名作・神スレ

【名作スレ】消しゴムをくれた女子を好きになった その5【スピンオフ・サトミ&板倉編】

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消しゴムをくれた女子を好きになった スピンオフ板倉編

289: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:24:59.19 ID:F6.SIeM0
少しスピンオフをしたくなった

~消しゴムを擦り過ぎて紙が破けたのでもう一枚頂けますか~

まあ、板倉から聞いた話しを同じく俺の勝手な想像で書きます。
適当に聞いて下さい。

290: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 10:25:42.87 ID:B.Y0XIwo
福ちゃんおはよう
まだ20代半ばなのに何を言ってるんだww
おっさんに謝れwwwwww

291: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:25:56.54 ID:F6.SIeM0
まいった・・・

板倉は困っていた。
何回電話してもユミは電話に出ない。

はあ・・・板倉は溜め息をつく。

一人夜の繁華街でしゃがみ込んでいた。
タバコを吸おうとするが空だ。

まいった・・・再び板倉は思った。

タイミングが悪すぎる・・・学生時代から俺はいつもタイミングが悪い。

293: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:27:45.54 ID:F6.SIeM0
その時ポケットに入れていた携帯が鳴る。

ユミか!!!!

板倉は慌てて携帯を見る。
が・・・相手はユミでは無かった。

学生時代の友人の一人で有る眼鏡だった。
板倉はガックリ顔を落とすが仕方なしに電話に出る。

294: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:28:52.83 ID:F6.SIeM0
板倉「もしもし・・・」
眼鏡「あ、エロ倉君?」
板倉「あ、そう言うアナタは盗撮眼鏡さんじゃ無いですか・・・なんだよ」
眼鏡「なんだよは無いでしょww久しぶりに電話したのにww」
板倉「ああー久しぶりだねー・・・じゃあな!」

ブチッ。
板倉は電話を切った。
今はユミからの電話が大事だ。

295: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:29:48.88 ID:F6.SIeM0
するとメールが来た。
ユミか!!!!
再び携帯を見ると、眼鏡であった。

なんなのよアンタ!!!!

メールを開けると可愛い女の子が胸を出している写メだった。

板倉は眼鏡に電話する。

板倉「森さん、ホントに調子ぶっこいて申し訳ありませんでした」
眼鏡「まあ、人間誰しも調子をぶっこく時がある」

296: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:31:06.45 ID:F6.SIeM0
板倉「今、少し立て込んでてさ・・・」
眼鏡「どうせユミちゃんと喧嘩したとかだろ?」

エスパーかコイツは。

板倉「なんだよ」
眼鏡「お盆明後日からだろ?どうすんの?」

板倉「そりゃお前・・・ユ・・・」

ユミと一緒に過ごす・・・そう言いかけて言葉を止めた。

297: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:32:52.52 ID:F6.SIeM0
あ、喧嘩したばっかりだ・・・

板倉「ユ・・・油田でも探しに行く・・・」
眼鏡「見つかん無いって」

板倉「い、いや良い情報が入ってさ・・・あれは確実に凄い・・」
眼鏡「そこ広げなくて良いから」
板倉「そ、そう?」
眼鏡「いや、盆休みにさゲロリンの所に行かない?」
板倉「ええー・・・遠いよ」
眼鏡「久しぶりに良いじゃんww行こうぜ!」

298: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:33:46.66 ID:F6.SIeM0
板倉はどうしようか・・・そう思った。
まあ、ユミとも会えそうに無いしな・・・

板倉「分かった・・・引き受けよう・・・!」
眼鏡「ゴルゴ?」

板倉は電話を切った後にユミにもう一度電話した。
が、出なかった・・・

299: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:34:38.42 ID:F6.SIeM0
ユミは板倉の二歳上だった。
最初に出会ったのは板倉が社会人になり二年目の時であった。
取引先の会社のパーティに呼ばれた時に紹介されたのがきっかけだった。

