パート2以降

やる夫はアフリカで奇跡を起こすようです その4

194 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:32:45 ID:8sgT3lRc0

1972年。

なんとか行政費が自分で賄えるようになってきたみたいねー。

ほら、今年分のODAよ!
ありがたく受け取りなさい!

195 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:32:45 ID:8sgT3lRc0

197 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 19:34:29 ID:Yd.xjJ.s0

オダだよそれは!

199 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:36:03 ID:8sgT3lRc0

1972年。
この年を最後に、ボツワナはODAの行政経費への充当を中止する。
行政費程度は税収によって賄えるようになったということである。

もちろん、開発に充当する本来のODAは供与が続いている。

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200 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:38:49 ID:8sgT3lRc0

203 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:42:08 ID:8sgT3lRc0

205 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 19:43:07 ID:w7PtB.Ds0

アフガンとかな・・・

224 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 19:59:17 ID:jyAJBjeE0

ソビエトの支援を受けて、中途半端に共産主義化した挙げ句、
農業も漁業も工業もダメになった国だらけなんだよなー

208 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:45:31 ID:8sgT3lRc0

アフリカで国が次々と独立すると、
東西両大国は、競って新独立国に援助の手を差し伸べた。
旧宗主国が維持しきれずに手放したこの地域には、
一種の力の空白が存在していたのだ。

大国はこの地域に競って多額のODAを投入し、
各国を自国の勢力圏に引き込もうとした。

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211 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:48:31 ID:8sgT3lRc0

216 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:52:05 ID:8sgT3lRc0

また援助が来たでおじゃる!
まったく、笑いが止まらぬでおじゃるな!

こうして送られた多額の援助は、
しかしほとんど何の役にも立たなかった。

行政が機能せず腐敗が止められない状況で、
役に立つわけがなかった。

217 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 19:52:57 ID:G9iUw2qY0

モザンビーグ?

218 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:54:33 ID:8sgT3lRc0

ODAは高官たちが自らの支持母体に分配できる「富」となった。
開発の理念は忘れ去られ、ODAの多くは事業に利用されず消えていった。

220 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:57:28 ID:8sgT3lRc0

援助国側もこうした実態はおぼろげにはつかんでいたものの、
このころはまだそこまでこの点が問題視されているわけではなかった。

援助で相手国が発展するのなら文句はないが、
自国の勢力圏に入ってもらうのがまず第一だったからである。

221 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 19:58:26 ID:8sgT3lRc0

援助される側も、そのことは見透かしている。
少しくらいの浪費では問題にならないと、高をくくっている面があった。

この状況にメスが入れられるのは、1980年代末以降となる。

223 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 19:58:56 ID:5fo3toSs0

下品なオセロだなあ…

225 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 20:00:42 ID:4lohj8FA0

返済不要が多いODAで汚職が進むアフリカもアレだし
国家は倒産しないとか言って資金貸付押し付けられる中南米もアレだし
まこと一度とりつかれるとままならぬカネの魔力よ

226 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 20:02:09 ID:0KLoWw1k0

現在、スーダンが中国の援助で似たことやりかけてんだよな
土着の農作物がなんで作られてるか考えずに(北側が小麦産地だったのに)

