名作・神スレ

【名作スレ】消しゴムをくれた女子を好きになった その2【大学編】

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443: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:30:33.43 ID:M90hE/M0
なんか、サトミの天然ぶりを感じたら、昔の返事はどうでも良かった。
と言うか聞きたく無かった。
返事を聞くよりサトミに会いたいし、サトミの声を聞きたかった。
ただ側にいたかった・・・

俺「石原、今週いつ暇?」
俺は自然に尋ねた。

サトミ「バイト辞めたばっかりだから、いつでも暇ww」
俺「じゃあ飯食いに行こうぜww」

少しドキドキした。が、

サトミ「うんww良いよwwいつ行く?」
あっさりだった。

444: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:31:44.15 ID:M90hE/M0
多分翌々日だったと思う。俺はサトミの家との中間地点で待ち合わせをした。
その日はカズミには板倉と飯を食いに行くと嘘をついた。

カズミが「楽しんで来てねww」

と笑顔で言った事に物凄く罪悪感を感じた。
正直、待ち合わせの場所に行くまで、何度かサトミに中止しようと告げようかと思った。
駅に到着してサトミを待っている間も、後悔が押し寄せ出す。

俺は本当に最低な事をしていたんだ・・・
だけど、サトミの姿を見た瞬間にその罪悪感は全て吹き飛んだ・・・

445: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:33:02.55 ID:M90hE/M0
俺は厨房の頃の俺に戻れた気がした。

サトミ「ゴメン、ひょっとして遅れた?」
俺「いや、俺が早過ぎたwwワクワクしてたんだww」

俺の言葉にサトミが俺を見上げた。

俺「なに?」
サトミ「ううん・・・福田君なんか大人に成ったね・・・」
俺「だろwwピーマンも食べれる様に成ったよ」
サトミ「バカww」

なんか凄い自然だった。二人でダイニングバーに入る。お酒を飲んで飯を食べる。
昔話に花咲いた。

446: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:35:29.62 ID:M90hE/M0
サトミ「中学の時、お酒飲んだねww」
俺「あ、石原が酔っ払って酔拳を使って板倉を倒した時だな」
サトミ「してないしww」

俺「でも、あん時、石原酔っ払ってたな」
サトミ「福田君も潰れてたじゃん」
俺「あん時さ、帰りに俺、石原と手を繋いだよね?」
石原「・・・覚えてない・・・///」

なんかサトミが照れた。

447: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:36:20.43 ID:M90hE/M0
時間が忘れる位俺達は喋った。
帰りにサトミの家まで送る。
俺はサトミに言った。

俺「なあ」
サトミ「はい?」
俺「今度の土曜日、映画行かね?」

サトミは少し人差し指をアゴに当てて考えていた。俺は一瞬弱気に成ったが押す。

俺「いやいや、重く考えるなよwwただ、男女二人きりで映画館と言う暗闇に行くだけだよ・・・ドキドキしながらww」
サトミ「重っww」

二人で笑った。

449: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:38:51.72 ID:M90hE/M0
サトミ「違うの、土曜日はバイトの面接があるから、出来れば・・・日曜日にして欲しいの・・・」
俺「分かった、じゃあ日曜日でww」
サトミ「大丈夫・・・?」

俺は一瞬カズミとの約束を思い出した。だが、それは土曜日に変えてもらおう

俺「全然大丈夫!」

俺らはその約束を交わすと家に帰った

448: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 22:36:32.23 ID:JjlXu5go
この頃の福田はサイテーだな
やったもの勝ちを肯定しない森君は特別立派なわけじゃない、ごく普通だよね

451: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:40:57.76 ID:M90hE/M0
ごめん、今日はここまでです。

>>448
俺もその通りだと思う。最低なことをしていたと思うよ
でも、やった事は事実なので書いていきます

これを書かないと話が繋がらないんですよ

じゃあみんな寝ます
お休みなさい

455: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 22:43:42.80 ID:JjlXu5go
乙!また明日ノシ

450: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 22:40:36.96 ID:YYHdnzI0
>>1に対して怒りがこみ上げてきた

過去の話しなんだけど…
納得いくようなendになるよう祈ってるよ

454: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 22:42:45.32 ID:3NPFRqgo
非難轟々だなwwww
まぁ言ってどうにかなるんなら悩まんが、あまり自分を責めるんじゃないぞふぐたくん
所詮は過去だ

462: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/14(月) 12:39:05.39 ID:XlnhO/oo
若い頃ってこんなもんだよな…ww
こういう昔の自分の首を絞めてやりたい事のひとつやふたつ誰にでも

…あれ?無いよ?いやそんなはずはどこにしまったんだっけあれ?

457: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 23:20:15.66 ID:CTHQkAU0
俺だったら福田と同じ様にしてたと思うよ。自分でも最低だと思うが・・

459: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 23:35:48.04 ID:if/czK.o
乙でした。
自制が効かない時ってあるもんなあ。
とにかく続きを待ってる。

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467: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 22:53:39.09 ID:r/UNm620
サトミに会う前日の土曜日にはカズミと会った。

カズミに対して会うまでは罪悪感で胸が押し潰されそうだったが、会うと普通に過ごせた。
なんならいつもよりもテンションが高かった。

時折、サトミの顔がチラつくがそれは夢の中の出来事みたいであった。

カズミ「明日はどこ行くー?」
そう聞かれて俺は「ゴメン、明日は急遽バイト入った」そう口から出まかせを言う。

カズミ「じゃあ待っとく?」
俺「いや、その後バイトの奴らと飲みに行く」
カズミ「そっかあ、じゃあ私は家でゲームしとくかww」

その答えに俺は正直ホッとしていた。

468: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 22:54:30.57 ID:r/UNm620
翌日、俺はサトミと映画に行った。
その日は最初から罪悪感を感じなかった。

それよりサトミと映画に行ける事が嬉しかった。
まあ、最低ですね。映画館に入ると一個のポップコーンを二人で食べた。

サトミの隣に座った時、サトミから良い匂いがした。
俺はめちゃくちゃトキめいた。

470: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 22:55:19.02 ID:r/UNm620
正直映画の内容は覚えてない。
俺はずっとサトミの姿を隣で感じている事で満足だった・・・