ユミは板倉と同じ業種でその取引先と取引があったのだ。
最初の板倉の印象は

糞真面目な奴、

であった。

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300: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:35:30.44 ID:F6.SIeM0
板倉はそのパーティで陰毛ファイヤーショーをしたのだが、ユミはそれを冷めた目で見ていた。

少し会話する機会があり、話した時に言われた。

ユミ「そんな事までして仕事取りたいの?」

板倉は切れそうになった。
いや、切れた。

板倉「うるせえええええ!!!!あれは俺の趣味だあああ!!!!」

意味が分からないっす板倉さん。

301: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:36:22.68 ID:F6.SIeM0
その場そんな感じで終わったのだが、その後にもう一度ユミと再会する。

板倉の会社とユミの会社が共同してプロジェクトをする事になった。

そこで板倉と数名が派遣され、同じくユミの会社からユミと数名が派遣されチームを組んだ。
リーダーはユミであった。

302: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:37:17.03 ID:F6.SIeM0
プロジェクトは難航して上手く進まない。
ユミは無難な案を出して、それをクライアントに提出しよう、そうみんなに伝えた。

みんなも「仕方ないな」

そんな雰囲気になり、そのまま話が進められる形に成った時、反対の声が出た。

それは板倉であった。

303: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:38:10.07 ID:F6.SIeM0
板倉「それじゃあわざわざ、二社が合同して事業を組んだ意味無いじゃん」

板倉の言葉にユミが睨む。

ユミ「あのねえ、もう納期が迫ってるのよ。それ分かって言ってんの?」

板倉「いやいやwwあのさあ、納期は絶対じゃ無いんだぜww」
ユミ「はあ?」

304: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:40:10.60 ID:F6.SIeM0
板倉「納期はさ、俺らが謝って上司に責任かぶせたら何とかなるっしょ!でもね、これが世の中に出回ったらさもう『ごめんなさい』じゃ済まされないんだよ?分かってるそれ?」

板倉は馬鹿だが、真理をつく。

ユミ「・・・・」
板倉「アンタがさ、上司への報告だけの為のプロジェクトをしたいんなら・・・それで良いけどさ」
ユミ「・・・」
板倉「俺は嫌だ。俺はクライアントが納得して自分も納得出来るもんを作りたい、そんな誤魔化しの仕事するなら辞めろ。お前にリーダー任せられん!」

板倉がそう言うとユミは下を向き黙った。

305: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:41:04.26 ID:F6.SIeM0
板倉「他の人、なんか対案ある?」

皆も黙る。

板倉「よし、じゃあ俺の案で行きましょう」

板倉がそう言うとユミは黙って部屋から出て行った。
他の人が追いかけようとする。

板倉「ほっとけ!!!それよりも報告書書いて、クライアントや関係者に謝罪する方が先だ!!」

そう言って板倉は電話をつかみ各所に電話しだした・・・

306: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:43:04.47 ID:F6.SIeM0
夜も更け板倉は一人部屋で報告書を作っていた。
会社への納期延期のお願いだった。

上司からかなり怒られたが最終的には上司も板倉に任せてくれた。
そりゃそうだ。

板倉が慣れない報告書作りに悪戦苦闘している時に部屋のドアが開いた。

現れたのは・・・ユミであった。

307: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:43:59.26 ID:F6.SIeM0
板倉はドキっとした。
ユミは下を向いて何か思いつめた表情であった。

刺される・・・

何故か板倉はそう思った。

板倉は腹だけは刺されない様にと体を横に向けて身構える。

するとユミはいきなり頭を下げた。
え・・・?