227 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 20:03:57 ID:AOS6/X7s0

ぽけーっとしてても大金が降ってくる訳だし、国発展させなくてもやってけんじゃね?って気分にもなるかなあ
それが無くなった時どうなるのかガン無視だけど

230 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 20:07:28 ID:cPOfAVE20

未開国でも、国連に出てくりゃ1票は1票だし
と、選挙中の我が国の状況と重ねてみたり

232 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 20:16:16 ID:AOS6/X7s0

そういや最近読んだナウルさんも中国と台湾相手にたくさんくれた方に味方するよーってしてるって書いてあったな

235 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:21:25 ID:8sgT3lRc0

一方、ボツワナである。

236 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:23:34 ID:8sgT3lRc0

援助計画は厳選され、
相互に矛盾がない上にボツワナ政府の政策に沿った計画のみが選ばれた。
計画は、有能で清廉なボツワナの官僚の手で、確実に遂行されていった。

援助計画を厳選したことには、もう一つ効果があった。
援助自体が、ボツワナ政府の維持しきれる範囲におさまったことである。

239 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:26:24 ID:8sgT3lRc0

途上国がノリと勢い…失礼、
ダメモトで言ってみた…いやいや、
実現性の方向にチャレンジした計画を提出し、
援助国側がうっかりGOサインを出した計画では、
仮に施設が完成しても、
途上国側が維持しきることができないものが多く出た。

241 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:31:29 ID:8sgT3lRc0

それどころか、普通はさほど維持の難しくないはずの
病院や道路などの基礎インフラですら維持しきれず荒廃するものが続出した。

行政能力の低下している新独立国群は、
既存施設の維持すらできなくなってきていたのである。

242 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 20:32:16 ID:AOS6/X7s0

高い車を無理して買って維持費がかさんで結局手放す的な

243 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:34:06 ID:8sgT3lRc0

ボツワナではこういったことは起こらなかった。
一度建設された施設にはきちんと維持費が充てられ、
適切な管理がなされていった。

地方間における配分の不公平も最小限のものだった。

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245 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:35:34 ID:8sgT3lRc0

こうして、ボツワナへの援助は経済成長に大きな役割を果たすこととなった。
ダイヤモンド収入だけでは不十分だった部分を、
援助で補うことに成功したからである。

247 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:38:04 ID:8sgT3lRc0

しかも、ボツワナの政権は安定しており、
貴重な資源も見つかったため、
西側諸国のボツワナへの援助額は増加を続けた。
一人当たり援助額は1960年代の一人当たり17ドルから、
1980年代には一人当たり100ドルにまで伸びている。
ボツワナでこの時期人口爆発が起こっていることを考えると、
この伸びは相当なものである。

一方で、予算に対する援助の割合は一貫して急減を続けた。
援助が激増しているのに割合が急落しているというのは、
つまりは経済開発がうまくいったということである。

援助を経済開発に、つなげることができたのだ。

249 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:41:40 ID:8sgT3lRc0

251 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:43:38 ID:8sgT3lRc0

…なかった。
前にも書いたとおり、この時期は影響力の拡大が重視されており、
援助が適切に使われているかについてはあまり考慮されていなかったのである。
これが問題になるのは80年代以降、最重要課題となるのは冷戦終結後となる。

よって、このころはまだボツワナの政策は誰に注目されているわけでもなかった。

しかし、これは後々決定的な要因となる。
ボツワナではなく、ほかの新独立国のほとんどにとって。

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252 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:46:13 ID:8sgT3lRc0

受けた援助を正しく経済建設に使えれば、
何も問題はない。
被援助国は経済が成長するし、
援助国も市場と影響力をそれぞれ確保できる。

もう一度繰り返すが、
援助は正しく使用すれば何も問題はない、
どころか非常に有効なのだ。
大事なことなので二度言いました。

しかし、上記のように、ほとんどのアフリカの新独立国は
援助を国家建設に利用しなかった。

255 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:49:16 ID:8sgT3lRc0

さて、ここで少し話題を変える。

独立したばかりのアフリカ諸国では、
産業が発達していない。
よって、住民の多くは農村におり、
農村こそが経済の基盤であるはずだった。

257 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:51:13 ID:8sgT3lRc0

だが、ほとんどのアフリカ国家において農村は軽視された。
ほんのわずかな都市住民のために経済建設のリソースが割かれ、
農村は放置された。

258 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:53:20 ID:8sgT3lRc0

これは、アフリカの歴史自体と関係がある。

歴史上存在したほとんどのアフリカ国家において、
国家の基盤は農村にはなかった。
遠隔地との商業取引が国家の財政基盤で、
それに乗っかる形で国家が成立したのである。

