名作・神スレ

【名作スレ】消しゴムをくれた女子を好きになった その6【スピンオフ・森君編】

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消しゴムをくれた女子を好きになった スピンオフ森君編

383: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:29:23.43 ID:kxNd7.SO
おはよう!
いやあ、昨日の立ち会いは暇だったーww
車の中でずっと寝てたよww

じゃあ投下しますねww

384: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/27(火) 09:31:26.80 ID:rHzwzBEo
おはよー
今日は早いな。

>>384
てか、寝てないから今、帰宅中ww

385: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:32:32.87 ID:kxNd7.SO
少しスピンオフがしたくなった
森君編

~匂い付き消しゴムを食べたく成りませんか?~

387: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:35:26.92 ID:kxNd7.SO
森君は少食だ。
いや、偏食だった。

肉が好きじゃ無い。
野菜や魚が好きだった。
かと言って貝や海老も好きじゃ無かった。
気持ち悪いからだ。

その為、小さい頃からガリガリでイジメられていた。
イジメられるのが嫌で一応自分なりに体を鍛えて見たがダメだった。
どうしても筋肉が付かない。

だから彼はイジメられない為に空気の様に気配を消す事を覚えたのだった。

388: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:37:01.16 ID:kxNd7.SO
小学校時代の彼は正に空気だった。
学校では誰とも喋らず、誰とも接触しない毎日を送っていた。

そんな人生淋しいじゃん。
そう思う。

だから彼はスイミングスクールに通っていた。
きっかけは親に奨められたのだが、いつしかそこは彼のオアシスになった。
毎回黙々とプールを泳ぐ。
コーチの言う事を素直に聞いて彼はメキメキと上達して行った。

389: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:39:55.53 ID:kxNd7.SO
そして、家で一人で漫画やアニメを見る。

凄く心地好い時間だった。
彼は物語を見る事で現実逃避をしていた。
それで十分満足だった。

が、彼はふと思う時があった。

物語の中の主人公は輝いている。
友達もいて、学生生活を謳歌している。
自分には無い。
友達も特殊能力も・・・

いつか・・・いつか自分にも欲しかった・・・
主人公じゃ無くても良い・・・
脇役でも良い・・・

だけど・・・仲間が欲しい・・・

そう思い続ける毎日でもあった。

390: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:41:42.32 ID:kxNd7.SO
夏休み前のある日、彼の学校でクラス対抗の水泳大会が有った。

空気の様な存在の彼だが、水泳には自信がある。

だが、元来の目立たない性格から彼は水中ポートボールの一員にしか選ばれなかった。

それでも彼は文句は言わない。
良いんだ。
自分は目立てる奴じゃ無い。
リレーなんかは目立つ奴が出るべきなんだ・・・

そう思っていたのであった・・・

391: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:43:30.43 ID:kxNd7.SO
水泳大会当日、リレーの一員が急遽風邪をひいて休んでしまった。
そして、誰かが代わりに出ないといけない。
クラスのリーダーが言う。

リーダー「誰でも良いから一人決めようぜ、俺がアンカーやるから絶対に勝つよ」

そう言われジャンケンで森君に白羽の矢が立った。

リーダー「森かよ・・・お前大丈夫かよ・・・」

そう言われたが、リーダーは仕方ないと思ったのか続けて言った。

リーダー「良いか?とにかく遅くても良いから25m泳ぎ切れ!分かったな?」
森君「・・・うん」

392: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:45:35.13 ID:kxNd7.SO
水泳大会は始まり、最後の大詰めで有るクラス対抗のリレーが始まった。
大声の歓声が聞こえる。
彼のクラスはビリだった。

リーダー「何してんだよ!!!!」

リーダーが叫んでいた。

ビリのまま四番手の森君に回って来た。

リーダー「森ー!!!足着くなよ良い・・・」
ドボーン!!

その言葉の途中で森君は見事な飛び込みで、水中に潜った。

そして浮かび上がると凄いスピードで周りを抜いて行く・・・!

一気に二位まで上がった・・・!!!

393: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:48:00.49 ID:kxNd7.SO
全員が呆気に取られる中、五番手代わった・・・!

森君は後ろに下がりリレーの続きを見つめる。
五番手は・・・早速三位に下がってしまった・・・
そして、最後のリーダーがアンカーになり、追い上げる・・・!

歓声がマックスに成った・・・
リーダーが二位に上がった・・・!

が、今一歩の所で二位に終わってしまった・・・!

全員が「あ~~・・・」

と言う歓声が上がるが、プールから出たリーダーを褒めたたえた。

394: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:51:04.97 ID:kxNd7.SO
いや、違うじゃん。
森君は思った。

俺じゃねーの・・・?

森君はそう思うが、誰も森君の側に来ない。
まるで自分一人、別世界に居る気がした・・・

その事で益々森君は誰とも接触しなくなった。

所詮・・・自分は脇役にすら、成れないんだ・・・
森君はそう思い、好きだった水泳も辞めた。

そして、家で漫画を読み、漫画を書く生活を始めたのだった・・・

395: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:54:12.79 ID:kxNd7.SO
中学生に成っても、その生活は変わらなかった。
学校では一人ぼっち。
家に早く帰りたい・・・そう思う毎日であった。

中二に成っても彼の生活は変わらない。

一生・・・・このままなんだろうな・・・
彼はそう思っていた・・・・

中二の一学期だった。
彼が休み時間に漫画を書いていると、いきなり声を掛けられた。

「それ、何?」

顔を上げるとクラスの委員長の福田君と、その友達の板倉君だった。

396: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 09:58:25.11 ID:kxNd7.SO
板倉「すっげえwwwwwwちょーウメーwwwwww」
福田「本当だww森君スゲーなwwww」

二人は興味津々で言って来る。
初めて声を掛けられた。
いつもは皆、気持ち悪がって声を掛けない。

二人はそれからずっと森君に質問しっぱなしであった。
彼は生まれて初めて興奮して自分の事を話し続けていた・・・

それから毎日、彼は二人に接触する機会を探っていた。
だが、二人は気が付かない。
無視している訳では無い事は理解出来た。

397: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 10:00:48.44 ID:kxNd7.SO
単純に二人は気にしていないのだ。
多分話し掛ければ話してくれる。
ただ、話し掛けられなければそれまでなんだ。

森君は話し掛けよう・・・そう思った。

だが、出来なかった。
今までの人生の中で自分から話し掛ける事が無かったからだ。

話し掛けよう・・・

そう思う毎日の中で・・・
いつしか、時間だけが過ぎて行った・・・

そして、彼に諦めと言う言葉が生まれたのであった。

398: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 10:04:06.84 ID:kxNd7.SO
夏休み前のある日。
彼はいつもの様に朝起きて学校に行く。

ジリジリと太陽が照り付け、学生達はもうじき来る夏休みにワクワクしているのが分かった。

だが・・・

自分はワクワクしていない。
全くしていない。
ただ唯一救いなのは学校に行かなくても良い事だ。

学校で空気の様に堪えなくて良い事だけだ。

なんてマイナス方向の学生生活なんだろう・・・
森君は思った。

399: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 10:05:50.13 ID:kxNd7.SO
周りの学生がワクワク感で一杯の中、自分はホッとしているのだ。
人に会わなくてホッとしている夏休みを送るんだ。

今までは、いつか・・・
いつか自分も青春が謳歌出来ると心の片隅に思っていた・・・

だけど、
だけど来ない。

そんなチャンスは来ない・・・

一生・・・来ないんだ・・・!