板倉が呆気に取られているとユミは蚊の鳴く様な声で言った。

308: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:45:04.47 ID:F6.SIeM0
ユミ「すいませんでした・・・」

そして下唇を噛み締め耐える様に下を向いて少し震えていた。

板倉は何故かその姿を見て・・・

イジメてやろう・・・

そう思った。
彼は変態なんで勘弁してあげて下さい

板倉は椅子に腰掛けながらユミを見つめる。

309: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:46:28.54 ID:F6.SIeM0
板倉「は?何言ってんの?今更、職場放棄した人がさ」

板倉の言葉にユミは再び呟いた。

ユミ「ホントに・・・すみませんでした・・・」
板倉「で、なんで職場放棄したの?」
ユミ「え・・・」
板倉「なんで職場放棄したの?」
ユミ「・・・すみませんでした・・・」
板倉「いや、謝んなくて良いから、理由だけ言ってくれたら良いよ」

310: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:48:14.54 ID:F6.SIeM0
ユミは困る。
そりゃそうだ。
板倉は堪らなく興奮を覚えたと言う。

が、板倉はしつこ過ぎた。

板倉「ねえ、なんで・・・」
ユミ「しつこい!!!!」

ユミは切れた。

ユミ「なんでって悔しかったからに決まってるでしよ!!!そんな事も分かんないの????馬鹿じゃ無いの????」

ユミのまくし立てに板倉は黙っていた・・・
が、

板倉「すみませんでした」

謝った。
本気でビビった様だ。

311: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:50:08.72 ID:F6.SIeM0
ユミも言い過ぎたと気が付き再び謝る。
和解が出来た後に二人で作業を行い、その後飲みに行った。

若い男女が2人でのみに行く・・・
そうすると・・
自然に・・・

仕事の話しで大激論した・・・

男女が二人で飲みに行ったらもっとなんか有るだろ。
なんで激論してんだよ。

だが、それから二人は仲良く成った。

312: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:51:26.25 ID:F6.SIeM0
お互いの本音の意見をぶつかり合える様に成ったのだ。

そして、プロジェクトも成功を収めチームは解散した。

が、二人の関係はメールから始まり・・・
電話をする様に成り・・・
会って話す様に成り・・・

いつの間にか仕事だけじゃなく
遊園地に行ったり、映画に行ったり・・・

最終的には週末はユミの家で過ごす様に成っていたのであった・・・

313: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:52:29.69 ID:F6.SIeM0
まいった・・・

板倉は再び思った。
眼鏡との電話が終わった後も、その場から離れられずにいた。

板倉はユミと真面目に付き合って来た。
誠心誠意ユミに向き合って来た。

だが、今日の事、大口の話しがまとまった事も有り調子に乗っていたと思う。

そんな折りに、後輩がコンパを誘って来たのだ。

314: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:53:37.60 ID:F6.SIeM0
人数が足りないと言われ渋々行ったが、持ち前の性格から一番はしゃぐ。

板倉「さあwwwwやって参りました!!!胸当てゲーーーーム!!!!!」
女の子「何それwwwwww」
板倉「胸を当てるんだよ!!!!」
後輩「無茶苦茶だwwwwww」
板倉「早くしようぜwwwwwwww」
ユミ「楽しそうね」
板倉「さてとwwwwwwじゃあ一番はユミからwwwwww・・・ユミ・・・・」

315: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:54:32.00 ID:F6.SIeM0
ネクタイを頭に巻いた板倉の前には何故かユミが立っていた。

板倉「ユミーーー!!!!!!!!」
ユミ「じゃあ、ごゆっくりww」

ユミは笑顔で手を振る。

板倉「いや、違う!!!違うんだ!!!これは違うんだ!!!」
ユミ「ごゆっくりww」
板倉「ユミ、これは、あの、あれだ・・・」
ユミ「じゃあねーww」

316: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 10:55:27.43 ID:F6.SIeM0
本当にビックリだった。
ユミが出て行った後に板倉は慌てて追い掛けて出て来た、
が、どこにも姿が見えない。

慌てて電話をするが出ない。
四回目以降は着拒否をされたのか、通話中の信号が返って来る。

最悪だ・・・

こうして繁華街に板倉は一人佇んでいた。
さっきからコンパに誘って来た後輩には5分起きに股間の写メを送り続けているが気が晴れない。

最悪だな・・・ホント・・・板倉は頭を抱えていた・・・

318: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 10:56:39.76 ID:1TKCxhwo
板倉、テラお調子者wwww