259 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:55:35 ID:8sgT3lRc0

これと対照的なのがアジアで、
特に東アジアや東南アジア大陸部においては、
国家の基盤が農村におかれた。

農村からの徴税(いわゆる年貢)が国家財政の基盤となったのである。

260 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 20:57:34 ID:8sgT3lRc0

このため、歴代の為政者はそれぞれの農村を掌握せざるを得ない。
掌握し徴税するということは、
その対価として安全やインフラなどの対価を提供する義務が生じる。

結果として、アジア諸国は
農村からの徴税機構、および統治機構がある程度成立したのちに植民地支配を受けることとなった。

植民地政府はこの機構をそのまま利用して統治を進めたため、
独立後も各国政府はある程度農村への支配力を持っていた。

264 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:05:04 ID:ZceYzlsI0

米作は手間と人手がかかるけど、その収穫で養える人口も多いからなぁ。

262 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:01:34 ID:8sgT3lRc0

これに対し、
アフリカでは農村からの徴税機能が未発達のまま植民地時代を迎えた。
植民地政府は人頭税や小屋税などで必死に農村部からの徴税を図るが、
アジアほどの成果を出さないまま独立を迎える。

263 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:03:40 ID:8sgT3lRc0

そして、新政府もまた、農村部からの徴税制度の確立に失敗した。
というより、まともな官僚機構が残っていない以上、
新しい税制など確立できるはずもなかった。

261 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:00:30 ID:4lohj8FA0

うーん…なんでも理由はあるもんなんだなぁ

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265 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:05:46 ID:8sgT3lRc0

こうなると、
新政府の税は都市や流通機構が中心となる。
具体的に言うと、関税や専売制などである。
もともと伝統的に商業関係からの徴税が中心となっていたため、
こちらからはまだ何とか徴税ができたのだ。

267 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:08:15 ID:8sgT3lRc0

しかし、独立当時のアフリカ諸国など、
ほとんど都市が発達していない。

しかも、都市の徴税制度も農村よりはましというだけである。

その状況で都市重視政策をやっても、
税収が伸びるわけはなかった。

268 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:10:46 ID:8sgT3lRc0

サツバツとした新興国財政に救世主が!  

本来なら、ここでなんとしてでも農村部への徴税を強化すべきなのだが…
ここで援助が出てくる。
出てきてしまう。

271 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:13:44 ID:8sgT3lRc0

苦労して税金を取らなくても、
国家という枠組みがあればやっていけるではおじゃらぬか

援助と天然資源。
この2つは、どこの国の政府にもそれなりの収入を与えた。

この二つの収入には共通点があって、
どちらも徴収に手間がかからない。

天然資源は開発企業がまとめて払ってくれる。
許認可権は国にあるから、資源企業もこの時代になるとそうそう無茶はできない。
そして、援助は先進国から文字通り降ってくる。

簡単に金が入ってくるのなら、苦労してそれ以上の収入を上げる必要はない。
こうして、徴税制度の確立はなおざりにされた。

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274 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:16:58 ID:gvRRsfKQ0

天然資源はいつか掘り尽くすし、援助も究極的には援助する側の財布と胸先三寸次第・・・
長期的な国家経営の礎を築くのを怠ったツケは大きそうだ・・・

277 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:19:35 ID:ZceYzlsI0

でもさ、ポッポみたいに月の小遣い1500万円とか、何もしないのに金が出てきたら
ニートしたくなるのが人間じゃね?

働きたくないでござる!
絶対に働きたくないでござる!

…いや、天から十分な金が降ってきたら、
俺でも働かずに暮らしていきたいですがね!