400: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 10:07:49.78 ID:kxNd7.SO
森君はそう思うと涙が出て来た。
鼻の奥がツーンと成り、涙と鼻水が出て来た。

ヤバい・・・
こんな姿を人に見られたらヤバい・・・

そう思い涙を拭うが、止まらない。

分かってる・・・
自分が動かないといつまで経ってもこのまま、と言う事も分かっている。

だけど・・・
だけど・・・

森君は空を仰いだ。
夏の朝日は既に頭上の方にある。

大勢の通学する学生の中で、彼は一人空を仰いでいた・・・

401: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 10:10:05.63 ID:kxNd7.SO
チャンスが欲しい・・・
あの水泳大会はチャンスだった・・・
だけど無駄にした。

分かっている。
そんな事は分かっている。

だけど・・・もっと確かな・・・
もっと自分の手に掴める・・・チャンスが欲しいんだ・・・!

お願いだよ!!!
別に恋人とか凄い能力とか要らない!!!

ただ・・・
ただ、仲間が欲しいんだ・・・
一緒に笑って・・・
一緒に喧嘩して・・・
一緒に泣く・・・

そして・・・

一緒に喜びを分かち合える・・・

そんな仲間が欲しいだけなんだ・・・!!!!

402: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 10:11:28.54 ID:kxNd7.SO
・・・・
・・・・

彼の心の叫びが神様に届いたかどうかは知らない。

だが、この日彼に転機が訪れたのは確かだった・・・

「はーい、私達実行委員に立候補しまーすww」
「よし!!!!決まった!!!後はお前らが指名しろ!!!」

「じゃあ・・・板倉と・・・後一人は・・・」

403: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 10:12:39.65 ID:kxNd7.SO
以上、森君編第一部完

第二部はまた書きます

そして俺は寝ます

またねー

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404: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/27(火) 10:14:18.58 ID:rHzwzBEo
おやす~
森君wwktk

406: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/27(火) 10:50:06.27 ID:ZqCjWzAo
匂い付き消しゴムは子供が口に入れても呑み込まないように
「苦味剤」ってのが入っている場合があるから、すごく苦いので
食べないように!!

じゃ、ROMるわ

409: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 12:59:16.46 ID:kxNd7.SO
原付が盗まれてた・・・orz
誰だよ早く返せよチクショー・・・お陰で寝ずに被害届出しに行ったわ・・・

410: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/27(火) 13:00:54.51 ID:kxNd7.SO
俺も警察に行ったら妙に緊張してヘラヘラしちゃったよ・・・

誰でも良いから返して下さい
ガソリン満タンにするんじゃ無かった・・・

411: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/27(火) 13:19:42.11 ID:vI1ElJk0
福ちゃんwwwwwwwwwwwプギャーwwwwwwwwwww
サトミに慰めてもらえwwwwwwwwwwwwwwwww

413: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/27(火) 23:40:10.72 ID:nWtzNhk0
福ちゃんドンマイwww
サトミと出会えた事でだいぶ幸運使ってるから、ある程度の苦難は覚悟しとけwwwwwwww

416: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 18:15:38.86 ID:nxaODASO
のっそり投下します
第二部開始~

417: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 18:17:55.79 ID:nxaODASO
森は田舎道を自転車で走っていた。
熱い日差しが自分に降り注ぐのが分かった。

「森くん・・・ハアハア、ハエーよ・・・ハアハア」

後ろから板倉君が息を切らしながら自転車でついて来る。
森自身も少し限界が来ていた。
目の前に小さな駅舎が見える。
そこには軽くうなだれている福田君と石原さんの姿が見えた。

終わったのか・・・?

森が少し離れた場所に自転車を停めて駅舎を見つめる。

418: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 18:19:47.50 ID:nxaODASO
板倉君もゼーゼー言いながら森の隣に自転車を停めた。
二人はしばらく黙って駅舎を見つめていた。

遠くから単線電車がやって来た。
それが駅にゆっくりと入って行く。
福田君と石原さんは立ち上がり、そして石原さんが電車に乗った。

電車は入って来た時と同じ様に駅からゆっくり離れて行った・・・

福田君はしばらく佇んでいたが、駅のベンチに腰掛けた。

419: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 18:22:33.85 ID:nxaODASO
森は慌てて自転車を走らせ様としたが、板倉君の手が森の自転車を掴んだ。
板倉君は森の方を見る事無く、ただ黙って福田君を見つめていた。

森の胸が少し締め付けられた。
目の前で仲間が失恋をした。
中学時代にも同じ様な気持ちを味わった覚えがある。
あの時は間に合わなかった悔しい気持ちだけだったが・・・
今の気持ちはもっと締め付けられる思いだ。

空を見上げた・・・

そんな思いとは別に夏の太陽は照り付け、セミはミンミンと五月蝿く鳴り響いていた・・・

420: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 18:24:57.38 ID:nxaODASO
夏が終わり秋が来る。

相変わらず福田君は教室で一人物思いに耽っていた。

板倉君「ある意味、あそこまで出来る奴は凄いな」
森「もう、自分が堪らなく好きなんだろうね」

二人はそんな福田君を見ながら呟いていた。

板倉君「なんかでも、スゲエムカつく」
森「だねえ、イライラするよね」
板倉「うわ、遠い目をしだした・・・殴って良い?アイツ殴って良い?」
森「良いんじゃない?もう11月だしね」
板倉「何ヶ月引きずるんだっつーの」

421: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 18:27:16.35 ID:nxaODASO
板倉君は立ち上がると、福田君の側に行き肩パンチをする。

福田君「イタッ!!!なにすんだよ!!!!」

二人は小競り合いを始めた。
森はそれを見て笑った。

あれは板倉君の優しさだ。
ああする事によって福田君の鬱憤を吐き出させている・・・

だよな?

