら送ってくれなかなか会えないからとお祖父さんお祖母さんに言われて送ったものだった。
人形の顔の部分に娘の写真が貼ってあった。○○の箇所に大量のマチ針が刺さっていた。
やはり見間違いじゃなかった。奥さんは当時見ていた。ハサミが自然に宙に浮いて横滑り一文字に娘の○○を切り裂くのを。
信じて貰えないだろうから旦那には言わなかった。そして人形を見て一生言えないなとも思った。
よくわからない話。
おわり。
上司の話
本格的にみんな肩からカーディガンを掛けだしてるけど昔働いてるとこの上司が肩凝りが酷いって言っててチラッと見たら首がない人間が上司の肩に手を回して乗っかってて「えっ!!」って思ったらその回した手の片方でしっしっと追い払う仕草を首がない人間にされた事がありました。後に上司は死んだけど。
猫カフェの話
※猫好き閲覧注意
猫カフェの話。
明美さんの大学時代からの友人仁美さんからある日連絡があったらしいのね。近くに猫カフェができたから今度の休みに一緒に行かない?って。二人とも実家では猫を飼っていたけど上京してからは猫が飼えず猫好きならではの猫飢えを感じてたのでうん!行こう!って話がまとまったのね。
である日の日曜日。仁美さんの家に待ち合わせして2人で歩いて住宅街にある猫カフェに行ったのね。普通の一軒家を改造したような作りのこじんまりした猫カフェだったみたい。手作りな感じだけど安っぽさはない。いいね!って明美さんと仁美さんは盛り上がって中へ入って行ったのね。
出迎えてくれたのは上品で小綺麗な感じの老婦人でこちらが恐縮するぐらいの丁寧な対応で。で受付を済まして猫と遊べるスペースで明美さんと仁美さんは五匹ほどの猫と遊んでいたのね。猫飢えが満たされるのを2人で感じながら。
そしたら老婦人がこれどうぞ私の手作りなんですの。ってクッキーや紅茶を持ってきてくれて。あっどうもありがとうございます。って2人ともお礼を言って。そしたら仁美さんが老婦人と話をし始めたのね。
仁美さんは社交的で明美さんはちょっと人見知りだから話は仁美さんにまかせて明美さんは相槌をうつって感じで。で話を聞いてたんだけど何かがおかしい。
ほんと私猫が昔から好きで猫カフェをやるのが夢って言うかこんな年でなんなんですけど。って老婦人が言う。
それに重なって「猫って前足をハサミで切るとおかしな動きで歩くからとても愉快ですのよ」って同じ老婦人の声で聞こえる。
明美さんがえっ!って思って老婦人を見たがニコニコしながら仁美さんと話を続けている。
この猫カフェには殺処分になりかけたのを貰い受けた猫ちゃんも何匹かいるんですのよ。老婦人が言う。
重なって「この前熱湯をかけてみたんだけどあれも良いわね。でもギャーギャーうるさいから頭踏んづけてやりましたの」って老婦人の声で聞こえる。
その後も老婦人の猫に対する愛と猫に対する虐待の様子を喋る声が重なって延々と続く。なんなんだこれは…って明美さんは思ったが仁美さんは老婦人と和気あいあいと話を続けている。
明らかにこの老婦人はおかしい。気分が悪くなった明美さんは仁美さんに体調が悪くなったからもう帰ろうと言った。仁美さんもそう?じゃあ行こうか。と言って猫カフェを後にした。老婦人はまたいらしてくださいね。と言っておみやげのクッキーを渡してくれた。
猫カフェを出てしばらく歩いた所で明美さんは迷ったが仁美さんに猫カフェで聞こえた声の事を話した。すると仁美さんは道に嘔吐した。大丈夫⁉と明美さんが言うと、なんでもっと早く出ようって言わないのよ!と仁美さんは声を荒げた。
仁美さんは声は聞こえなかったが仁美さんにも猫カフェである事が起こっていた。
老婦人と仁美さんが喋っている時に奥の部屋からヒョコヒョコと子猫が現れた。前足がない。あーこういう猫も飼ってるんだなあ。とぐらいに仁美さんは思っていた。