映画の後に遅めの昼飯を食べた。
昔はサトミとこうしてデートをする事を夢見た事が実現されていた。

大人に成るとご飯を二人で食べる事が簡単に成るんだな・・・
俺はそう痛感した。

昼飯を食べた後に、ショッピングモールに行きブラブラする。

471: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 22:56:25.53 ID:r/UNm620
ふと、目の前にかき氷の幟が見えた。

俺「なあ」
サトミ「うん?」
俺「かき氷食わね?」

俺がそう言って笑う。

サトミ「うん・・・ww二度目だねww」

そう言って二人で笑った。俺はブルーハワイをサトミはイチゴ。

サトミ「見せてww」
俺「あ、やっぱり見られます?」

そう言って舌を見せる。

サトミ「アハハハwwwwwwあおーいwwwwww」

サトミはツボにはまり笑う。何が面白いか六年経っても分かんね。

472: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 22:57:17.49 ID:r/UNm620
その後近くのアミューズメントパークに行った。
二人でゲームして遊んだ。

て言うか、これって完全にデートだ。

サトミはどんな気持ちで今、俺と居るんだろう?
好意を持ってくれてるんだろうか?
サトミは彼氏、または好きな人が居るんだろうか?

まあ、居たら俺と二人で出掛けんか・・・そう思った時、俺は自分を省みた。

473: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 22:58:40.74 ID:r/UNm620
あれ、俺は彼女いる。

俺の中で一瞬モヤモヤした。カズミの顔が浮かぶ。

が、サトミの笑顔を見てそれを打ち消した。
なんだろうね、あの時の罪悪感と高翌揚感。

もの凄く悪いと思っている自分がいて、スリル感とサトミを好きだ・・・
と言うドキドキ感。自分でもよく分からなかった。

サトミが笑顔に成れば成る程嬉しいんだけど、罪悪感が出て来る。

まあ、今思うとさあ、お前モテない癖に何調子に乗ってんの?て感じだね。

474: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 22:59:31.63 ID:r/UNm620
正直その訳の分からない気持ちに苛まれてからは、楽しめ無かった。

サトミを家に送っていく最中にサトミから言われた。

サトミ「なんか・・・」
俺「うん?」
サトミ「・・・何でもない・・・」

サトミも薄々気が付いてたんじゃないだろうか・・・

サトミと次の約束も交わさずに俺は家に帰った。

475: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:01:56.28 ID:r/UNm620
家に帰るとカズミが家にいた。

俺は一瞬焦ったよ。

カズミは俺の部屋で片付けをしていた。
カズミ「お帰りぃ」カズミがそう笑顔で言う。

俺「何してんの・・・?」
カズミ「うん?片付けだよ、フクちゃん片付けないから・・・」
俺「いや・・・いいよ」

俺は少し耐えれくなって来た。
辞めてくれ・・・

カズミ「え?なんで?ちゃんと片付けしとかないと、またアレがないーとかフクちゃん言うじゃんww」

そう言っていつもの笑顔で俺を見る。

476: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:02:59.41 ID:r/UNm620
辞めろ・・・
マジで辞めてくれ・・・

吐き気がして来た。

俺「ちょっと、タバコ買い忘れた・・・」俺はそう言って外に出た。

出る時にカズミに「気をつけてねーww」と言われ余計に吐き気がした。

俺はコンビニでタバコと飲み物を買った後に近くの公園でタバコを吸った。

477: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:04:19.37 ID:r/UNm620
俺は最低な事をした・・・本気でそう思った。

カズミに対しても、サトミに対しても最低な事をしていた。
なんか調子に乗ってた。

俺は夜空を見上げる。

カズミは冴えない俺を好きで居てくれた・・・

そして何故か会った事がないカズミの親を何故か思った。

カズミの親はカズミを一生懸命育てた。

なのに、その恋人はカズミに対して不誠実な事をしている。

478: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:05:11.37 ID:r/UNm620
そう思うと、俺は猛烈な吐き気に襲われてベンチの裏に吐いた。

相変わらず胃腸が弱い。

俺は誰かに殴って欲しかった。罵倒されたかった。

だが、カズミに事実を言う度胸も無かったんだ・・・

それからの俺はサトミに会わずに居よう・・・そう思った。

480: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:08:08.81 ID:r/UNm620
だが、サトミの事が頭から離れない。
カズミと電話しても会ってもサトミの事を考える。

サトミに会いたい・・・
会って話がしたい・・・
なんで出来ないんだ・・・

そう思い一瞬カズミに腹を立てる。お門違いも良いところだ。

だが、そのムカつきも一瞬だけで、そんな事を思った俺を自己嫌悪する。

と、同時にカズミに対して申し訳なく思い泣きそうになる。

481: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:09:42.65 ID:r/UNm620
俺は抱いたりもしなかった。
一回カズミから求められて、しようとしたがダメだった。

だが、それでも毎晩携帯を握りしめてサトミに電話しようか迷う。
二時間位そのままで迷う。なんか俺は精神的に少しヤバかったと思います。

ある日、俺は我慢できずに・・・

サトミに電話をした。

一回だけ・・・ただの女友達に掛けるのと一緒だ・・・

そう自分で言い訳しながら電話した。

482: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:10:41.04 ID:r/UNm620
呼び出し音が永遠に思えた。
このまま出ないで欲しいとめ思った。

出た。

電話が繋がった。

その瞬間涙が出そうになった。サトミと話ている・・・

その思いが俺を満たしてくれた。

何を喋ったか覚えていない。ただ俺の気持ちは安らいだ。

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483: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:12:09.69 ID:r/UNm620
カズミと別れれば良いじゃん。

そう言われそうだが、その通りだった。
俺も毎日それを考えた。

カズミからの「いつ旅行に行く?」と言う言葉がすごく辛かった。
俺は本当にカズミと旅行に行くのか?そう思い出して来た。

別れよう

そう思うが言えない。
俺はカズミも好きだった。

生まれて初めて付き合った人、生まれ初めてキスした人、生まれて初めて・・・

まあ、全部言い訳なんだけどね。

俺は別れたく無かった。

484: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:13:13.43 ID:r/UNm620
だが、そんな身勝手も続かない。