284 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:24:25 ID:Q/2s6HKo0

天然資源が豊富だったために、国民が勤労意欲を失ってしまった国があったような……

292 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:29:51 ID:gvRRsfKQ0

>>284
太平洋の島国、ナウルだな。
グアノ(肥料の原料)が豊富にあったので、国民は国からの年金で生活し(無論、税金は無し)、
公務員以外の労働力は外国からの出稼ぎ労働者頼りだったとか。

290 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:29:00 ID:w7PtB.Ds0

ODA依存国ってのはこうやって出現するのか・・・。

272 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:15:44 ID:8sgT3lRc0

ここでボツワナのように、資源収入や援助を地方にもきちんと注ぎ込んでいれば、
まだよかった。

ボツワナは資源収入を地方の整備に回すことで、
統治機構の弱体化を防いだのだ。

273 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:15:53 ID:TtQytaDU0

そこで行政機構を整備してインフラも整えて増加した人口に仕事も与えて
食料自給率も向上させる…言うだけあって奇跡の領分だわ…。

いや、自給率は向上してないんですよ、これが。
どうもデータ的にみると、ボツワナは穀物生産を放棄してるふしがあるんですね。

278 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:20:22 ID:gvRRsfKQ0

ツワナ人は、牛の牧畜が経済基盤だったらしいから、
ボツワナは、気候や土壌の面から大規模農業には不向きなのでは?

確かにこの地方は、
もともと農業に向いてません。

ただ、普通は国全体の収入増加と農業の生産性向上は連動するはずなんですよね。
日本なんかその典型というか、収入増加とともに空恐ろしいほど生産性は上がってますし。

298 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:35:38 ID:x1IpFk120

穀物生産に力入れても、農業大国の南アやジンバブエがお隣にあるから、変な噂されても恥ずかしいし・・・

276 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:18:53 ID:8sgT3lRc0

もちろん資金は麻呂と支持者に
分配するでおじゃる!

しかし、前にも書いたとおり、
ほとんどの国では有力者とその庇護下の民ばかりに支援が回った。

残った資金も、前述の理由で都市へとつぎ込まれることが多くなった。
都市というより、厳密には首都であるが。

首都こそが有力者の住まいであり、政府機関もあり、富の分配の中心となったからである。
政府のおひざ元のため、ここで暴動などが起きると一発で支配が揺らいでしまうという事情もある。

282 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:23:41 ID:8sgT3lRc0

しかし、このような政策の結果、
有力者の出身地を除く、
ほとんどの農村が政治から離れた存在となってしまった。
国民の大半は農村に住んでいるというのに。

288 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:27:23 ID:8sgT3lRc0

そして、徴税能力は行政能力と直結している。
地方の状況を把握し的確に徴税するくらいの能力がなければ、
地方で政府の命令を実行することなどできはしない。

それに、地方に徴税機構を張り巡らせるということは、
それだけ地方に行政機構を整備するということと同じである。

教育と公衆衛生に関しては不十分ながらも多くの国が地方にまでネットワークを張り巡らせたものの、
肝心の徴税機能がダメでは立ち枯れてしまう。

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294 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:32:08 ID:8sgT3lRc0

ここで徴税を捨ててしまったので、
新国家群は地方の行政機構に力を入れる必要をなくした。
地方の行政は形がい化し、機能不全のまま放置されるようになった。

教員のいない学校、薬のない診療所の誕生である。

しかし、これだけならまだよかった。

297 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:35:35 ID:8sgT3lRc0

見捨てられた地方では、やがて弱体化した地方行政機構の合間を縫って、
治安維持のための顔役が登場してくる。
彼らはやがて武装化し、何もしてくれない中央政府に反抗するようになった。

こうなると内戦である。

300 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:39:11 ID:4lohj8FA0

で、顔役たちは求心力維持のために敵を設定しなきゃならんし
中央にしても内戦鎮圧する力があったらそもそも発生してないし、と…

299 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:37:50 ID:8sgT3lRc0

まずいことに、多くの国の財政のもう一つの柱である資源は、
首都にはない。あるわけがない。

資源を生み出す鉱山は首都から遠く離れた山の中にあるわけだが、
ここの支配体制はどうしても首都と比べて弱くなってしまう。

地方に生まれた武装組織はこれらの鉱山に進駐し、
やすやすと支配下におさめた。

302 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:40:36 ID:gvRRsfKQ0

政府軍は何やってるの?重要な鉱物資源の産地なら、国内の反乱対策のためにも
軍の守備をそれなりに固めていそうなんだけど。

これが可能な状況になると、
政府軍ももうグッダグダです。

304 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:42:10 ID:Bom.5xdU0

軍閥という言葉を知っているかね?