そうこうしているうちに目が潰れた猫、皮が剥がれた猫、もはや原型をとどめていない肉塊などがモゾモゾと現れ出した。その数は10、20ではきかない数で老婦人の周りをとり囲んで恨めしい顔で老婦人を眺めている。
仁美さんが放心状態でそれを眺めてふと老婦人の顔に目をやると。
老婦人は人差し指をゆっくり口に持っていき「黙れ」のポーズをとった。
だから怖くなって無理やり話をあわせてたのよ!と仁美さんは明美さんに泣きながら言った。
結局その日は2人とも疲労困憊でお互いの家にそのまま帰った。明美さんは電車に乗って自分の家の最寄の駅についた時に老婦人に貰ったクッキーの事を思い出して駅に隣接する公園のごみ箱に捨てた。
次の日の朝、会社に行くのにその駅に行くと公園でカラスが大量に死んでいてその死体の撤去をどうするかでちょっとした騒ぎになっていた。
それから明美さんと仁美さんはなんとなく疎遠になっていたが半年ぐらいして仁美さんからお茶に行こうよと言われた明美さんは待ち合わせて久々に2人でお茶をした。近況を話していると仁美さんがあの猫カフェ覚えてる?と明美さんに言ってきた。
うん。明美さんは答えた。仁美さんはあそこもう無くなっちゃってと言った。実は今から一ヶ月ぐらい前にあの老婦人がゴミの収集車に「中から声が聞こえる!」って叫びながら入ろうとしてちょっとした事件になって親戚に病院に入れられてあの猫カフェも売物件になっている。との事だった。
でも私その事件の前にあの老婦人を見てるんだよね。仁美さんは言った。
仁美さんが残業で真夜中に家に帰ろうと歩いていると角から影が現れた。あの老婦人が全裸で四つん這いで。仁美さんを見ると人差し指を口に持っていきニヤリと笑った。
あとね。その時見たんだけど。言いにくいんだけどほら性器の部分あるじゃない。あの部分に何もなかったのよ。ただノッペリとして。あの老婦人。なんなんだろね。あれ。仁美さんは言った。
そう話す仁美さんの声に仁美さんの声であの時の老婦人のように猫を虐待する様子を話す声が重なって、さっきから2人で座っている喫茶店のテーブルの下にモゾモゾとした猫の気配を感じていた明美さんは「私用があるから帰るから!」と言って伝票を持ってレジへ向かった。
レジで会計を済ましながら明美さんは仁美さんをチラリと見た。
仁美さんはゆっくり人差し指を口に持っていきニヤリと笑った。
よくわかんない話。
おわり。
同僚の父親 誠治さんの話
熱でしんどいって職場の同僚に言ったら不思議な話を教えてもらいました。
同僚が父親の誠治さんに聞いた話。
同僚の父親誠治さんが子供の時に高熱を出してもうダメだってなったらしくて。田舎の山岳地帯で貧しい地域で医者もいなくて。そしたら誠治さんの祖母がわしがあれをする。って言い出したらしいんですね。鶏や牛じゃこれは無理だって。
誠治さんは初孫だったらしくてお祖母さんもほんと可愛がってたらしくて。で誠治さんはほんと高熱で朦朧としながらもお祖母さんにおんぶされたのは覚えてるらしいんですね。あと回りの人間のお祖母さんをとめる声と。
で誠治さんをお祖母さんの背中に抱きながらお祖母さんは歩きだして誠治さんに大丈夫だからだからって言いながら。でしばらくすると池ってほどじゃない大きな水たまりみたいな所に着いたらしくて。
そこにゆっくり体を浸されたらしくて。でお祖母さんは誠治さんにもう大丈夫だから。ずっと元気でお父さんとお母さんの言う事を聞くんよ。ってお祖母さんに頭を撫でられたらしくて。
水たまりの水は粘り気があってちょっと温かくて。誠治さんは気持ち良いなと思いながら寝てしまって。次に目が覚めると家の自分の布団で熱はすっかり下がっていたらしくて。
でお父さんとお母さんもよかったよかったと泣きながら誠治さんを抱きしめて。で誠治さんがあっお祖母ちゃんがいない!って気づいてみんなに尋ねたけど誰も答えてくれなかったらしくて。