俺はサトミが好きだ。

このままじゃダメだ。
そう思いながらも

カズミと会って、サトミと電話する日々が続いた。

そんな日々が続き、季節は七月になる。

485: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:14:36.97 ID:r/UNm620
俺とサトミのキーワードは今考えると夏なのかも知れない

ある日板倉と森君の三人で俺の部屋にいた。

板倉は俺の押し入れに入り
「ドラ焼きを持って来ない限り出ない」
と言って閉じこもり漫画を読む。

森君は酒を飲んで漫画のヒロインについて延々と壁に向かって語っている。

俺の中で、一番下らなくて、安らげる時間がこの三人で会う事だった。

俺は板倉と森君にこの自分の思いを聞いて欲しかった。
だが、俺は二人にサトミと再会した事も言ってなかった。

486: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:15:36.15 ID:r/UNm620
俺は怖かった。

この事実を言って、二人が俺から去ってしまうんじゃないだろうか?

最低な俺を見捨てるんじゃないか?

凄く不安だった。

だから聞いて貰いたくても言えない。

そんな思いで押し潰されそうだった。本当に俺は自分勝手な奴だよ

488: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:16:43.79 ID:r/UNm620
板倉が押し入れが突然開ける。

板倉「のび太君暑いよ!!押し入れ暑いよ!!」
森君「フラウボウは軽い女だよな」

いつもの様な会話をしていた。

その時、突然携帯が鳴った。

全員がテーブルの上に置いてある俺の携帯電話を見た。
着メロがイエローモンキーの楽園・・・

サトミだった。

489: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:17:56.93 ID:r/UNm620
一瞬出ようか出まいか迷った。
だが、出たらまずい、そう思い放って置いた。

板倉「おい、電話だぞ」
俺「ああ、だな・・・まあ良いや」

これでスルーされる・・・そう思ったのだが、
板倉の野生の勘なのだろうか、しつこい。

板倉「出ろよ」
俺「良いって」

そうこうしている内に電話が鳴り止んだ。

板倉「誰なんだ?」
俺「さあ?」
森君「イエモン懐かしいねー」

491: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:18:58.71 ID:r/UNm620
板倉「なんで出ない?」
俺「え?何が?」

板倉「森君!!!」
森君「おう!!」

森君が立ち上がり携帯を取ろうとする。
俺は素早い動きで森君の手に側にあったボールペンを投げつけた。

それは森君の手にヒット!

森君「いたっ!!」
俺「あ、ごめん、手が滑った」

492: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:20:08.54 ID:r/UNm620
板倉が動いた。
俺はその動きを見逃さない、板倉の前に足を出す、
板倉がコケた。

俺はその隙に携帯を取った。

板倉「おいおい・・・兄さん・・・怪しさ満点だな・・・」

板倉はそう言ってゆっくり立ち上がる。
森君も手をさすりながら俺を見据える。

俺は携帯をズボンのポケットに入れて

逃げた・・・

493: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:21:44.08 ID:r/UNm620
まずは森君が俺に突進して来た
俺はそれを避けながらベッドの上に逃げた。

が、そこには既に板倉が待ち構える
「あめえ・・・!」
板倉がそう言って不敵に笑った。

が、俺は板倉の脇腹をくすぐった。

板倉「いやwwいやwwだめえええええ」

板倉が倒れた。
が、森君がベッドの下で首をゴキッと鳴らしながら俺を待ち構えていた。

森君「本気・・・の様だな・・・!」
俺「・・・」
森君「見せてやろう・・・我が奥義を・・・」

森君が鶴の舞をしだした

494: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:23:03.55 ID:r/UNm620
それに目を取られている隙に後ろからあっさり板倉に捕まった。

そして携帯を没収。

俺「辞めろって!!!!マジで!!!」
板倉「さてと」

そう言って携帯を開ける。

俺は観念した・・・潮時かも知れない・・・俺は思った。

だが、同時に二人からこれで見放される・・・そう思った。
泣きそうになっていた。

495: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:24:10.64 ID:r/UNm620
板倉「さてと、誰?これ?」
俺「・・・・石原」
板倉「え?」

板倉と森君は顔を見合わせた。

板倉「え?マジ?」
俺「・・・マジだよ」
森君「え???本当に???」

俺「俺はこの前石原と再会した・・・で、俺は・・・」

そう言い掛けて途中で止めた。
二人がジッと俺を見ている。

言いたくない・・・でも・・・言おう・・・

これで・・・恋人も・・・親友も無くす・・・

497: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:26:33.83 ID:r/UNm620
俺「俺は・・・カズミを裏切って二回、サトミと会った・・・そして今も電話をしている・・・」

俺はそう言った瞬間に・・・涙が出た。

板倉と森君は黙って俺を見ていた。

俺「俺はカズミを裏切ったから!!!だから反省して・・・サトミとの連絡を辞めようと思った!!!でも辞めれ無かった!!!」

俺は叫んでいた。

自分勝手に・・・カズミが一番傷ついてるのに・・・俺は泣き言を言っていた。

そして、俺は震え出したんだ。二人に見捨てられる怖さを思い。

本当に情けない、そして最低だ

498: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:28:25.86 ID:r/UNm620
板倉「お前さあ・・・」

板倉は俺の前で座る。

板倉「なんで俺らに言わないの?」

俺「・・・・怖かった」

板倉「は?」

俺「お前らに・・・見捨てられるのが・・・怖かった・・・」俺はそう言って泣いていた

その時森君が俺の肩に軽くパンチした。

森君「言わない方がムカつくっつーの」

板倉「今度一人で抱え込んだら甲子園球場のライトスタンドに巨人帽被せて放り込むぞ」

そう言って板倉が俺の頭を叩いた。

499: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:29:40.05 ID:r/UNm620
俺は泣いた。