まあ、どっちでも良いかww
楽しけりゃww

森は二人を見つめていた・・・

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422: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 18:30:09.87 ID:nxaODASO
森に取って福田君と板倉君との出会いは最高の出来事だった。

三人でつるむ様に成ってから森のオドオドは消えた。
そして、物怖じもしなくなっていた。

二人に出会えたからだな・・・

森は自分をわきまえていた。
自分が主役に成れない事を知っていたのだ。

でも良い。
あの日、あの夏休みの前の朝に願った。
脇役でも仲間が欲しいと・・・
叶っている。
願いは十分に叶っていた。

そして幸せだった・・・

424: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 18:31:31.77 ID:nxaODASO
秋が終わり冬に成った。

季節が変わっても三人は相変わらず馬鹿な毎日を送っていた。

クリスマスに板倉君が女の子三人と約束をして、六人でクリスマスパーティーをする事に成り、男三人はドキドキしながら森の部屋にクリスマスパーティーの飾り付けをした。

板倉君「そこ、もっと明るい色多めに使え!!!」
福田君「一応、サンタのコスプレとトナカイのコスプレを買って来たぞ!!!」
森「クラッカーは20個で足るかな???」

425: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 18:33:54.05 ID:nxaODASO
そして迎えたクリスマス当日。
女三人は「お腹が痛くなった」と言う理由でパーティーには不参加を示した。

男三人でコスプレをして、ケーキを食べクラッカーを鳴らした。
が、気分が収まらず板倉君の
「パイ投げしたくね?」
の発言をきっかけに女三人の所に余ったクリスマスケーキを投げに自転車を走らせた。

サンタ二名とトナカイ一名による夜の自転車走行は、まるで本物のサンタがプレゼントを運んでいる様であった・・・

426: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:00:19.56 ID:nxaODASO
結局、パイ投げが行われる事は無かった。
女の子の家の前で親が居る事に気が付いた三人はモジモジして一気にテンションが下がり、
トボトボ帰宅している最中に駅前のカラオケから女三人が学年のイケメン男三人で出て来た所を目撃したからだ。

森達三人はその後、全力で自転車を走らせ
真冬の海まで二時間かけてサイクリングに出掛ける事に成った・・・

427: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:01:41.33 ID:nxaODASO
正月は正月で初詣に出掛けた。
福田君のおみくじが「凶」が出て爆笑していた板倉君に「大凶」が出た。
福田君がそれを爆笑していたら、いつの間にか喧嘩に成り、
もみ合ったまま二人は神社の池に落ちた。

と、まあ・・・
いつもの様な毎日を送っていたのだった。

428: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:04:26.67 ID:nxaODASO
三人は三学期に入ると塾に通う事に成った。
きっかけは森が塾に行く、と言う事に成り、二人は暇なのか毎日、塾に付いて来ていた。

大手の塾と言う事も有り一緒に授業をモグリで受けていると、
どうやら二人も勉強に興味を示し、正式に塾に入り勉強をし始めた。
やはり受験を控えた身なので焦りが有ったのかも知れない。

今まで三人の中では森が一番勉強が出来たのだが、
三人で塾に通うに連れて、その順位は毎回変動する事に成った。
二人は本気で勉強に目覚めた様子であったのだ。
森も負けじと勉強を頑張る。
上手い相乗効果で三人はメキメキと実力を上げて行った。

429: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:06:09.56 ID:nxaODASO
塾に通い始めて三週間が過ぎた頃の事だった。

いつもの様に塾で授業の合間の休み時間、福田君と板倉君は塾の外に出て煙的な何かをムニャムニャしに行く。

森は一人で休憩所で缶コーヒーを飲みながらジャンプを読んでいた。
ワンピースおもしれ
そう思っていると突然、目の前に人の気配が有る。
チラリとソチラに目をやると女の子が一人立っていた。

430: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:07:42.90 ID:nxaODASO
胸が大きい・・・!僅か0.03秒での判断で、そう判断した。

そして次にスカートから見える太ももに目をやる。
ふむ。
良いラインだ。
そして彼は後悔した。

しまった・・・デジカメはカバンの中だ・・・!

痛恨のミスだった。

彼がそのミスを反省している最中でも、その女の子は森の側に立っていた。

ん?

森が怪訝に思っていると女の子が突然喋り掛けて来た。

431: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:10:03.08 ID:nxaODASO
女の子「あの・・・」
森「はい・・・?」

森が恐る恐る答えると、女の子は少しモジモジしながら手を差し出し

「食べて」

と小さな声で呟いた。

森「え?」

森が見ると、その右手にはチョコレートがあった。

森「あ、どうも・・・」

森はなんでチョコ?
と思いながら受け取る。

女の子「あの・・・名前教えて下さい・・・」

女の子はそう恥ずかしそうに呟いていた・・・

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432: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:11:50.10 ID:nxaODASO
チョコを受け取り女の子が立ち去った後に森は思い出した。
今日がバレンタインデーだと言う事を。

そうか・・・バレンタインデーか・・・

森がそう思っていると福田君達が戻って来た。

板倉「てか、ロングピースなんて持ってくんなよ!!まだ頭がクラクラするわ!!!」
福田「しゃーねーだろ!親父の部屋にそれしか置いてねーんだから!自分で買う金ねーから仕方ねーよ!!」

いつもの小競り合いが聞こえる

433: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:13:39.63 ID:nxaODASO
ボーッとしている森に気が付いた板倉君が聞いて来た。

板倉「どうした、森く・・・」

話し掛ける途中で言葉を止めて、森の手に有る物を見た。

板倉「ふわあああああああ!!!!ふ、ふくだああああああ!!!!!」

板倉君が叫ぶ。
それに気が付いた福田君も板倉君が指差す方を見る。
そして目を開け叫んだ。

福田「うわああああああああ!!!!!!!」
森「そうなんだよ、バレンタインチョコ貰ったんだ」

福田、板倉「なんで冷静なんだよ!!!!!」

434: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:14:56.39 ID:nxaODASO
森「いや、貰えば分かるけど以外に大した事無いよ」
板倉「今の発言、スゲエムカつくよ」
福田「え???誰???塾の子????」
森「うん」
福田「え???どんな子????」

福田君が興味津々で聞いて来る。
森は少し考え答えた。

435: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:17:17.69 ID:nxaODASO
森「胸が大きい」
板倉「ほー」
福田「え?いや、他には?」

森は顎に指を置き考える。

森「太もも・・・綺麗・・・」
板倉「太もも綺麗入ります」
福田「いや、他には・・・」

森「・・・胸が大きいー・・・」
福田「いや、さっき聞いたし、それ・・・」
板倉「それで充分じゃん」
福田「お前らの価値観で話すんの辞めろよ・・・顔とかの情報ねーのかよ・・・」

こうして、森の恋が始まった・・・

436: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/29(木) 19:18:35.75 ID:nxaODASO
とりあえず以上です

また続き書きます

437: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/29(木) 19:39:53.39 ID:2Ruil0g0
塾か…イイなぁー(´・.・`)

あぁ、イイ話しなんだけどなんか自分が情けなくなってきたorz

それにしても森のスカウターすげぇなww

0.03秒とかwww

440: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/29(木) 19:54:04.15 ID:m/SKuUDO
福ちゃんおつー!
森君の話なのに板倉に引かれるwwwwwwww
もしかして恋?///

444: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:12:23.51 ID:vZnlyESO
塾の授業が始まり、福田君と板倉君は森にどの娘か聞いて来る。
森のレーダーはすぐに反応して、前方に座る女の子を指差した。
それを見た福田君と板倉君は死んだ魚の目をし始めた。

あれ?あんまりだったのかな・・・?