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305 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:42:40 ID:ZceYzlsI0

徴税がうまくいってないのに軍が機能するわけないじゃん。
あと袖の下とか横領が横行するよね。

301 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:39:53 ID:8sgT3lRc0

ウチだって、
別に払いたいわけではないんですが…

これまでの投資を考えると、
むざむざ撤退も…

ここで注意しておきたいのは、
鉱山企業が反政府勢力をあおって反乱を起こさせる、ということはほとんどないということである。

考えてみればすぐわかる。
鉱山企業だって企業である。
企業が私兵を雇って自社の鉱山を警備せざるを得ない、などという状況が、
経営的に望ましいわけはない。

企業としては、安定した政権が国土をきちんとおさめてくれるのに越したことはないのだ。
なにしろ、鉱山は逃げられないのだから。

しかし、周囲を反政府勢力に囲まれた場合、
鉱山企業としては反政府勢力に権利料を払わざるを得ない。

307 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:42:58 ID:8sgT3lRc0

ここで思い出してほしい、新国家群の財政は鉱山と援助と専売制、それに関税に由来していることを。
徴税にそれほど頼ってはいないことを。

つまり、徴税というシステムがうまく機能していない以上、
一般市民は財政にあまり意味をもたらさない。
財政は鉱山利権によって賄えるため、
一般市民は利益構造に絡まない。
そのうえ、武力で無理やり制圧した地域においては、
市民の統制にも費用が掛かる。

 …つまり、 一般市民自体が、 不良債権と化してしまうのだ。

「資源の呪い」である。

こうなってしまうともはや救いはない。

285 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:25:32 ID:urtGsMwI0

だめだこりゃwww

295 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:32:40 ID:oU6LsW8k0

もう完全に負の連鎖に突入してますねぇこれ

311 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:45:35 ID:4lohj8FA0

市民そのものが不良債権ってのはなんか目からウロコというか
なるほどなぁ、当時はそういう感覚だったのね…

いや、いろんな研究書では、
資源の呪いのことは書いてても
市民=不良債権とまでは書いてないんですよ。

…でもね。
読み込めば読み込むほど、そういう結論しか出てこない。
あれ、ひょっとして書くに書けなかったんじゃないかなあ、結論がひどすぎて…

362 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 22:15:09 ID:Bom.5xdU0

ハゲてる人を公然とハゲ呼ばわりしたら事実であっても名誉毀損で訴えられる的なアレですね、わかります。

いや、言っておくけど、
俺はあの辺の市民が不良債権であるとも、
そういう扱いを受けるべきだとも、
全く言っていないからね!?

そこだけははっきりさせておくよ。

「あちらの政府や武装勢力のトップの幾人かは
間違いなくそう思っているだろう」というだけで、

俺はそれが妥当だともいいことだとも思ってないから!
むしろ恥じるべきことで、さすがに何とかしなきゃならんだろうと思ってますよ!?

353 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 22:09:09 ID:AOS6/X7s0

資源国って突き詰めれば支配者と資源施設管理人員と軍だけで国が成立できるんじゃnry

ぶっちゃけ、そういうことなんですよね。
市民なしで国が回っちゃう。

だから「資源の呪い」なんて言われるわけで。

312 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:45:46 ID:D5Rk02Yo0

不良債権=一般市民を切り捨てよう

317 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:50:11 ID:w7PtB.Ds0

崩壊国家のソマリア、
紛争ダイヤモンドで問題となったシエラレオネ、
色々頭に浮かびますな・・・

310 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:45:33 ID:8sgT3lRc0

各地の武装集団は鉱山を確保すると、
その周辺にいる住民に対しありとあらゆる暴虐を働いた。
税収が見込めないのだから、丁重に扱う必要はないわけである。

314 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:48:43 ID:8sgT3lRc0

318 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:50:41 ID:8sgT3lRc0

集落を制圧すると、武装勢力は略奪を行い、
気ままに人々を虐殺した。
さらに生き残った人々に対しても、目や手、足を切り落とすなどの蛮行を繰り返した。
こういった不具者は生産に寄与しないので、
この集落が属する民族の勢力がこの村を奪回した場合、経済の足かせになるのである。