思いっきり泣いた。

森君「お前の好きにやれよ」

板倉「馬鹿じゃねーの泣くなよ、俺らから、それ位の事で逃げれると思うなよww」

二人はそう言ってくれた。

その日に俺は決めた。
ケジメを付ける事を・・・

カズミと別れる事を決めたんだ

500: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/14(月) 23:31:13.02 ID:r/UNm620
書き溜め以上っす
なんか今日はビールを飲んだので、予想以上にしんどいっす

未だに酒は弱いんです

すみません寝ます
いつも中途半端ですみません

おやすみなさい

501: VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/09/14(月) 23:31:51.90 ID:r.SaFcAO

吐くなよーww

504: VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/09/15(火) 01:50:08.30 ID:qbfea6.o
乙です。
なんか引き込まれたわ。楽園とかほんと懐かしい。

505: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/15(火) 10:34:58.38 ID:1Ajj.OMo
追いついた。

続きがきになるーーーーー


507: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 12:57:49.22 ID:6Ap0DgSO
なんか俺の昔話がこんなにウケるとは思いませんでした。なんかすみません。
とりあえず少し投下します

508: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 12:59:33.17 ID:6Ap0DgSO
昔、ドラマや漫画とかで男女の別れのシーンを見る度に俺は不思議だった。

男が別の女を好きになり、まだ好きな恋人と涙の別れをする・・・
そんなに好きなら別れなきゃ良いのに・・・
わざわざ安寧な場所を捨てて新しい恋?
意味分からんわ!

そんな事を考えていた。
まだ子供で人を好きに成ると言うのが、どう言う事かを分かって無かったんだ。

511: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 13:05:52.82 ID:6Ap0DgSO
三人で有った日の翌日、
朝起きた時、俺は憂鬱だった。
正直、逃げ出したかった。

「好き」と言う言葉と「別れよう」と言う言葉をどちらを伝える方が良いかと言うと・・・

正直「好き」と言う言葉の方が気が楽だ。
相手は傷つかないしね。

だが、逃げる訳には行かないし、ケジメを付けない訳には行かなかった。

512: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/15(火) 13:16:16.78 ID:eCJOsQ2o
サトミに男がいないか確認もせず別れようとはww
福田、このころは脳みそが小学生レベルにまで劣化してるなwwww

513: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/15(火) 13:26:22.69 ID:a8TotSwo
いやいや、こういうのは打算的には動けないもんだよ

515: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:13:55.43 ID:6Ap0DgSO
その日俺は遅めに学校に向かう。
俺は電車に乗る前に逡巡した。
会わずに電話で済ます事が出来ないだろうか・・・?

そんな甘えた考えが浮かぶ。
出来ない。
出来る訳がない。

どんだけカズミを馬鹿にしてんだお前は・・・

電車に乗りながら、別れの言葉をイメトレする。

カズミは別れてくれるだろうか・・・?
罵声を浴びせられるのは構わない。
別れてくれなかったらどうしよう・・・
刺されたりするのかな・・・?

自分勝手な事を考えながら電車に揺られ学校に到着した。

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516: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:15:53.35 ID:6Ap0DgSO
その日はカズミの授業は昼までだった。
俺は喫煙所に座りカズミを待つ。
アッと言う間に昼休みのチャイムが鳴り響いた。

ドキン・・・胸が鳴り、携帯を握りしめる。
案の定カズミからメールが来た。
見ると「どこで食べる?喫煙所?」
いつもの様にメールが来た。

俺は立ち上がりカズミを待った。
顔が強張っていたと思う。

517: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:17:41.41 ID:6Ap0DgSO
カズミはサークルの奴らと一緒に歩いて来る。
そして俺を交えてサークルの奴らみんなと飯を食いに行く事になった。

正直サークルの奴らが邪魔だった。
俺はカズミと別れると同時にサークルも辞めるつもりだった。
別れても同じサークルには居続けられない。

やっと昼飯を食べ終わり、みんなバラバラに別れた。

俺とカズミ二人だけになった途端に・・・

カズミは押し黙った・・・

まるで俺が何をするか分かっているかの様に・・・

518: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:19:59.63 ID:6Ap0DgSO
俺らは黙って歩く。
大学を出て駅まで歩く。
カズミも俺も何も喋らない。ただ黙っていた。

駅前の公園に来た時、俺はカズミに言う。

俺「ちょっと・・・話をしない・・・?」

俺がそう言って公園を指差す。

が・・・

カズミ「ヤダ・・・」

そう答えた。
俺は一瞬へこたれそうになった。
だがここで引いたらダメだ。

俺「・・・頼む・・・少し話を聞いてくr」「知ってる・・・」

カズミが突然そう言った。

519: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:21:30.12 ID:6Ap0DgSO
カズミは俺の方を見ずに顔を横に向けて遠くを見ていた。

カズミ「・・・フクちゃんが女の人と会ったり電話したりしてるの・・・知ってる・・・」

俺は殴られた様な衝撃を受けた。

え・・・???

カズミ「もう、それは・・・良い・・・許すから・・・」

カズミはこの日初めて俺を見て、そして笑った。

俺は何も言えなかった。ただ、カズミを見つめていた。

520: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:23:01.06 ID:6Ap0DgSO
カズミ「だから・・・ね?もう良いから・・・今まで通り・・・ね?」

カズミはそう言うと携帯を取り出して時計を確認する。

カズミ「あ、バイトの時間・・・また夜に行く・・・その時、夏休みの旅行の話しよ!じゃね!」

カズミはそれだけ言うと走り出した。
俺は何も言う事が出来ずに、一人そこに取り残された・・・

誰かが言った様に・・・女は気付くんだね。

気が付いてないと思ってた俺は馬鹿だった。

521: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:24:15.95 ID:6Ap0DgSO
カズミは一人でずっと堪えていた。

俺が自分勝手な悩みでウジウジ悩んでいる間に彼女は一人で堪えていた。

サトミに勝手に安らぎとか格好付けている間、彼女は一人で堪えていた。

親友達に嫌われたく無いと思って一人で悲劇のヒーローを気取っている間も彼女は一人で堪えていた。

そしていつもと変わらぬ姿で俺に接していたんだ

522: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:26:55.96 ID:6Ap0DgSO
どこをどうやって家に帰ったか覚えてない。
ただ、いつの間にか俺は家で寝ていた。