いきなり板倉君が鼻糞をホジリ森の服に付け始める。
福田君はシャーペンの芯を小さく折って投げて来る。

福田「てか、マジでカワイイんだけど・・・」
板倉「しかも胸が大きい・・・」

二人はぶつくさ言い出した。

445: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:14:41.84 ID:vZnlyESO
板倉「てか、アレだ、ドッキリだぞそれ」
福田「ああwwあるあるwwww」
森「多分違うよ」

冷静な言葉に二人は黙った。

板倉「ああ・・・てか、なんでこんな盗撮野郎がモテるんだよー・・・俺なんかさー俺なんかさー・・・」
福田「俺はモテた事がある」
板倉「いつだよ!!!妄想だろうが!!!」
福田「ほら、言ったじゃんww海行った時のミユキちゃんww」
板倉「証拠がねーだろ!お前の場合、妄想かどうか分かんねーだろ!!」
福田「ああん???!!!言っただろーが!!!石原が俺に・・・」

福田君はそこまで言いかけて言葉を止める。

福田「いしはらー・・・」

そう言って机に伏した。

446: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:16:26.38 ID:vZnlyESO
板倉「どうすんだよ森君、付き合うの?」
森「いや、よく分かんない」
福田「いしはらー・・・」

板倉「なんで分かん無いんだよ??!!」
森「いや、俺付き合った事無いし」
福田「いしはらー・・・」

板倉「嫌々ww関係無いっしょ!誰もが最初は付き合った事ねーしww」
森「うーん・・・」
福田「いしはらー・・・」
板倉「うるせー!!黙って落ち込んでろ!!!」

講師「てか、お前らマジでウルセー!!!やる気ねーなら出てけ!!!」

447: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:18:03.53 ID:vZnlyESO
森は家に帰るとチョコを開けた。
小さなチョコで手作り感タップリのチョコであった。
食べてみると以外に美味しい。

森はチョコをくれた女の子を思い出した。

確か名前はミカと言ったはず。
同い年で近くの女子校に通ってるとの事。
思い出す内に森の心がドキドキして来た。

俺が・・・恋愛・・・?

まあ、いつかはするかも知れないと思っていたが、こんなに早くチャンスが来るとは思わなかった。

448: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11 :20:38.30 ID:vZnlyESO
自分に仲間がいて共に過ごすだけでも満足していた。
なのに、恋人まで・・・
少し怖くなって来た。

ラッキー過ぎやしませんか・・・?

それからの毎日、森はミカの事を考える日々だった。
学校ではボーッとする時間が増え、塾ではミカを探して目で追う。
たまにミカと目が合うとすぐに逸らしてしまった。
そして心臓がバクバクとする。
恋だ・・・
森は思った。

完全に恋ですぞこれは・・・

449: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:22:05.04 ID:vZnlyESO
板倉「で・・・?」
森「いや・・・これってどうしたら良いんだろ?」
福田「付き合えば良いじゃん!!気に入ってんだろ???」
森「いや、そうなんだけどさ・・・どうすんの?」

板倉「付き合って、って言えば良いじゃん!」
森「向こうから来てるけど、そう言う場合もそれで良いの?なんかおかしく無い?」

そう言われ二人は困った。
そう。
彼らは童貞軍団であったのだ。
そんな難題を吹っかけられても分からない。

450: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:25:55.68 ID:vZnlyESO
福田「じゃ、じゃあ向こうが言うのを・・・待つ?」

福田君がそう言って板倉君を見ると板倉君はスッと目を逸らした。

福田「なんで目を逸らす?」
板倉「逸らして無いよ、お前の目を見ると石に成るんだよ」

板倉君にそう言われ、福田君は板倉君の目を見ようと追い掛ける。

福田「ほーれほーれ」
板倉「辞めて、石に成るから」
福田「ほーら、目を開けてごらん」
板倉「ダメ、ホントにダメ」

二人が遊んでいるのを尻目に森は本気で悩んでいた・・・

451: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:27:43.37 ID:vZnlyESO
それから何もせず、何のアクションも起こらず、日々は過ぎて行った。

たまに塾で目が合ったらお互い会釈する。
それ位の接触であった。

てかさ・・・

なんかアクションしよーよ!!!
どうして良いか分かんねーよ!!!

森は困っていた。

452: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:28:38.09 ID:vZnlyESO
ある日いつもの様に休み時間に福田、板倉コンビはまた塾から出て煙的な何かを吸う。

森は一人自販機で飲み物を買おうとした時にバッタリとミカに会った。

森「あ・・・こんちわ・・・」
ミカ「・・・こんちわ・・・」

二人はそう言って、そのまま沈黙に成る。

453: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:30:15.36 ID:vZnlyESO
ヤバい・・・なんか話さないと・・・

森は思った。

森「あ、なんか・・・買うの?」
ミカ「あ、うん・・・」

そう言って二人は再び沈黙・・・
するとミカが笑い出した。
森も笑う。

ミカ「なんか、笑ってしまうww」
森「妙な緊張感が有ったねww」

二人は笑う事でグッと緊張感が取れた。

森「え?ミカちゃんはどこの大学狙ってんの?」
ミカ「私はねー・・・」

そのまま二人は会話に華を咲かせた。

454: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:31:37.69 ID:vZnlyESO
休み時間の終わりのベルが鳴り二人は教室に戻る。
すると教室には福田君と板倉君が待っていたのであった。
二人は黙ったまま前を見ている。

いつも三人並んで座っていた。
この日は真ん中が森であった。

見られたのか・・・?