319: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 10:57:43.50 ID:B.Y0XIwo
乙~!
板倉面白すぎるww

322: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 12:22:46.77 ID:MGJmCMQ0
板倉編て、板倉視点の福田とさとみ話じゃないんだwwwww
完全に板倉ストーリーwwwwwww
これはこれでおkwwwwwwwwwwwwwwww

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324: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:23:39.72 ID:F6.SIeM0
盆休みに入ってもユミからの連絡は返って来ない。

何度連絡しても話中音だった。

もうユミとはダメなのか・・・
その思いが強くなっていた・・・

板倉と眼鏡はもう一人の胃腸が弱い家系の奴の所に向かう
2人は新幹線で行く事にした

325: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:24:32.62 ID:F6.SIeM0
板倉「新幹線混みすぎww」
眼鏡「仕方ないでしょ、お盆なんだから」
板倉「まあ、酒飲めるから良いけどww」
眼鏡「ピッチ早いんじゃ無い?出来上がるよ」

板倉「てか、あの妄想野郎は家にいんの?居なかったら家にロケット花火打ち込むかwwww」
眼鏡「一応は居る様な事を言ってたけどね」
板倉「まあ、良いじゃんww森君飲もうぜwwww」

二人は混雑している新幹線で飲み続けた。迷惑な奴らだ。

326: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:25:39.88 ID:F6.SIeM0
到着したのは昼間だった。
だが、二人は観光を始めた。

そして居酒屋に入り酒を飲む。
コイツら何してんの?

二人が目的地の学生時代の友人宅に到着した時は既に夜だった・・・

327: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:26:33.57 ID:F6.SIeM0
盆明けに出勤した板倉はボーッとしていた。
まだユミからの連絡が無い。
仕事を適当にこなし家に帰る。

家に帰ってもユミからの連絡は無い。
電話しても出ない。

ふと、本棚の奥に有る写真立てを取り出した。
そこには男三人で写っている写真があった。

328: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:27:39.64 ID:F6.SIeM0
キモいな俺は・・・
その写真は高校生の時に海で撮った写真だった。

親友三人で写っており、写っている二人には、こんな写真を持っている事は言って無かった。
この写真をユミに見られた時は恥ずかしかった。
だが、ユミは笑わずに「羨ましい」と言ってくれた。

こんな友達が居る事が羨ましい・・・と。

329: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:28:31.80 ID:F6.SIeM0
板倉はベッドに転がりながら写真を見つめる。
その中の一人の男に目が行く。

それはこの前盆休みに行った痛い振る舞いをする友人だった。

奴はとんでも無い位のストーカーだった。
中学からの初恋の人間をどんだけ思い続けるんだよ・・・

330: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:29:44.19 ID:F6.SIeM0
が、出会いやがった。
再会しやがった。
三回も・・・

冗談だろ?奇跡じゃねーか・・・

板倉はふと携帯を取り出して、その妄想君に電話をかけた。

「もしもし?」
板倉「ア・タ・シ・・・!分かる?誰か?ウフww」
「うん。分かる。じゃあな」

ガチャ。ツー、ツー、・・・
切りやがった

331: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:31:57.11 ID:F6.SIeM0
板倉はすぐに眼鏡から貰った、胸の写メを送る。
するち、モノの1分も掛からない内に折り返しの電話があった。

板倉「仕事中か?」
「うん、今から立ち会いなんだよ」
板倉「働くねー、相変わらずww」
「吐きそうだよマジで」
板倉「相変わらず胃腸がヨエーなww」

「で・・・?」

妄想君は突然話を遮る様に聞いてきた

332: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:33:15.80 ID:F6.SIeM0
板倉「うん、ああ・・・いやなんかね、この写メはさ・・・」
「いや、それも聞きたいが・・・違うだろ?」

板倉は黙った。
普段は勘が悪い癖に、妙な所で勘が良い。

「話せよ、どうせ立ち会いまで時間が有るし・・・暇を潰したい」

妄想君の言葉に板倉は苦笑いを浮かべた。

だけどな・・・何から話すか・・・

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333: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:35:05.17 ID:F6.SIeM0
板倉「お前さ・・・」
「うん」
板倉「なんで、あの時・・・彼女を捨ててまで・・・行ったんだ?」