目を覚ますと辺りは暗かった。
暗い中でテレビの明かりだけ付いている。

その前にカズミがテレビを見つめていた。

俺「・・・電気付けろよ・・・」

俺が言うとカズミは気が付いて電気をつけながら俺に言った。

カズミ「フクちゃんが寝てたから・・・」
俺「・・・ごめん」
カズミ「謝んないで良いよww」

カズミがそう言って俺の隣に来た。

523: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:30:39.73 ID:6Ap0DgSO
カズミ「チュウ・・・」

カズミはそう言ってキスを求める。
俺はそれに応えず、一言呟いた。

俺「・・・ゴメン・・・」

その言葉を聞いたカズミは下を向く。
俺のシャツの裾を握っていた手に力がこもる。
俺らは黙っていた。

テレビのバラエティ番組の中でみんなが笑ってる。
笑うな。
身勝手にそえ思った。

カズミ「・・・なんで・・・?」

カズミが呟く。カズミ「私・・・なんかした?ダメだった・・・?」

俺は黙って首を振る。

524: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:46:55.52 ID:6Ap0DgSO
そこから二人とも再び黙る。
テレビの笑い声がうぜえ。
みんな市ね。

カズミの鼻を啜る音が聞こえて来た。
そして声をあげて泣き出した。
俺はどうする事も出来ずにただ黙っていた。
俺も泣きそうになった。
が、俺は泣いちゃいけない・・・
俺は泣いたらダメだ。
勝手過ぎる。

カズミの手が俺のシャツ裾から離れていく・・・

俺は言わなければ成らない・・・

ちゃんと言わなければダメだ・・・
言葉に出さないとダメだ・・・

525: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:48:30.27 ID:6Ap0DgSO
俺「・・・別れよう・・・」

そう言った。

その瞬間にカズミの涙は止まり・・・
再び泣き出した。

俺「・・・ゴメン・・・ゴメン・・・ゴメン・・・」

俺は狂った様に謝っていた。
カズミはただ泣いていた。何

時間経過したかは覚えてない。
カズミが立ち上がりカバンを手に持った。
時刻は夜の10時を回っていた。

526: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:51:22.75 ID:6Ap0DgSO
カズミ「後悔・・・」
俺「・・・」
カズミ「後悔させるから・・・」

その言葉に俺は胸が痛んだ。

俺「・・・駅まで送る」
カズミ「いらない・・・来ないで・・・」

カズミがそう答える。

俺「でも・・・」
カズミ「フクちゃんの・・・そう言う所・・・嫌い」
俺「ゴメン・・・」

カズミはそれだけ言うと家の中にあるカズミの物をカバンに入れる。
俺は借りていたCDをカズミに渡す。
カズミはそれを黙って受けとった。

そしてカズミは部屋から何も言わずに出て行ってしまった・・・

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527: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:56:28.01 ID:6Ap0DgSO
俺は少し時間をおいて、カズミの後に付いていく。
一応時間も時間なので何か有ったらマズイと思い駅まで後ろを付いていく。

カズミは泣いていた。
泣きながら歩いていた。
遠目で暗くて分からないがそれだけは分かった。

俺も泣いた。
泣きながら後を付けた。

駅の前でしばらくカズミは佇み・・・

涙を拭いて駅に消えて行った・・・

528: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:57:54.15 ID:6Ap0DgSO
帰り道、近くの公園で一人ボンヤリする。
家に帰る気になれなかった。
昔と違い自分に酔う気も成れなかった。

後悔が胸に込み上げる。

とんでも無い事をした、と言う気持ちが沸き上がる。

もう一度カズミの元に行ってやり直そうと言う気持ちが出て来た・・・

けどもう遅い。
自分で決めた事だ。今更何を言っている・・・
そう自分に言い聞かせた。

529: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 14:59:13.14 ID:6Ap0DgSO
カズミとこの公園で花火をした事を思い出した。

冬にも関わらず二人で花火をして盛り上がった。

それから色んな思い出が蘇って来た。

二人で何本も映画を見た。
二人でお酒を飲んだ。
二人でカラオケに行った。
二人でお花見をした。
二人で初詣もした。

全ての時にこんな日が来る事は思っていなかった。

530: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 15:00:28.74 ID:6Ap0DgSO
押し寄せる後悔の波に俺は公園の中を一人ウロウロと歩き回った。

不審者以外何者でも無い。

俺が変わったのはサトミを見てからだ・・・
サトミの姿を追い出してからだ・・・

後悔が続く・・・

でも俺は

それでもサトミが好きだった。

サトミに会いたくて堪らなくなった。

別れたその日・・・にも関わらず・・・

531: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/15(火) 15:02:12.47 ID:6Ap0DgSO
書き貯めは以上です。

続きはまた、上司の目をくぐり、仕事をしている振りをしながら書きます

532: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/15(火) 15:04:14.47 ID:qM2EOmwo
お疲れー
今回はきっつい話だな。吐きそうになったよ。

535: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/15(火) 21:21:25.51 ID:GogEt6DO
女のカンってのは、まじでバカにならんよな…
異変を感じて、携帯をチェックして、ショックを受けて、それをぶつけず飲み込んでたんだな…

まぁ、そのままダラダラと傷つけ続けるよりは良かったと思うよ。

540: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/16(水) 11:59:48.25 ID:Vo5Y2Ggo
そういえば福田のスペック無いよな?