森がドキドキしながら席に着くと二人が言った。

「どこに居たんだよ?探したぞ」

その言葉に森はホッとした。

良かった・・・見られて無かった。

455: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:33:07.10 ID:vZnlyESO
森「うん、トイレだよ」
板倉「へー・・・ミカちゃんと見つめ合いながら?」

ギクッ。

福田「そうかー・・・ミカちゃんはA大学を目指してんのかー・・・」
森「・・・見てたのか・・・」
福田、板倉「何がぁ?」
森「市ね!!!!」

福田「まあまあ、怒んなってww森君、俺良い事を聞いたんだよww教えてやろうww」
森「何?」

森は憮然として言った。

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456: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:34:11.53 ID:vZnlyESO
福田「あのな、知ってた?この世にはホワイトデーと言うのが有ってだなあ・・・」

その言葉に憮然としていた森が福田君を見る。

福田「それ・・・使えね?俺、凄くね?」

確かに・・・森は思った。
てか、何故に俺らはそれにもっと早く気がつかん。

森「良い!!!やるな!!!」
板倉「いや、それほどでも・・・ww」
福田「なんで勝手に手柄にすんの?」

457: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:37:12.11 ID:vZnlyESO
次の日に森の家に集まり、何を買うか相談をした。
ああでも無い、こうでも無いと意見が出たがまとまらない。
そりゃそうだ。
三人共女の子にプレゼントをした事が無い。

結局、翌日に三人でイロイロ見に行く事にした。

翌日繁華街に三人は降り立った。

板倉「さて・・・どこに行く・・・?」
福田「小物屋とか・・・」
森「下着」
福田「いや、森君アグレッシブ過ぎ」

板倉「良いかも」
福田「ええ???」
森「だろ?」
福田「いや、お前らゼッテー間違ってるって」

福田君の止めるのも効果が無く三人で下着屋に行った。

458: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:39:31.49 ID:vZnlyESO
板倉「見ろ!!!デケエ!!!デケエブラジャー!!!」
森「板倉君それちょっと胸に当ててみて」
福田「辞めろってマジで・・」

福田君はキョロキョロしている。

板倉「あ、なんかヤバい・・・癖になるかも」
福田「なるなよ」

森「板倉君、似合ってるよ・・・」
福田「どう見ても似合って無いじゃん・・・」

板倉「あ、この色なんか俺に合うかも」
福田「趣旨違うしさあ」

森「うん、その色良いね」
福田「いや、お前、もう眼鏡の度を変えろよ」

結局、三人は女店員にやんわりと、つまみ出された。

459: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:41:02.34 ID:vZnlyESO
板倉「福田が挙動不審なんだよ」
福田「俺のせいかよ!!!」

二人が小競り合いを始めた時に森は小洒落た小物屋に目をやった。
福田君はそれに気が付き言った。

福田「あ、ここなんか良いかもね」
森「うーん・・・でも・・・」
板倉「あー、そうだな」
福田「え?何?」

森、板倉「入るのが・・・恥ずかしいな・・・」
福田「いや、もうお前らの言ってる事が分かんね」

結局、福田君に強引に連れて入られて、イヤリングを買う事に成った。

460: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:43:25.55 ID:vZnlyESO
森はそれをホワイトデーの日にミカに渡した。

ミカ「え?何・・・」
森「あ、いや・・・バレンタインのお返し・・・」
ミカ「あww可愛いイヤリングww・・・良いの・・・?」
森「うん、趣味合って無いかもだけど・・・」
ミカ「ううん!大丈夫、凄く嬉しい!ありがとう・・・!」

ミカは本気で喜んでいた。

その風景を隠れて見ていた福田君と板倉君がコッソリ握手をしていたのを森は知らなかった・・・

461: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/30(金) 11:44:33.75 ID:vZnlyESO
以上です。すみませんが、まだ続きます

なんか昔を思い出して書いてたら懐かしく成って、これも、あれもって成ってきた

ダラダラ長くてすみません

462: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/30(金) 11:47:53.35 ID:1XyX3Ioo
福ちゃん乙ー
いいよいいよ~
読んでて楽しいよっ!
次もwwktkして待ってるよ!!

465: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/30(金) 12:59:51.88 ID:dTPnLlI0
相変わらず読んでしまうわー。
「いしはらー」ウケたwwww

473: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:16:21.96 ID:vuJwLYSO
冬が終わり、暖かな日差しが現れる。

春休みに成って森はミカと二人で出掛ける様に成った。
結局、ハッキリとした告白は無いまま付き合う形の恋が始まったのであった。

二人で勉強したり、遊園地に行ったり、映画に行ったりもした。
毎日がドキドキとワクワクの連続であった。

三年生に成っても、そんな日々が続く。

474: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:18:09.14 ID:vuJwLYSO
板倉「高三に成っても恋愛してると受験失敗するよ」

板倉君は毎日の様にそう言って来る。

福田「俺は石原以外眼中にねーし」

聞かれてもないのに福田君はいつもそう言っていた。

森は少し二人が自分から離れてしまうのじゃ無いかと心配したが、そんな事は無かった。
二人は概ね森の恋を応援していた。
デートのプランや服装等も一緒に考えてくれるし、電話の内容とかを、よく聞きたがっていた。

まあね、実際は森君を通じて擬似恋愛を楽しんでたんだけどね。

475: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20 :20:41.61 ID:vuJwLYSO
森はコンタクトに変えた。
ミカから
「眼鏡が無い方がカッコイイよ」
と言われたからだ。

それを福田君と板倉君に話した時に板倉君が
「へー」
と言いながら眼鏡を踏み付けた事もコンタクトに変えたきっかけだった。

森はそれでも仲間と彼女に囲まれて幸せな日々を送っていた・・・

ある日、森はミカに
「私の家で勉強しない?」
と言われた。
そう言われた瞬間、森は鼻血が出そうに成ったが落ち着いた声で、
「それも言いかもね」
と呟いた。

476: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:22:36.40 ID:vuJwLYSO
その事を二人に話す。

福田君は何故か頭を抱えてブツブツ独り言を言った後に、ぎこちない笑顔で

「お、落ち着いてな・・・!」

そう言っていたが、拳を握り締めていた。

板倉君は

「お兄ちゃん、落ち着いて!!!私は構わないから!!!今のままで構わないから!!!」

と訳の分からない事を口走っていた。

だが、最終的には二人共

「感想を・・・感想を教えて下さい・・・」

そう言っていた。

477: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:24:14.77 ID:vuJwLYSO
森はミカの家に向かう。

この頃には二人は手を繋ぐ様に成っていた。
ミカは常に森の左側に立つ。
女の子がそんな事をこだわるのを初めて知った。

ミカの部屋に到着すると、ミカが「入って・・・」そう言う。
森は「お邪魔しまーす」そう言うが反応が無い。

ミカ「あ、今日は誰もいないから」

ミカの言葉に森は既にオーバーヒート寸前だった。
生まれて初めての女の子の部屋に入った時、良い匂い過ぎて死にそうであった。

478: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:25:41.25 ID:vuJwLYSO
そして、その日森は生まれて初めてのキスをした。
結局、その日はキスだけだったが、何回も何回もキスをした。

「キスだけで充分なネタになる」

これが彼が後に残した名言であった・・・

それから会えば毎回、二人はキスをする。
塾でもキスした事が有った。

そして二人が肌を重ね合う時間まで、そう掛からなかったのだった・・・

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479: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:27:51.75 ID:vuJwLYSO
森はミカを連れて福田君と板倉君と遊んだりした。
ミカの高校の女の子を紹介したりもした。
だが、いつも二人は失敗に終わった。