「え?」
板倉「彼女と上手く行ってたじゃん・・・大学の時だよ」
「ああ・・・」
板倉「お前が馬鹿な事は知ってるけどさ・・・あんな馬鹿だとは思わなかったからさ」

「馬鹿にしてんの?」
板倉「ちょっとしかしてないよ」

妄想君は溜息をついた。

334: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:35:56.36 ID:F6.SIeM0
そして・・・

「お前が・・・言ったからだよ・・・」
板倉「え?」

「『相手が自分を好きだから、お前も好きなの?』ってさ・・・」

板倉「何それ?」
「お前が中学の時に俺に言った言葉だ馬鹿」
板倉「・・・俺って凄いな」
「馬鹿だけどね」

335: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:36:56.48 ID:F6.SIeM0
板倉はタバコに火を付けた。
「なあ」妄想君が呟く。

板倉「ん?」
「俺は別れた瞬間から、今まで何回も後悔したよ・・・格好を付けて別れなきゃ良かったって。あのままカズミと付き合ってた方が良かったって」

妄想君の言葉に板倉は黙って聞く。
「でもね、理屈とかじゃ無くてさ、俺はそれでも・・・石原が好きだったんだよ。だから・・・」

板倉「うん・・・」

336: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:38:21.18 ID:F6.SIeM0
「出会えたよ・・・お前が言う所の・・・『運命』の出会いをな・・・」

板倉「・・・・」
「まあ、でも、別れんなよ」
板倉「え?」
「ユミちゃんと別れんなよって」

板倉「なんで知ってる・・・」
「なんとなく」

337: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:39:15.14 ID:F6.SIeM0
なんで分かるんだよ・・・

眼鏡にしても、妄想にしても・・・

板倉「・・・なあ」
「うん?」

板倉「・・・運命の出会いって・・・何それ?キモいんだけど」

「・・・市ねガイコツ!」

338: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:41:47.21 ID:F6.SIeM0
板倉は電話を切ると再びベッドに横たわった。

相手が好きだから・・・自分も好き・・・か・・・

我ながら良い台詞だ。
俺は中学生の時から凄いな。
板倉はベッドから起き上がると服を着替えた。

さてと・・・俺も妄想君バリの青春をしてみっかww

そう思い部屋を出た・・・

339: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:42:38.72 ID:F6.SIeM0
プルルルル・・・

ユミの携帯電話が鳴った。
見ると相手は板倉だった。

着信拒否を解除した途端に電話が成ってビックリした。

ユミは溜息を付く。
出ようか・・・どうしよう・・・

でも・・・

ユミは許せなかった。板倉の行動が許せなかったのだ。

340: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:44:52.71 ID:F6.SIeM0
一度、着信は止まった・・・

が、もう一度鳴り始める。

しつこいな・・・ユミはそう思い・・
電話を切った。
そして電源を落とした。

ユミはベッドに横になり時計を見た。
もう夜の10時か・・・明日も早いな・・・

341: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:45:48.80 ID:F6.SIeM0
ユミは板倉が好きだった。

顔はガイコツみたいだし、お調子者だし、馬鹿だ。

だが、優しい。
さりげなく人に優しくする。
あの人には何故か不思議な魅力がある・・・

だから本気で好きだった。

だからこそ、この前は許せなかった。

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342: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:46:53.60 ID:F6.SIeM0
ああ・・・私も意地っ張りだな・・・
ユミはそう思う。

許してあげたいって思う気持ちと許せない気持ちが交互に来る。
分かってる。
自分が馬鹿だって事も。

ユミはそのまま眠りに落ちた・・・・

しばらく眠ってふと目が覚めた。
時計を見ると午前の3時を回っている。
顔も洗わずにそのまま寝てしまっていた。

343: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:47:53.07 ID:F6.SIeM0
慌てて起き上がり化粧を落としに洗面所に向かう。

その時に携帯に目が留まった。
アイツから電話が入ってるのかな・・・?