541: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/16(水) 14:05:10.93 ID:CivnVQSO
一応俺のスペックを
26歳
174cm60Kg
チュートリアルの福田に似てます。
職種はまた言います

今日は物凄く忙しいです。ちなみに早く書き上げたいんです。一応18日に完了予定なんですよ
暇が有れば投下します


544: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 13:47:44.58 ID:OWAowGk0
お待たせしました
続きを投下します。てか、これ本当に明日に終われるんだろうか・・・

545: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 13:48:43.14 ID:OWAowGk0
カズミと別れた翌日から俺は二日間位家に戻らなかった。

バイトに行って、そのまま満喫に行き漫画を読んでいた。

ふとした時にカズミと別れた事実を思い出して欝になる。

板倉と森君から何回か連絡が有ったが無視した。

ただ一言、「別れる事が出来たぜい!」と強がりのメールだけを送った。

546: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 13:49:37.19 ID:OWAowGk0
テストが終わり俺の家に板倉と森君が酒を持ってやって来た。
俺は二人の気持ちが嬉しかった。
飲みながら他愛もない話しで盛り上がる。

二人はカズミの話しを敢えてネタとして振ってきた。

板倉「女泣かせww」
森君「女を振るなんて百万年早いww」

そうやって弄ってくれる方が気持ちが楽だったんだ。

森君「大丈夫、男女の関係ではよくある事だ」

そう言ってくれた。

547: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 13:50:37.17 ID:OWAowGk0
森君「でもさ、石原さんと福田君はさ、もう奇跡だよなww」
俺「・・・そうかな?」

板倉「違うな」

突然板倉が言った。
板倉はゆっくりタバコに火を付けると呟いた。

板倉「まだ二回目の再会だ、二回と言う数字はまだ偶然なんだ、三回続いて、初めて奇跡なんだ。」

板倉は俺を見据える。

548: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 13:51:47.36 ID:OWAowGk0
板倉「だが、三回続けば人はそれを最早奇跡とは呼ばない・・・!」

板倉はゆっくり煙りを吐き出すと呟いた。

板倉「それを・・・人は・・・運命と呼ぶ・・・!」

板倉は遠くを見ていた。

コイツは何を言ってんだ?
なんかムカついたので蹴ってみた。

森君もムカついたのか、板倉の肩に何回もパンチを入れる。

板倉「痛い、痛い・・え?なんで??なんで??」

549: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 13:52:53.88 ID:OWAowGk0
森君「まあ、飲み給え福田君、そして勢い出せよ!今のお前は自由だ」

俺「うん・・・分かった」

俺はグイグイ飲む。
もう引きずるのは辞めよう。
とにかく前を向こう・・・

板倉はブツブツと「今の良かったんじゃねーの・・・?」と呟いていた

550: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 13:54:19.37 ID:OWAowGk0
翌日、俺はサトミにメールを送った。

俺「テスト終わった?俺はいつも通り散々な結果なので10月が来るのが憂鬱です」

サトミから少し間があり返信が来た。
サトミ「難しかったよー。私も10月が憂鬱です」
みたいな返信が来る。

少し緊張していた。
久しぶりにサトミを誘う。
断られたらどうしよう?その思いが強まる。

だが、俺は前を向くと決めたんだ。

俺はサトミに電話をした・・・緊張して来た。

551: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 13:55:42.45 ID:OWAowGk0
が、もうコールが鳴っている今切ったら余計おかしい。
サトミは電話に出ると明るい声で

「もしもーしww」

そう言った。
俺は久しぶりのサトミの声に安らぐ

俺「まあ、多分俺の方が石原より不安だなww」

のっけからそう言った。

サトミ「え?なんか有ったの・・・?」

俺はコケそうになった。

俺「嫌々wwさっきのメールの話だよww」
サトミ「あ、あーwwwwwwなんか有ったのかと思ったよー」

天然カワユス。

552: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 13:57:34.59 ID:OWAowGk0
サトミと話し始めると止まらない。
ドンドン会話が弾む。楽しい。

俺は頃合いを見計らって、
俺「なあなあ、テストお疲れ様会やんね?」
サトミ「うん、しよっかww」

俺は小さくガッツポーズ。

俺「今週の石原の予定は?」
サトミ「んーと・・・あwwいつでも暇だww」

それはそれで二十歳の女の子として、どうなんだろう?
が、俺にしたら超OK。

俺「じゃあ、今日の晩に飲みに行くか?」
サトミ「うんww良いよww」

553: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:00:58.64 ID:OWAowGk0
電話を切った後、俺は鏡を見る。そして・・・

「好きだ・・・サトミ、付き合ってくれ」

そう呟いてみる。
一人で鏡の前で告白のイメトレを繰り返した。馬鹿だな俺。

夕方になり、俺が考え得る最高のお洒落をした。
そして家を出ようとした時に、ふと何かを思い出して慌てて部屋に戻り押し入れを漁ってみた。

ない・・・ない・・・どこだ・・・

探し物は汚い金属のお菓子を入れる箱に、年賀状に混じって入っていた。

かなり色褪せてしまった・・・

ラブレターだった・・・

554: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:01:52.59 ID:OWAowGk0
俺はラブレターをポケットに入れて家を出る。

俺の中で厨房の頃の自分が戻った様な気がした。
待ち合わせの30分前に到着する。

厨房の頃の俺より少しゆっくり目に来る事が出来たよ。
それでも早い。サトミは待ち合わせの5分前に到着した。

サトミ「早いねww」
俺「どちらかと言うと、早い方なんです」
サトミ「なにそれ?」

下ネタ通じない子なんですよ。

555: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:02:44.42 ID:OWAowGk0
ダイニングバーに入りお酒を頼む。

急にサトミが頬杖をついて笑った。

サトミ「福田君て、結構お店知ってるねww」
俺「まあ、俺も大人に成った、て事でww」
サトミ「ねえねえ、結構女の子とこう言う所来るの?」
俺「いや、あんまりだよ」
サトミ「ホントー?結構女の子泣かしてるんじゃ無いのー?」

俺はその言葉に一瞬チクリと胸が痛んだ。

556: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:04:14.89 ID:OWAowGk0
サトミ「福田君モテるもんなーww」

どこの福田の話しだ。

俺「嫌々、もてねーし」
サトミ「嘘だwwどんだけ女の子を泣かせたの?お姉さんに教えなさいww」

そう言ってサトミが俺の手を指先でツンツンして来た。
ちょっとドキドキする。
俺はこの勢いに乗じた。

俺「石原はどうなんだよwwお前モテるだろww」
サトミ「うーん、私?・・・私は・・・」

そう言って俺の顔を見る。

サトミ「ナイショww」
俺「殴んぞww」

なんかそれ以上聞けなかった。全然成長して無い俺。

557: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:05:13.89 ID:OWAowGk0
サトミと過ごす間は時間の流れを忘れさせる。
気が付くと既に10時近くの時間になっていた。

この後はどうしよう・・・?