福田君はすぐに女の子の前で遠い目をするし、板倉君はエロい事ばかり言う。

森はどうにかして二人に彼女を・・・
と思ったがことごとく失敗に終わった。
ハードルたけえ・・・
森は痛烈に感じたのだった。

まあ、友人二人は置いといて森は凄く幸せだった・・・

480: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:29:57.45 ID:vuJwLYSO
・・・・

夏の日差しが出始めた頃の事だった。

森とミカは図書館での勉強を終えて家路に着こうとしていた。

森「やっぱ私学一本で行こうかなー」
ミカ「森君の学力なら一応公立も受けた方が良いんじゃない?」

そんな話をしながら駅に立っていると突然、後ろから声が聞こえた。

「ミカ・・・?」

二人が振り返ると中々のイケメンが立っている。

481: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:31:42.45 ID:vuJwLYSO
なんだコイツ・・・馴れ馴れしい・・・

森がそう思っているとミカが呟いた。

ミカ「トモ・・・君・・・」

トモ君?
ミカの顔はビックリした表情を浮かべている。
森の頭に危険信号が鳴りはじめた。

トモ「久しぶり・・・」
ミカ「うん・・・」

二人はまるで森が存在しないかの様な雰囲気を醸し出していた。

482: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:33:05.62 ID:vuJwLYSO
ミカ「戻って来たんだ・・・」
トモ「うん・・・大学がこっちなんだ」
森「へー」

思い切って参加してみたが、勿論無視された。
トモはやっと森に気が付いて、森に軽く頭を下げた。
森も返礼する。

トモ「じゃ・・・また、携帯変えて無いよな?」
ミカ「・・・うん」

トモはその答えに頷くと、もう一度森に頭を下げて去って行った。

483: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:34:53.55 ID:vuJwLYSO
トモが去った後に森は何でも無い様な感じでミカに聞いた。

森「誰?」

森の問いにミカは少し目を逸らしたが、森の目を真っすぐに見つめて笑った。

ミカ「妬かない・・・?」
森「餅は生で食う方が美味い」

森の答えにミカは笑う。

ミカ「前の・・・彼氏・・・」

まあね。
想像はつきましたよ。

ミカ「ビックリしたーww一個上の先輩だったんだけどねwwまさか出会うとはww」

ミカは本当にビックリした表情を浮かべていた。

森は少し安心していた。
ミカが正直に言ってくれたからだ。

484: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:39:07.05 ID:vuJwLYSO
ミカ「ゴメンね・・・嫌な気分にさせたね・・・」
森「大丈夫だよww」

森はそう言って笑った。そうだ大丈夫だ。
今のミカの彼氏は俺だ。
自信を持て・・・

だが、少しだけ引っ掛かりを覚えたのはトモが最後に残した一言であった・・・

「携帯変えて無いよな・・・?」

それからも、特に二人の間に波風は立たなかった。
森も敢えて何も聞かない。

486: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:40:22.24 ID:vuJwLYSO
ただ、不安に成り福田君と板倉君にはその事を言った。

福田「大丈夫だって、ミカちゃんはお前の事を好きだからww」
森「だよな・・・」
板倉「・・・やってたんかな・・・」

その発言に福田君は板倉君を蹴る。

板倉君は「痛い、辞めて・・・」
そう言って亀の様に丸く成っていた。

森は笑っていた。
気にしないと言ったら嘘だが、過去の事を今更とやかく言っても仕方が無い。

過去の事を・・・

487: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/10/31(土) 20:41:36.63 ID:vuJwLYSO
すみません、書き溜め以上です
また続きを書きます

今日は今からサトミと竜也と三人で飯に行きます

じゃあね!

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494: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/02(月) 03:59:21.23 ID:OrhEmYE0
森くんがなんでカズミの時
あんなに怒ってたのかと思ったら
やっぱりこういう過去があったからなんだね…。

497: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:05:03.42 ID:ulzWtsSO
梅雨の季節はジメジメして鬱陶しい。

板倉「あー・・・雨ウザいわー・・・」
福田「だなー気分が萎えるよなー」
板倉「甲子園目指してたら切れてるよな」
福田「意味は分からんが、まあニュアンスは分かる」

二人がいつもの様に学校の別棟で昼休みにグダグダしていた。

板倉「期末テスト有るなー」
福田「どうせ受験勉強してるから無しにして欲しいよな」
板倉「今日どうする?森君はデートかな?」
福田「さあ?」

そんな話をしている時に森がやって来た。

498: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:06:34.25 ID:ulzWtsSO
森「コロッケが売り切れだったよ」
福田「ああ、ラグビー部の奴らだろ?アイツら一年使って買い占め過ぎなんだよ」
板倉「俺らでコロッケ作って来てラグビー部に売るか?」
森「それ儲かりそうだな」

三人で下らない話をする。

福田「今日森君デート?」
森「うん」
板倉「森君浪人したら俺らに敬語使わせるから」
森「大丈夫。図書館行って勉強する事に成ってるからww」

499: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:09:21.20 ID:ulzWtsSO
福田「良いなー・・・ちきしょー俺も青春してーよ・・・なんも無いまま高校生活終わっちまうよ・・・」
板倉「大丈夫だ。終わったのは高校生活だけじゃ無いよ」
福田「人生か!!!人生終わってんのか!!!ちきしょー!!!!」

森「あ、俺、次の授業体育だ。行くよ」
福田、板倉「バイバーイ」
森「うん、お疲れ」

森が別棟から出て行く。

福田「はー・・・良いな・・・」
板倉「だなー・・・なあ、今日街に行かない?靴買いたいんだよ」
福田「野郎二人でショッピングかよ・・・泣けて来るな」
板倉「しかし森君はモテるな、一年の女からも告白されたしな」
福田「俺もモテた事有るよ海で」
板倉「だからそれ本当に有った事なのかよ!!!」

500: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:11:22.39 ID:ulzWtsSO
森は授業が終わると直接、図書館に出掛けた。
森が到着すると、そこにはミカの姿が無かった。

まだ早いか・・・
そう思い森は一人で勉強を始める。
すると森の携帯にメールが入った。

「ゴメン!今日は行けないです。ゴメンなさい」

そうメールが入る。
森はガッカリした。

けど仕方ないな・・・
そう思い一人で勉強を続けた・・・

501: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:13:26.17 ID:ulzWtsSO
福田君と板倉君は街にショッピングに来ていた。

福田「雨降ってる日になんで買い物行くんだよ」
板倉「こう言うのは気分が乗った時に行くもんだ」
福田「余計ブルーだよ」

板倉「どうする・・・手・・・繋ぐ・・・?」
福田「え・・・?い、良いのかよ・・・///」
板倉「う・・・うん・・・///」

二人は・・・
手を・・・

繋ぐ代わりにほっぺをツネり合う。

福田「痛いな、このヤロー・・・」
板倉「やりやがるな、このヤロー・・・」

502: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:14:45.52 ID:ulzWtsSO
板倉君とじゃれている時に福田君の目に見覚えが有る人間が映った。