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323 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:53:37 ID:8sgT3lRc0

326 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:55:46 ID:8sgT3lRc0

さらに武装勢力は、子供や女性を大量にさらっていった。
女性は娼婦に、子供は少年兵にするためである。

ここまで状況が悪化すれば、
もはや国家など崩壊同然である。
内戦が終結したところで国家復活の道のりは非常に遠くなる。
じっさい、この状況がなんとかおさまったリベリアやシエラレオネでも、
復興は遅々として進んでいない。

320 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:50:48 ID:gvRRsfKQ0

映画の「ブラッド・ダイヤモンド」そのまんまだな・・・
あの映画観てて、反乱軍のRUF兵士が、
北斗の拳のヒャッハーなモヒカン共に自動的に脳内変換されたのを覚えてる。

329 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 21:59:47 ID:8sgT3lRc0

ここまでの状況は極端だが、
それでも徴税能力の低さと地方軽視が生んだ弊害は
相当なものだった。

ボツワナは、
収入の的確な使用によってこの罠からは逃れることができた。

特に援助を的確に使用できたことは、
以後の経済発展にとって重要な役割を果たすこととなる…

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306 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:42:44 ID:3Kqf51GE0

今までアフリカの貧困は先進国の無計画なODAの責任だという話をよく聞いてたから
単に日本を含めた先進国が搾取している様な印象を持っていたから
こういう事実を見せられるとアフリカに安心した様な幻滅した様な複雑な感情が沸いてくるな…
…勿論全くの無計画で援助を行った側にも問題は有るんだけど

322 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:52:48 ID:aSW1B4BQ0

アフリカ諸国って植民地になる以前の王国とかでも
金や塩とか奴隷の交易で稼いでてあんまり農耕のイメージ無いよね

325 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:55:38 ID:4lohj8FA0

>>322
パッと出てくるのはローマ支配下で小麦の生産してた地中海沿岸の北アフリカくらいか…
あとはそれこそモノカルチャーくらいしか…

328 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:58:44 ID:ufm6rNGM0

>>325
北アフリカ含めていいならエジプトなんかまさに農耕を基盤に栄えた王国じゃないのかな

327 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 21:58:16 ID:gvRRsfKQ0

「ナイルの賜物」と歌われたエジプトは、その筆頭格だな。
ナイル川の定期的な氾濫で、川の周辺は毎年肥沃な土壌が流れ着いていたとか。

339 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 22:02:45 ID:8sgT3lRc0

あと、基本的にはこのスレはブラックアフリカ対象です。
北アフリカはアラブ文化圏なので、
ちょっと「文化が違~う!」という感じで…
統治もブラックアフリカよりは数段マシですしね。

336 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 22:02:08 ID:y6gqffN.0

>農業国

エチオピアもなにげに農業国。
聖書の時代からの王国なだけはあるw

あとはルワンダがアフリカ屈指の肥沃な大地だったりする。

348 :怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお 2013/07/11(木) 22:06:41 ID:3Kqf51GE0

乙でした
アフリカ貧困理由が段階を踏んで説明されたのでとても分かりやすかったです

358 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/07/11(木) 22:13:08 ID:8sgT3lRc0

ちなみに、あのリアル北斗の拳のソマリアでは、
なぜか手やら目やらを切り落とす事案は聞いたことないです。

スーダンではいろいろ起きているから
必ずしもイスラムと関係があるともいえないと思うんですが、
これに関しては1もよくわかりません。

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