俺はサトミと朝まで一緒にいたかった。
別に体を求めてるとか、そんなんじゃない。

ただ、カラオケでもなんでも良い。

ただ二人で笑って過ごしたかったんだ。

558: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:06:14.17 ID:OWAowGk0
俺はサトミに「カラオケでも行かね?」
そう誘った。

サトミ「え?今何時?」
俺「10時」
サトミ「うーん・・・カラオケ行っちゃう時間としては微妙・・・」
俺「そう?」

サトミ「その日の内に帰らないとお父さんに怒られちゃう」
俺「厳しいなwwシンデレラ?」
サトミ「そうそうww」

俺は残念だけど仕方が無い・・・そう思い店を出た。

559: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:07:32.68 ID:OWAowGk0
そしてとりあえずサトミの家の方向に向かう為に電車に乗った。
少し込み合った電車だったので、思いの外サトミと密着する。
20cm位の距離にサトミの顔が見える。
俺は自分の口が臭く無い事を祈りながら話しをした。

駅に到着して俺はサトミと二人でゆっくりサトミの家に向かう。
俺の家からサトミの家まで時間にして一時間半位。

厨房の頃の俺はその距離が果てしない道のりに見えた。
今は屁とも思わない距離だ。

560: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:09:58.83 ID:OWAowGk0
サトミが話す横顔を見つめる。
空を見上げると夏の夜空が見える。

高二の時にサトミと二人で見た夜空と変わらなかった。
俺は再度ポケットのラブレターを握りしめる。
二人で公園に入り話を続ける。

二人の会話は尽きない。
このまま永遠に話せるんじゃ無いかと思う程話が続いた

561: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:11:07.07 ID:OWAowGk0
ふとサトミが気が付いて時計を見た。

サトミ「あ、て言うか福田君時間大丈夫?電車はあるの?」
俺「あ、大丈夫ww最悪石原の家に泊まるからww」
サトミ「お父さんの隣で寝るww?」

二人で笑う。そしてサトミがうーんと伸びをした。
伸びた時にサトミの胸の膨らみをガン見していた俺がいた。

サトミ「あー、なんか福田君て落ち着くー」

そう言って俺を見つめる。

562: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:12:53.47 ID:OWAowGk0
俺をドキドキする。

サトミ「なんか・・・ホッとするんだよね」

何それ・・・え?それ告白・・・?
俺はふと今の状況を見る。これ最高シチュエーションじゃね?

夏の星空の下で・・・男女二人で公園・・・俺の胸のドキドキがヤバい。

虫の泣き声が聞こえて来る。
微かに潮の香りもした。
気持ちがあの夏に戻った気がする・・・

そして、俺が口を開こうとした時に、サトミが先に呟いた。

563: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:16:01.86 ID:OWAowGk0
サトミ「実は・・・ね」

サトミは真っ直ぐ前を見ながら続ける。

ん・・・?なんだ???

サトミ「福田君と会った日さ・・・」

俺の中でなんか危険な信号が頭に響き出した。サトミは照れた様に俺を見る。

サトミ「彼氏と・・・別れたばっかりだった・・・の」

俺は凹んだ。

サトミ「だからね、あの日福田君と会えて・・・二人で喋って、すごく楽になったww」
俺「そっか・・・うん、それは良かったなー」

これ棒読み文章でした。

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564: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:16:59.52 ID:OWAowGk0
サトミ「ありがとう・・・福田君のお陰で、なんかすっきりしたよww」

サトミはそう言って笑う・・・
俺も微笑み返した・・・・

俺はそのまま夜空を見上げる・・・
てか、これどうしたら良いんだ?

チャンス・・・なのか?それとも・・・?

もう訳が分からなくなって来た・・・
どうしたら良いのか?
俺はテンパって来た。

565: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:17:58.35 ID:OWAowGk0
そして・・・

俺はタイミングも糞もなく言った・・・

俺「好きだ石原・・・俺はお前が好きだ・・・!」

うわああああああこのタイミングで言うかああああああ??????
なんだそれ?????

俺がそう言った後に、サトミは目をパチクリとさせた。

566: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:18:51.61 ID:OWAowGk0
俺はもう後にも引けずに再び言う。

俺「俺は実は彼女がいた、けど別れた。石原と再会したから・・・俺はお前が好きなんだ・・・好きなんだよ、ずっと好きだった。もう最初にお前が消しゴムを半分くれた時から!!」

一気にまくし立てる。

てか、俺キモい。なんだそれは。

567: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/17(木) 14:19:02.47 ID:ZxwZcwgo
やっと言えたかww

568: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:19:41.02 ID:OWAowGk0
サトミ「・・・消しゴム・・・?」
俺「うん、半分くれた・・・」

俺がそう言うとサトミは思い出した様に笑った。

サトミ「ああwwあったww最初の時ww凄いよく覚えてるねーww」

そう言ってサトミは笑う。
俺は訳の分からない告白になり自己嫌悪に陥る。

もう最悪だ・・・その思いが頭から離れない。

569: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:20:50.48 ID:OWAowGk0
俺ら2人は沈黙していた。
何も言わずに黙っている。
俺は何を言えば良いか分からなかった。

サトミが急に口を開いた。

サトミ「ありがとう・・・」

そう言って俺を少し見て笑う。

俺は思わず「どういたしまして・・・」と言ってしまった。
どう言う会話だよ。

サトミは俺の一言に少しウケる。

570: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:21:50.09 ID:OWAowGk0
サトミ「ねえ・・・」
俺「うん」
サトミ「どこが良いの・・・?こんな変な女・・・」
俺「・・・全部」

サトミは俺の答えに何も言わなかった。再び沈黙が訪れる。

沈黙を破ったのは再びサトミであった。

サトミ「・・・三年前の返事もして無いままなんだね・・・私」
俺「うん・・・」
サトミ「ごめんね・・・ずっと返事しないままで」
俺「いや、幽霊が電話に出たら・・・仕方ないよ」