誠治さんは誰も答えてくれないからみんなの制止を振り切って村中探し回ったらしいのね。そしたら見たことない色の虫が現れて誠治さんにこっちこっちって言ってるように林に入ったから誠治さんはその後について行って。
でだいぶ歩いて林を抜けると何も草が生えてない所に出て。そしたら「来なさんな!」って大きい声が聞こえて。
それはお祖母さんの声で。で声の方向を見るとイクラを敷き詰めたような大量の赤い気泡の人型の塊がモゾモゾ動いてて。
呆然としてたら後ろから「おい!誠治!」って探しにきたお父さんの声が聞こえて。抱えるようにしてお父さんに家へ連れて帰られたらしくて。
家でお祖母ちゃんはお前を助けてくれたんだ。ってだけお父さんに言われたらしくて。誠治さんもそれ以上は聞かなかったらしいです。
誠治さんほどじゃないけど同僚も体調が悪くなると赤い水泡が体に出るんだよね。って言ってました。
よくわかんない話。
おわり。
葬儀屋の友人の話
昔葬儀屋で働いてる友達と別の友達と三人で呑んだ時にこの前小さい子の葬儀をして可哀想に思って心づくしの葬儀をして家に帰ったら上着の内ポケットに小さい奴さんが入っていて。その子折り紙が好きで棺桶にも折り紙がいっぱい入ってたから「あの子からのお礼かな」って思ったって話をされたんだけど
「これがその奴さん」ってそいつが取り出したのは汚い油紙みたいなんを丸めたものでもう1人の友人と無言で顔を見合わせて早々にその呑み会はお開きになりました。葬儀屋の友人は変な咳が止まらない病気で田舎へ帰って以来会ってません。
て話があったね。って葬儀屋じゃないほうの友人にしたら「あの時言わなかったけど子どもどころか鬼みたいな顔した老女があいつの口に腕半分ぐらい突っ込んで動かしてたぞ。あん時」ってさっき言われました。
怖いです。
魚の目の話
魚の目の話。
幸雄さんがとあるバーに行ったら影のある女性と知り合った。35、6でやけに露出が多いが靴が汚いなと思った。酒の勢いもあって口説きにかかるとあっさりホテルへ行く運びになった。情事を済ませた後に女性が軽い女と思った?と言うので内心そう思ったがいや別にと答えた。
こうなったのは理由があるの。女は言った。理由?幸雄さんは聞き返した。すると女はタバコに火をつけて語り始めた。
二年ぐらい前に離婚した旦那が高校の教師をしてたのね。で、クラスにいじめられてた子がいたの。その子なんか親に虐待されてたらしくてガリガリで。で夏休みが終わって登校してきたら目に眼帯をしてたらしいの。
で元々暗い子だったんでみんな眼帯をずっとしてるから海賊とか言ってからかってたの。ある日クラスの悪ガキが眼帯を無理やりとったらしくて。そしたら片目が真っ白で焼いた魚の目みたいになってたらしくて。
それ以来その子が通ると魚臭いとかみんな言い出したらしくて。どんどんふさぎこんでいったらしくて。女子のあるグループは体育の時間に走ってる時に足を引っ掛けたりしてその子骨折してしまったり。なんか流行ったじゃない?さかなさかなさかなーって曲。あれの替え歌とかでからかったり。
それでも学校には毎日来てたらしいのね。多分家にいるほうが辛いみたいで。で担任の旦那もクラスの連中に注意したりその子と親身になって話をしたりしてたんだけど。いっこうに状況は良くならなかったみたいで。どんどんエスカレートしていったのね。
である時これまたクラスの悪ガキがその子の眼帯を取り上げて教室を飛び出したのね。その子必死になって半狂乱で追いかけたんだけどその悪ガキ男子トイレに入って大便器の中にその子の目の前で眼帯を中に放り込んだらしくて。
で水を流すペダルを足で踏んで流して。その子必死で大便器に手を突っ込んでいやー!いやー‼って取ろうとしたんだけど流れてしまったらしくて。