福田「あれ・・・ミカちゃん・・・?」

その言葉に板倉君も振り返る。
そこにはミカが立っていた。

福田「アイツら勉強せずに、青春しやがって・・・俺は板倉の馬鹿と二人切りなのに・・・」
板倉「待て・・・誰だあれ・・・」

板倉君の言葉にミカの隣に立つ人物を見た。
背が高いイケメンがミカの隣で笑ってる。

503: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:16:22.88 ID:ulzWtsSO
福田「・・・え?」
板倉「ふむ・・・」

板倉君が福田君の肩を叩く合図で二人は走って木陰に隠れた。
なんで隠れるかは分からない。

だが、見つかったらヤバい、その気持ちが湧いていた。
高校生二人が木陰に傘を差しながら隠れている。
通行人がジロジロ見ていくが二人は気に成らなかった。

それより目の前に居るミカとイケメンが気に成った。
ミカ達笑って何かを話していた。
何を話しているかは分からない。

そして二人はそのまま歩いて繁華街に消えて行った・・・

504: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:18:02.95 ID:ulzWtsSO
板倉「・・・お兄ちゃん・・・イケメンだな」

帰りの電車で板倉が呟く。
ミカ達を見失った後に、福田君達は靴も買わずに慌てて電車に乗ったのだ。

福田「・・・うん?あれ・・・お兄ちゃん・・・?」
板倉「・・・お兄ちゃんだろ・・・」
福田「・・・うん、だよな・・・」

二人はそのまま黙り込んだ。

「おえっ・・」

福田君が青い顔をして吐きそうに成っていた。
板倉君も特に何も言わなかった。
いや、言えなかった。

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505: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:19:16.98 ID:ulzWtsSO
その夜、福田君は家のベッドで一人悩んでいた。

彼は初めてああ言う現場を見た。
確かにドラマとかでは、よく有るシーンだ。

だが、現実でしかも親友の彼女って・・・

福田君は再び吐きそうになる。

なんだよ・・・
自分の事じゃ無いのに・・・
いかん・・・
眠れん・・・

506: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:21:09.35 ID:ulzWtsSO
翌日、いつもの様に休み時間を別棟で過ごす。
森がアニメの話を始める。
福田君達は何も答えずにマットの上に寝転がり黙っていた。
森が喋り終えたと同時に福田君が呟いた。

福田「あのさ・・・」

福田君の呟きに板倉君はビクッとした。
そして福田君を見る。
福田君は下を向いて何かを考えていたがそのまま続けた。

福田「昨日さ・・・」

福田君が話し始めたので板倉君は立ち上がり、
「お、俺・・・トイレ・・・」
そう言って逃げようとするが福田君にズボンを捕まれる。

507: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:22:34.90 ID:ulzWtsSO
板倉君は諦めた様に再び腰を降ろした。

森「どうしたの・・・?」

森が恐る恐る尋ねて来る。
福田君は昨日見たあらましを森に告げた。
福田君は吐きそうに成っていた。

話を聞き終えた森はニコッと笑い告げた。

森「なんだwwそんな事かww」

その言葉に福田君と板倉君が顔を見合わせた。

森「それ知ってるよ~ww従兄弟の兄ちゃんだよww昨日こっちに来たから二人で買い物に行ってたんだよww」

その言葉を聞いた瞬間に二人は溜め息をついた・・・

508: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:24:05.21 ID:ulzWtsSO
板倉「なんだwwwwwwそうなんかよーwwwwww辞めろよー!!!」
福田「俺、昨日寝れなかったよwwwwwwしかも夜中に晩飯のハヤシライス吐いちゃったしwwwwww」

二人は心底ホッとしていた。
森も笑っている。
二人の重荷は一気に無くなった。

だが・・・
重荷は逆にもっと重くなり・・・
森の肩へとのしかかった・・・

昨日、ミカの所へ従兄弟なんか来てない・・・

福田君と板倉君がホッとして喜んでいる。
二人に重荷は背負わす訳にはいかない・・・

509: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:25:39.06 ID:ulzWtsSO
放課後、森はミカに会った。
いつもの様に図書館で勉強をする為だ。

ミカはいつも通り・・・いや、いつも以上に明るかった。
が、森に取って、それはやましさを消す為の物に見えて仕方が無かった。

勉強をしていても頭に何も入らない。
聞きたい・・・
昨日何をしていたかを森は聞きたかった。
勉強の合間に森は言った。

森「昨日さ・・・」
ミカ「・・・うん?」

ミカはノートに目をやりながら声だけで答える。

510: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:27:56.14 ID:ulzWtsSO
森「いや・・・一人で勉強・・・なんか集中出来なかったよ・・・」
ミカ「あwwゴメンね~A子が急に遊ぼうって言ったからww」
森「・・・そうか・・・え?どこで遊んだの?ミカの家?」
ミカ「ううん、A子の家」
森「へー・・・」

森はそれ以上聞けなかった。
帰り際に森がミカの手を繋ごうとする。
が、自然にスッ避けられた。
別れる時にいつも駅の陰でキスをするのだが、
ミカはそうする事も無く改札に消えて行った・・・

511: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:32:13.02 ID:ulzWtsSO
家に帰ってからも森の胸には裂けんばかりの痛みがあった。
モヤモヤ感が染み渡る・・・

最高に良い方向で考えれば・・・
ミカはA子の家に行く途中に、バッタリ友達に出会ってたまたま話し込んだ・・・
そして、別にそんな些細な事を自分に言う必要が無い・・

うん。
筋は通っている。

が・・・
何故手を繋ぐ事やキスを拒む?
分からない・・・

森は胸の奥から何かが込み上げて来る。
動悸が激しい。
考えれない・・・
辛い・・・
嫌だ・・・
なんでだよ・・・
なんで・・・
なんで一人の人を真っすぐに好きじゃダメなんだよ・・・

それで良いじゃないか・・・
なんでよそ見すんだよ・・・

森は側に有った本を掴むと壁に投げ付けた。
バサッと言う音と共に床に本が落ちる。
壁を殴る。

だが、そんな事では何も解決しなかったのだった・・・

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512: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:33:33.86 ID:ulzWtsSO
それから森は毎日、胸に痛みがあった。
何か別の事をしている時は忘れる・・・
だが、ふとした瞬間に思い出す。
そして辛くて叫びをあげたくなる。

ミカは段々よそよそしい態度を示す様に成っていた。
何がどうとは言えないが態度に現れている。

終わりなのかな・・・
森はそう思う。

終わりたく無い・・・
ミカと別れたく無い・・・
ミカが好きだ・・・

だが、そう思うと胸が張り裂けそうに成るのであった・・・

513: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:36:36.34 ID:ulzWtsSO
福田君と板倉君が毎日の様に言って来る。
「大丈夫か?」。
森はその度にとぼける。
「何が?」
二人は何も言わずに森を見つめるが、
「そっか・・・」
と言ってそれ以上は何も言わない。