その言葉にサトミは笑った。

571: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:22:49.18 ID:OWAowGk0
そしてサトミはゆっくり俺を見る・・・

サトミ「ごめんなさい・・・」

俺はその言葉が下っ腹にズシーンと来た。

ごめんなさい・・・か・・・
まあね、薄々分かってたよ。

もし前回もOKならば何とか連絡しようとするはずだしね。

そうか・・・そうななのか・・・

俺は何故か納得した。

572: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:23:45.32 ID:OWAowGk0
サトミ「今は・・・考えられない・・・前の彼氏と別れたばっかりだし」
俺「うん・・・」
サトミ「それに・・・福田君は友達としてずっと見てたから・・・」

俺全然駄目じゃん。

サトミ「でも・・・」
俺「うん?」
サトミ「今は少し・・・違うかも・・・なんか・・・」

俺「・・・脈・・・あり・・・?」

俺の言葉にサトミは「う~ん・・・」と唸った。
ねーのかよ。

573: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:24:42.84 ID:OWAowGk0
俺「分かった・・・」

俺らは立ち上がり二人で歩き出した。
公園から出てサトミの家に向かう。
俺らはずっと黙っていた。

俺の中では全て出しきった・・・
思いを告げれて、返事もちゃんと貰えて良かった・・・
と言う爽快感が・・・

ねーよ。
全く無い。
なんか全然だめ。
無理。
もう最悪。

574: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:25:36.15 ID:OWAowGk0
俺は突然立ち止まった。
サトミが俺を怪訝な顔で見てきた。

俺は携帯電話を取り出してサトミを見た。

俺「知ってた・・・?」
サトミ「うん?」

俺「俺らってさ・・・二回も偶然の再会をしてるよな・・・?」
サトミ「・・・そうだね」

俺「これが・・・もし三回の偶然が・・・重なったら・・・奇跡だよな・・・?」

575: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:26:47.27 ID:OWAowGk0
サトミ「・・・・」
俺「それって何て言うか知ってる・・・?」

サトミ「・・・何?」

俺「運命って言うんだよ・・・!」

俺はそう言うと携帯電話のサトミのアドレスを出した。

それをサトミに見せる・・・

そして・・・消去した・・・

576: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:27:43.20 ID:OWAowGk0
俺「俺はもう一度お前に再会する、それが何年、何十年かかるかは知らん・・けど、絶対にもう一度・・・再会する!」

サトミは俺を見つめた。

俺「このまま行けば、友達として俺は石原と過ごせるんだろう・・・それはそれで幸せかもしれない・・・けど、俺は石原の恋人に成りたいんだよ勝手だけど俺は・・・お前の恋人に成りたいんだよ・・・!」

俺はなんか知らんが凄い興奮して来た。

577: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:28:37.32 ID:OWAowGk0
俺「だから・・・俺は絶対にもう一度お前を探し出す!!!」

それだけ言うと俺は少し気分が楽になった。

そうか・・・俺は馬鹿なんだな。
自分自身で凄い理解した。

そしたら凄い清清しい気持ちになれたんだよ

578: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:29:43.66 ID:OWAowGk0
俺がそう言い終わった瞬間にサトミがクスッと笑い出した。

俺「笑うなよ」
サトミ「ごめん、違うの・・・ww」

そう言ってサトミが俺を見る。

サトミ「ちょっと・・・グッ・・・と来たからww」

俺「マジ???マジ???」
サトミ「今ので帳消しww」

俺らは笑った。

579: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:30:35.16 ID:OWAowGk0
サトミ「ホントに・・・そうするの・・・?」

そんな風に聞かれたら自信が無くなるじゃないの・・・
が、

俺「うん」
サトミ「そっか・・・分かった」

少しサトミが寂しそうなのが俺の中で救いだった。

サトミも携帯を取り出して・・・そして、目の前で俺のメモリーを・・・消した。

580: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:31:29.32 ID:OWAowGk0
サトミ「これで・・・良い?」
俺「お前は消さなくても・・・」
サトミ「え?」
俺「あ、いや、それで良い」

サトミ「なんか・・・凄いねww」
俺「そうだなww」

俺らは見つめあった。そして、サトミからゆっくり手を差し出してきた。
俺もそれに応えて手を差し出す・・・

俺らは握手をした。

本当はキスでもしたい気分だがそうは行かないみたいだね

581: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:32:22.26 ID:OWAowGk0
俺「じゃあ・・・」
サトミ「うん・・・」

俺「また・・・いつか」
サトミ「うん・・・いつか・・・」

俺はそう言って・・・背中を向けて歩き出した・・・

が、すぐに引き返す。

俺「ごめん・・・あのさ、○○線から電車に乗るんだけどね・・・どっちかな?」

もう俺最悪・・・サトミも笑ってた。

582: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:33:13.98 ID:OWAowGk0
こうして俺らは再び離れ離れになった。
今思えば俺のただの意地だったかも知れない。

今回の出会いで俺は初めての彼女を失った。

だけど、俺はほんの少しだけど大人になったかもしれない。

そして俺は”誇り”と言う物が少し持てたのかも知れない

583: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/17(木) 14:34:24.91 ID:OWAowGk0
これで俺の昔話第三部を終わります。

そしていよいよ次が最後の昔話になります。
何回も言いますがこれは実話なので、そんなにドラマチックじゃないかも知れません。

それより最後も長い話になるので・・・まあ、とにかく上司の目潰しをしてでも書き上げます。

じゃあ、またww

584: VIPにかわりましてパー速民がお送りします: 2009/09/17(木) 14:35:12.22 ID:pOoqfggo
お疲れー

wktkが止まらんぜ

585: VIPにかわりましてパー速民がお送りします: 2009/09/17(木) 14:35:19.53 ID:7FfzPG.0
乙ー
期待して待っとるわ!

587: VIPにかわりましてパー速民がお送りします: 2009/09/17(木) 14:36:00.04 ID:ZxwZcwgo
おつおつ

しかし厨二病だなwwww

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