でビショビショでその子教室に戻ってきて「あんたら絶対許さない」って聞いたことのない腹の底から出したような声を出してクラス中の生徒を睨みつけたらしいのね魚の目で。で教室から飛び出して帰って来なかったらしいのね。
でクラスに唯一いたその子と僅かながら会話するおとなしい子にその話を聞いた旦那はその子の家に行ったらしいけど明らかに父親じゃないだらしない若い男が出てきて帰ってないなーって言われたらしくて。
で旦那は親身にそれまでも何回もその子と面談してたから街中探したけど結局見つからなくて。結局その日を境に学校に来なくなったのね。
で旦那はまたその子の家に行ったんだけど今度はアパートはものけの殻だったらしくて。で同じ時期にいろいろ変な事があったのよ。まず家の貯金が20万ぐらい引き下ろされてたのね。旦那に聞いたら昔友達にしてた借金を返した。こずかいで穴埋めするからって言われて。
次に玄関のベルがある日鳴って出たら近所の人があれ何?って言うから見てみたらうち借家に住んでて庭に木があるんだけどそこにレオタードとかスクール水着とかが引っかかってたのね。気持ち悪いから旦那に言ったら風で飛んできたんじゃない?って言われたんだけど。
で結局その子学校に来ないからある日その子のロッカーを整理する事になったのね。旦那とその子と唯一しゃべる子の2人で。そのちょっとしゃべる子に後で聞いたんだけどダイヤル式の鍵を壊してロッカーを開けたらしいんだけど。
ロッカーを旦那が開けたら。
地蔵の首が転がり落ちてきたらしいのね。何個も何個も。ロッカーに入る量じゃなかったらしいの。地蔵が転がり落ちては割れて地蔵が転がり落ちては割れて。2人とも何が起きてるかわからない。
で同時に遠くからギャー!って声が聞こえてそれに連鎖してギャー!って声が聞こえて何回も何十回も。それがどんどん近づいてきたらしくてで最後は旦那がうっ!ってうずくまってその悲鳴が止まったらしいのね。
でロッカーから最後の一つの地蔵の頭がゆっくり落ちてきてそれは割れずに転がって階段を転がりながら登って行ったらしいの。ゆっくりと。
そしたらははははははははははははって狂ったような女の笑い声が聞こえて。その場にいたその子はあっ!眼帯のあの子の声だ。って思ったらしいのよ。
でそこから校内が騒然としだして結局そのちょっとしゃべる子以外のその子をいじめていたクラス全員が脚を折ったり腕が折れたり急に酸欠で倒れたりの連鎖の悲鳴だったらしいの。大便器に眼帯を流した男の子は便所で自分の大便を口につめてニヤニヤ嗤ってたらしくて後に入院したみたい。
でそれが離婚の原因なの?って幸雄さんが聞いたらしいのね。
そしたら女が
いやその後旦那が前立腺がんになって生殖機能が無くなったのよ。
って言われたらしくて。
だから離婚したのよ。
こういう事でもしなきゃ駄目でしょ?女なんだから。
って言われたらしくて
いやわからないです。敬語で幸雄さんが答える。
わからない?女が答える。女の片目がゆっくり白くなる。
これはヤバイ。俺行くからって言って幸雄さんが部屋を出ようとしたら。
片目が白くガリガリの少女がレオタードを着て立っていてその腹は妊婦のように膨らんでたらしくて。
それでもなんとかして部屋を出てホテルのロビーに行くと受け付けの中年女性が受け付けの外にいて。
だからわたし満室だって断ったのにあんたが空いてるって食い下がるからこんな事になんのよ。って言われたらしくて。
あの女が使ったあと部屋が石のかけらだらけで掃除が大変なのよ。って溜息をつかれたそうです。
後に幸雄さんは仕事の配送中に高速道路でフロントガラスに砂利が当たって粉砕する事故にあった。警察はトラックか何かから落ちた砂利が当たったんだろうと言っていたが前に車は走っていなかった。