そう思い電源をONにする。
すると留守電が入っている。

ユミは溜息を一つ吐いて留守電を聞いた。

344: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:49:41.85 ID:F6.SIeM0
「板倉でございま~す!お魚咥えたドラネコ~♪おおかけ~て~・・・」

コイツは本当に馬鹿だ・・・
ユミがそのまま留守電を消去しようとした時に歌が終わり言葉が続いた。

「あのさ、お前が俺を嫌いに成っても・・・俺はお前が好きだ・・・」

その言葉にユミはビクっとする。

345: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:50:34.47 ID:F6.SIeM0
「でも、俺は馬鹿だからお前にどうやって誠意を示して良いか分からない・・・だからさ、待つよ」

え・・・?

板倉の言葉にユミは何かに気が付き・・・カーテンを開けた

「お前が許してくれるまで、何日も何年も俺は待ち続ける・・・じゃ、そう言う事で!」

そう言って留守電は終わっていた・・・

346: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:51:43.46 ID:F6.SIeM0
ユミの目の前にマンションの下の植え込みが見える。
そこには人影があった。

板倉がいた。

ユミは時計を見る・・・もう3時半だった。
留守電が入ったのが10時・・・かれこれ五時間も経過している。

そこには板倉が佇んでいた。

ユミは携帯電話を握り締め・・・
そして慌てて外に出た・・・

347: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:52:37.64 ID:F6.SIeM0
ああ~だるい・・・

板倉は思った。
何このダルさ。

ドラマとかでよく有るシーンを演出したは良いが・・・だるい。
てか、眠い。
帰りたい。
俺馬鹿なんじゃね?

そう思いながらも板倉は待っていた。
蚊が板倉の至る所を刺して行く。

ああくそ!!!地味にこれは嫌だ!!!

348: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:53:29.88 ID:F6.SIeM0
板倉がパチンと蚊を一匹潰した時にマンションの入り口が開いた・・・

そこにはユミが立っていた・・・

ユミは目を赤くして板倉を見つめている。
板倉がユミの名を呼ぼうとした時に先にユミが口を開いた。

ユミ「なんでよ・・・」
板倉「え?」

349: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:54:39.25 ID:F6.SIeM0
ユミ「なんで・・・?なんでそんな事するの・・・?馬鹿なんじゃ無いの・・・?」

ユミの言葉に板倉は笑った。
確かに・・・
確かに馬鹿だww
そう思った。

だけど・・・

板倉「あのさ」
ユミ「え?」

板倉「運命って信じる?」

350: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:55:37.11 ID:F6.SIeM0
ユミ「え??」
板倉「運命って有るんだよね~いや、福田居るじゃん?」
ユミ「・・・」

板倉「福田はさ、信じたんだよ・・・運命を・・・でさ、わざわざ彼女と別れたのに、好きな女とも敢えて離れ離れになったんだよ」

ユミ「・・・」
板倉「馬鹿だよね~アイツはwwでもさ、俺はそれ聞いた時、馬鹿だって思ったけど・・・少し羨ましかった・・・そんなに好きに成れる相手が居るってさ・・・」

351: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 14:55:43.21 ID:yCQorUAO
板倉は憎めない奴wwwwwwwwww

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352: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:56:37.40 ID:F6.SIeM0
ユミは黙って板倉を見つめていた。

板倉「でも・・・今はアイツを馬鹿だとは思わないし・・・そして羨ましくも無い・・・」

板倉はユミを見つめる。

板倉「俺にも・・・俺にも出来たから・・・」
ユミ「・・・え?」

板倉「運命の人が・・・!」

353: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:57:29.31 ID:F6.SIeM0
それだけ言うと板倉はユミに近づく。
そしてポケットから小箱を取り出した。