その数年後幸雄さんは結婚し男の子が生まれたがその子が三歳の時に七五三で神社に行くと神主に別室なら受け付けますがそれが無理ならお引き取りくださいとわけのかわらない事を言われた。
そしてその数ヶ月後に幸雄さんの息子は老人にいたずらをされた。老人は片目が白かった。幸雄さんは事故の時に目を負傷していたが完治していた。幸雄さんは自ら自宅でハンダゴテで自らの目を焼いた。
すいません。ほんとうによくわからない話です。
おわり。
しかしここまでよくわからない話は俺もあんまり知らないです。
追記としてはそのホテル。後に殺人事件が起こりました。殺されたのがその女性かどうかは不明です。今もそのホテルはあります。
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友達のお姉ちゃん
少女人形 - 少女地獄 (1985)日本のポストパンクの中でも個人的に思い入れが強いな少女人形は。友達のお姉ちゃんが丸尾末広といっしょに「最高だよ」って勧めてくれたんだよな。今聴いても全然ヤバイ。
http://t.co/qQGxtsBvTJ
少女人形 - 口紅 (1985)これも異常にかっこいいポストパンクサウンド。歌詞はひたすらに暗いというか怖いが。
というかその少女人形を勧めてくれて丸尾末広を初めて読むきっかけになった友達のお姉ちゃんにまつわる変な話があって。かいつまんで言うと自死してしまったんだけど。でそういうインディー盤とかのコレクターで。何年かは置いておいたんだけど家族がまとめて買取に出したのね。ユニオンだったかな?
でレア盤も多くて結構な額になったのね。確か。でその友達には年が離れた弟がいてその子の様子がその頃からおかしくなって。まあ言ってしまうと耳が聞こえなくなってしまって。で医者に連れて言ったら生まれつき耳が聞こえにくいはずですって医者に言われたらしくて。
で親御さんがその子に聞いてみたら実はずっと聞こえにくくて。でも重要な事は繰り返す声とかあと例えば車が近づいたら「危ない!」とか昔から声が聞こえたりしてたんだけど最近その声が小さくなって聞こえにくいの。って言ったらしくて。
で声?って親御さんが聞いたら。その子がお姉ちゃんの声が聞こえるの。って答えたらしくて。でも最近その声が聞こえないの。たまに聞こえてもほんとに小さい声で。って言われたらしくて。(聴力検査の時もお姉ちゃんの声でパスしたらしいです)
で生きてる時から「お父さんお母さんには内緒だよ。お姉ちゃんがあんたを守ってあげるから。」って言われてたらしくて。その子。で結局遺品を処分してから声が聞こえなくなったその子は補聴器をつけてそれから過ごすようになって今は刑務所の受刑者の手紙を検閲する仕事をしてるらしいんだけど。
検閲してたら稀に懐かしいお姉ちゃんのか細い声で「それ」って聞こえるらしくて。でその手紙をよくチェックしたら問題のある部分が見つかるらしいです。
おわり。
人身事故の話
昔僕の彼女のお母さんが駅のホームに立ってたら小学生ぐらいの女の子とお母さんが前に立っていて特急通過の電車が入ってきた途端にお母さんが女の子に「ごめんね」って言って目の前で電車に飛び込んだそうです。
あと飛び込みの礫死体をめんどくさいから足で片付けた駅員が家に帰ると1歳半の愛娘が口を動かしてるので変なものでも口に入れたのかと見てみたら生肉が出てきて野太い男性の声で「足で蹴る事ないだろ」って娘に言われたそうです。
イカフライの中身
イカフライの中身。
僕24ぐらいの時に滋賀で働いてて残業で電車が無くなってタクシーで京都まで帰らないと行けなくなって駅前のターミナルに停まってるタクシーに乗ったんですね。
で京都までだけどいいですか?って聞いたら。はい。いいよー。って言われてまあ気さくな感じで50歳ぐらいの痩せ型の運転手の人で。で車が走り出したんですよ。
でしばらくしたらお兄さん遅くまで何してたの?女の子と遊んでたんでしょ?って言われていや仕事です。って答えて。割と年にしてはかっこいい人だったから若い時は遊ばれたんですか?って社交辞令で聞いたんですね。
まぁ色々あったけどね。って運転手さんが言い出して。聞いて欲しいかな?って思って例えば?って言ったら。よくわかんない女と住んでた事があってね。って話し始めたんですね。
こっからは運転手が話したまんまツイートします。
俺が30過ぎぐらいの時に借金の取り立てのバイトかパチンコぐらいで毎日フラフラしてたんだわ。である日パチンコで買ったからふらっと適当なスナックに入ったんだわ。
そしたらカウンターだけのまあこじんまりした店でママが1人だけでやってて40前かな?池上季実子って知ってる?あんな感じの色っぽい女でね。
で客も俺1人だけで金もその日はあったからガンガンに酒を頼んでママと盛り上がったわけ。もう外の電気消して2人で呑もうぜって。
もちろん下心全開で。でいいムードになってきてさ。でそのスナック二階にママが住んでるらしくて。ちょっと片づけてくるから待ってて言われたのよ。俺心の中でガッツポーズしたね。いい女だったから。
でしばらくしたらママが降りてきて。いいわよ。って言われて二階に上がったのよ。上がったら質素な感じの部屋で。でママとそういう事したのよ。で終わってタバコ吸ってたんだわ。俺。そしたらママがね。一緒に住まない?って言うわけよ。
飯ぐらいは食べさせてあげるから。って言われて。あーヒモってやつか。って思って。俺もフラフラしてたからいいよって返事したわけ。そしたらママがその代わりにやって欲しい事があるって言うわけよ。
やって欲しい事?って思って何?って聞いたのよ。そしたらママが立ち上がって押入れの方に歩き出したのな。なんだって思ってたら。ママが押入れを開けたんだわ。
そしたら中からうーん小学生3年か4年ぐらいの大きさの多分服からして女の子が出てきたんだわ。ただ顔がな。なんて言ったらいいか。イカフライってあんだろ。あれの衣をとったみたいな感じなんだわ。目も鼻も口もない。白くてヌメっとした。髪の毛ももちろんない。
でモゾモゾ動いてるんだわ。で固まっちゃってさ俺。そしたらママがこの子の世話してくれたらパチンコ代も毎日あげるからって言い出したわけ。で相変わらずその子はモゾモゾ動いてるんだわ。どうしたものかって思ったけどママとこれで終わりって言うのももったいないってスケベ根性もあってさ。俺。
引き受けちゃったのよ。世話って何すりゃいいの?って聞いたら。別になんもしなくていい。逃げないように見張っててって言われて。その日から3人で暮らし始めたんだわ。
ようはママが働いてる時に見張っておけばよいだけの話しで。で暇だからいろいろ観察してたのよ。どうやって飯を食べるのとかをさ。
飯は全く俺の前では食べないんだわ。ママに言ったらわたしが食べさせてるからって言ってたな。目は見えないみたいで手を使ってモゾモゾ動き回る。耳は聞こえるみたいでおい!って言うと反応する。
不思議と気持ち悪いとか怖いとかはなかったんだよ。ただたまに体を痙攣させて泣くような仕草をするからその時はそこにある布団叩きで叩いてってママに言われたからその度にそうしてたな。
で昼間はパチンコ、夜はその子の見張りって半年ぐらいたった頃かな。ママが盲腸になっちゃって入院する事になっちゃって。丸々2日見張りする事になっちゃったんだわ。
飯とかどうしたらいい?ってママに聞いたら飯はいいからとりあえず痙攣しだしたら必ず叩いてって言われて。まあ2日ぐらい食べなくても死なないかって思ってテレビ見ながら過ごしてたわけ。