板倉「はい・・・」
ユミ「え・・・?」
板倉「開けて良いよ」

そう言って渡された小箱をユミは開けた・・・

ユミ「・・・指輪・・・」

板倉「どこも閉まっててさww取り合えず、閉めかけの店に行って強引に買ったんだよww」
ユミ「・・・・」

354: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:58:24.39 ID:F6.SIeM0
板倉「結婚・・・しない?」

ユミ「・・・え?」

板倉「結婚してください」
ユミ「・・・!!!」

ユミの手が震えた。
板倉は少しそっぽを向いて照れている。

板倉「これから・・・ずっとお前を好きで居続ける・・・信じてくれ・・・!」

355: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 14:59:27.40 ID:F6.SIeM0
板倉はそう言うとユミを見つめた。

ユミの目から自然に涙がこぼれて来た・・・

そして・・・

ユミ「きもい・・・」
板倉「おっしゃる通りww」

そう言って板倉は笑った。
ユミも笑う。

356: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:00:45.90 ID:F6.SIeM0
そして板倉はユミに近づき、ユミを抱き寄せた・・・

板倉「でも・・・運命だから・・・仕方ないよな・・?」

板倉がそう言うとユミも板倉を抱きしめる。

ユミ「・・・じゃあ、仕方ないか・・・ww」

板倉「だろ・・・?」
ユミ「うん・・・ww」

2人は笑い合って・・・そして・・・
抱きしめあった・・・

357: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:01:59.20 ID:F6.SIeM0
ユミ「ねえ」
板倉「うん?」
ユミ「絶対に・・・浮気したら駄目だよ・・・」
板倉「え??あ、ああ・・・勿論・・・」
ユミ「おい」
板倉「当たり前じゃないですか」

ユミ「本当に分かってる???」
板倉「勿論wwww」
ユミ「なら良いけど・・・」
板倉「でも・・・一回位は・・・」

ボコッ。ユミの膝が板倉の腹に入った。

板倉「う~ん・・・リバーが・・・リバーが・・・」
ユミ「ホント、アンタって人は・・・」
板倉「冗談じゃないですか・・・」

2人に上には満天の星空が広がっていた・・・

358: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:02:58.43 ID:F6.SIeM0
・・・・
・・・・

俺がサトミと付き合う様になって一週間が過ぎた。
そしていつもの様に仕事に追われている最中に板倉から電話があった。

板倉「よう妄想君ww」
俺「よう変態君」
板倉「そうか~やっと石原と付き合えたかwwwwww」
俺「お陰様でww」
板倉「ストーカーも度を越えれば純愛になるんだなww」
俺「お陰様でww」

359: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:04:15.55 ID:F6.SIeM0
板倉「ところでさ」
俺「うん?」

板倉「石原とした?」
俺「ゲスイなお前」

板倉「ちょっと胸の形を教えてくれい」
俺「アンタ何言ってんの?」

360: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:05:09.48 ID:F6.SIeM0
板倉「あ、いや、そんな話じゃ無いんだ」
俺「いや、お前ならわざわざそんな話で電話しそうで怖いよ」

板倉「来年の3月は空けておけ」
俺「え?」

板倉「・・・俺の結婚式だ」
俺「・・・そうか・・・wwやったなww」

板倉「その前に、正月帰って来いよ!俺の婚約者を見せてやろうww」
俺「何回も見てるじゃん」
板倉「良いからww」

そう言って電話を切った。

361: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:06:06.30 ID:F6.SIeM0
冬休みに俺はサトミと共に実家へ帰った。
勿論、サトミは自分の実家に、俺も自分の実家へ。

そして、俺はサトミと共に板倉達が待つ居酒屋へ行った。

森君「お~い!!!こっちこっち!!」

森君が手を振っていた。
そこには板倉とユミと、森君の三人がいる。

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362: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:06:59.28 ID:F6.SIeM0
板倉「久しぶりだなww石原ww」
サトミ「お久しぶりww」
森君「いやあww懐かしいww」