で暇だからウトウトしてたんだわ。そしたら女の子がモゾモゾ動きだして。まあいつもの事だと思ってまたウトウトしてたらママの化粧台の引き出しの方へ動きだして。化粧台の引き出しを開けようとしてるんだわ。
でなんだ?開けたいのか?って聞いたら床を手で叩きだして。俺も興味があったから引き出しを開けて中身を見だしたら中に古びた和紙でできた箱が出てきたんだわ。
で箱を開けたらへその緒なのかな?とりあえずミイラっぽい何か。よくわからない文字が書き詰めた古い紙。あとママの写真が貼ってある免許証が出てきたんだわ。でもその免許証が変なんだわ。
ママから聞いた名前と全く違う名前なんだわ。本籍も全く違う県で。ん?って思ってたら女の子が痙攣しだしたんだわ。また。それがいつもとは違う激しい痙攣で布団叩きで何回叩いても止まらない。
布団叩きが折れるまで叩いても止まらない。でどうしたもんか。って思ってたらいきなり凄い声で「サワダカズコハワタシ!」って聞こえて。
サワダカズコってのはママが自分で言ってた名前で電気の請求書とかもその名義だったんだわ。
どういう事だ。って思って。お前がサワダカズコなのか?って聞いてもまだ激しく痙攣してる。で気配がして後ろを振り返ると病院にいるはずのママが立ってたんだわ。
鬼の顔して鉄の棒持って立ってる。で体がヤバイ!って思って横をすり抜けて逃げたんだわ。階段を降りて。
そしたら後ろから「ピギャー!」って凄い声が聞こえて。必死で家の外に逃げ出したんだわ。
で必死で逃げたんだけどおかしいんだわ。行く先々の家から人が出てきてる。みんななんの声だなんの声だって。あの悲鳴はなんだって。
あの女の子の悲鳴だとしたらそんなはずはないんだよ。なんなんだって思いながらなんとか友達の家に転がり込んでもう二度と近づかないでおこうって思ってそれからその辺を避けてしばらく過ごしたよ。
って話なんだよ。信じてないだろ?って運転手は言ったのね。
でいやー。って答えたら。
運転手が急ブレーキをかけてタクシーが止まったのね。
でこれ見てみな。って運転手がセカンドバッグから写真を一枚出してきて見てみたら。
こじんまりした部屋に若い時の運転手が座ってる。その横に可愛らしい女の子が笑顔で座っている。
その横にワンピースを着た女性が座っている。
顔がイカフライの中身のように白くて何もない。
えっ!? 女の子がイカフライのようだったんじゃ。って思ってたら。いやあこの写真見るともうたまんねえんだよ。って運転手が言い始めたのね。
運転手が股間を自分で触り始めたのね。ヨダレを垂らしながら。えっ!?って固まってたらズボンを下ろしはじめて。で目に入った運転手のその部分がかなりおかしくて。
小指ぐらいしかないのね。真っ黒で。
へその緒みたいだな。って思いながらもごめんなさい。もうわかりましたから。って謝って京都に入ってたからもうここでいいです。ってお金渡して降りたのね。俺。
で歩きはじめたんだけどブー!ってずっとクラクション鳴らしながらゆっくり並走してそのタクシーがついて来る。
で怖いから逆走して全力で走って小さい路地に入ってなんとか逃げる事ができた。そしたら携帯電話が鳴りだして。
電話にでると住んでたマンションの大家で今お宅の部屋から凄い声の絶叫が聞こえて通報が警察に数件いったらしくて大家さん同じマンションの一階に住んでて私もその声を聞いたから確認の為に鍵を開けて調べてもらっていいかという電話だったのね。
後で聞いた話だとかなりマンションから離れた所に住む住人もその声を聞いたらしい。
もちろん部屋には誰もいなかった。
ちなみに運転手は股間を触っている時「あんないいもの持ってる女の子世の中にいるんだなあママなんか比べものにならんなあ。マタアイタイヨーマタアイタイヨー」とヨダレを垂らしながら言っていました。
よくわからない話。
おわり。