サトミ「初めまして、石原ですww」
ユミ「初めましてww」

2人は挨拶をした。

ユミ「でも、中学の時からの同級生でまだ仲が良いんだねww」

乾杯を終えた後にユミがそう言った

363: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:07:51.43 ID:F6.SIeM0
俺「残念ながら・・・俺らは三人しか友達いないんだ・・・」
ユミ「・・・そうなんだ・・・」

暗くなった。

板倉「だから仕方なしにこんな友達が作れない馬鹿二人を俺が面倒みてるんだよ」

なんだとこのヤロー。

ユミ「でも、アンタの本棚に三人で写ってる写真飾ってあるじゃん」

板倉はビールを吹いた。

364: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:09:06.25 ID:F6.SIeM0
板倉「おま、・・・言うな馬鹿!!!!」
俺「キモッ!!!!」
板倉「違う!!!違うんだ!!!」
俺「きめええwwwwww」
板倉「違う!!!あれはお前らに呪いを掛ける為に有るんだよ!!!!」

板倉が慌てている最中にサトミが呟いた。

サトミ「え?でも、ユウ君も写真立てに三人の写真飾ってあるじゃんww」

俺もビールを吹いた。

365: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:10:00.21 ID:F6.SIeM0
板倉「キモッ!!!!!!!お前キモい!!!!」
俺「うるせー馬鹿!!!!お前の方がキモいだろうが!!!」
森君「まあまあww」
俺「お前は何故に冷静だ!!!!」

俺がそう言うと森君は携帯を取り出した。
そして待ち受け画像を見せた。
そこには俺ら三人で大学時代に遊園地に行った時の写真があった。

俺、板倉「お前は一番キモイわ!!!!!!」

366: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:10:54.06 ID:F6.SIeM0
何故か森君が嬉しそうに笑う。
いや、何を笑ってんの?この人。

板倉「ええ・・・何?これはガチで引くわ・・・」
俺「お前こう言うのは自分の子供とかの写真を入れとくもんだろ・・・」
サトミ「でも、良いじゃんww仲良さそうでww」
ユミ「うんwwなんか羨ましいww」

367: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:11:59.24 ID:F6.SIeM0
俺「君ら人事だけど・・・君らも写真撮られるよ」
板倉「うん・・・この盗撮君は怖いよ・・・」

俺らの言葉に森君はうっすら笑っていた。
サトミとユミは顔を見合わせていた・・・

三ヶ月後・・・板倉とユミはめでたく、ゴールインした。

そして、ユミは今、お腹に板倉の子供がいます。

368: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:13:41.01 ID:F6.SIeM0
俺とサトミが結婚すると言った時もユミは喜んでくれたそうですww
そして、サトミに結婚生活における先輩として夫の尻の敷き方を教えてくれるそうです。

以上、少しスピンオフがしたくなった・・・板倉編を終わりますww

ちなみに最後の部分は俺の勝手な想像じゃ無しにガチですww
森君はマジで俺らの写真を待ち受けにしてるww

じゃあ、またww

369: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 15:18:37.42 ID:1TKCxhwo
おつ!!

370: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 15:18:51.88 ID:B.Y0XIwo
お疲れww
仕事中なのに泣きそうになっちまったww

371: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 15:21:27.57 ID:/w0JEzAo
福ちゃんお疲れー!
面白かったし、目から汗が……(´;ω;`)コレハアセナンダカラネッ
森wwwwww待ち受けwwwwwwwwwwwwwwww

372: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 15:22:41.86 ID:GIAdjUDO
この物語の影の功労者は間違いなく森君

373: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 15:32:31.75 ID:qTlrzDYo
で?森君編は?

375: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/26(月) 15:42:57.77 ID:F6.SIeM0
板倉からこの話を聞いた時に俺も胸が熱くなったよww

・・・森君編かぁ・・・

う~ん・・・無い事も無いんだけど・・・
ちょっとまた考えておきます!
じゃあ、俺は今から課長に説教されに行きます!

じゃあね!

378: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/26(月) 17:58:24.65 ID:zlCpiiwo
福田乙ww
説教かww大変だなwwww

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