二人に心配をかけたくない。
その気持ちと助けて欲しいと言う気持ちが両方有った。

毎日胸が苦しかった。
ミカに会わない時よりも会って素っ気ない態度をされる方が胸が苦しかった。

514: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:38:34.82 ID:ulzWtsSO
自分の考えすぎで有って欲しい・・・
実は自分の勘違いで有って欲しい・・・

何度もそう思う・・・
が、森には分かっていた・・・

現実なんだと言う事が・・・

天気予報でもうすぐ梅雨が明けると言っていたある日。
期末テストが終わり全員がホッとしている時に、森だけは心が晴れなかった。
一人憂鬱な気分であった。

515: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:40:38.41 ID:ulzWtsSO
森は家で一人でいた。
ミカはテスト明けに友達と遊びに行くと言ってたからだ。
それも多分嘘なんだろう。
疑い出したらキリが無い。
だが、そう勘繰ってしまう。
森は一人で家で泣き出した。

俺は何をしているんだろう・・・?

そんな気分が持ち上がり、どうしようもなくなって泣いてしまったのだ。

その時だった。

母親が福田君と板倉君が家に来た旨を告げた。
そして二人が部屋に入って来た。

516: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:42:07.69 ID:ulzWtsSO
板倉「ツイスターゲームやろうぜ!!!!!」
森「え・・・?」
福田「福引きで当てたんだよ!!!!俺、スゲエ!!!!」
森「・・・・」

板倉「あれ???知らない?ツイスターゲーム???」
森「いや・・・知ってるけど・・・男同士ですんの・・・それ・・・?」
福田「ああああああ!!!!!!それ禁句だろうが!!!!」
板倉「代わりばんこに女役すれば良いじゃん」
森「それで良いの?」

517: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:45:01.15 ID:ulzWtsSO
二人は準備を始める。

福田「じゃあ・・・女役のくじ引きします・・・!!!」
板倉「頼む!!!俺は男役か良い!!!」
森「いや・・・どっちも一緒じゃん」

女役は森であった。

福田「よっしゃー!!!!森君と当たります様に!!!」
板倉「バカヤロー!!!森君は俺とすんだよ!!!」
森君「なんかキモいから辞めて・・・」

森はそう言ったが笑ってしまった。
三人で馬鹿みたいにツイスターゲームをやった。

そして三人で馬鹿笑いをしていたのだった・・・

518: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:47:58.29 ID:ulzWtsSO
夜に成り二人は帰った。

帰り際に玄関で板倉君が呟いた。

板倉「あんまりさ・・・一人で悩むなよ」

森はビクッとした。

福田「仲間は・・・使えるだけ使えよ・・・」

二人はそれだけ言うと

「じゃあな!」

そう言って帰って行ったのだった・・・

森はその晩ベッドで考える。

519: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:50:51.10 ID:ulzWtsSO
俺は昔一人ぼっちだった・・・
学校で一人ぼっちに成るのが嫌で休みが嬉しかった。
毎日が空気みたいな存在だった。
彼女はおろか、友達や、クラスで喋る奴すら居なかった・・・
本当に自分の一生に嫌気が差した事もあった・・・

所が今はどうだ・・・

自分の事を本気で心配してくれる親友が居る。
そして彼女も出来て、トキメキやワクワク、愛おしい気持ちを知り・・・

そして今、張り裂けそうな気持ちまで知った・・・

充分じゃ無いか・・・

俺は充分に青春を味わってるじゃ無いか・・・
最初は失う物なんて無かった・・・
だけど、今から失おうとしている物を考えても・・・
何も問題無い・・・

俺には・・・”仲間”が残る・・・!

520: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:53 :20.05 ID:ulzWtsSO
翌日。

福田君は森からの電話で母親に起こされた。

福田「・・・もしもし」
森「ゴメン・・・寝てた?」
福田「タモさんが出るまでは起こすなよ・・・」
森「もうテレホンショッキング終わったよ」
福田「マジ???ヤベッ・・・」

森「昨日何時に寝たんだよww」
福田「1時」
森「寝すぎだろww」
福田「で・・・?どうした?タモさんから次のお友達として電話でも有ったか?」

521: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:54:55.05 ID:ulzWtsSO
森「うん・・・あのさ・・・」

森は一呼吸置いた。そして・・・

森「今からさ・・・別れて来るよ・・・」

その言葉に福田君は黙った。
そして眠気が覚めた声で言った。

福田「正直さ・・・」
森「うん・・・?」
福田「経験が無い俺からしたら・・・羨ましいよ・・・」

福田君の一言に森は笑った。

森「いつか、福田君にも分かるよww」

そう言って電話を切った。
そして森は出掛ける準備を始めた・・・

522: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:56:30.15 ID:ulzWtsSO
ミカが待ち合わせ場所に現れたのは、夕方に差し掛かる時刻であった。
ミカを呼び出した時、ミカは来る事に躊躇いを見せていたが強引に呼び出した。
森は何時間か図書館の前で待っていた。
待ちながらミカと逢瀬を重ねたこの場所で思い出に浸っていた。
そしてミカが現れた。

森「ゴメンな、強引に呼び出して」
ミカ「うん・・・」
森「こう言うのはさ・・・電話じゃダメかと思ってさww」
ミカ「え・・・?」

ミカは森を見つめた。
森はミカの顔を見つめると泣きそうに成った。

523: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:58:09.07 ID:ulzWtsSO
別れたく無い・・・

その思いが強く成る。
だけど・・・

森は空を見上げた。
紅く染まった入道雲が現れている。

夏だな・・・

森「悪い!実は好きな人が出来てさwwww悪いけど別れてくんないwwww」

そう言って手を合わした。

ミカ「・・・え・・・?」

ミカはビックリした表情をする。

森「いやあwwゴメンwwマジでww」

森は無理に笑う。
笑わないと泣いてしまいそうに成るからだ。

524: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 08:59:45.85 ID:ulzWtsSO
ミカ「・・・どう言うこと・・・?」
森「いや、どうもこうもさwwこう言う事だからww」

森は淡い期待を抱いていた。

「嫌だ」

と言って欲しかった。

「別れたく無い」

そう言って欲しかった。

だが・・・
そんな淡い期待は・・・
打ち砕かれた・・・

ミカ「そっか・・・じゃあ仕方が無いか・・・」

525: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 09:01:26.79 ID:ulzWtsSO
森はミカが図書館の前から立ち去った後、ゆっくり図書館から歩き出した。

そして、自嘲気味に笑う。

失恋か・・・
森は思う。

結構、ダメージ喰らうね。これは・・・

そして・・・泣いた。

ゆっくり歩きながら家路に着く。
森の家に向かう橋の前に到着した時に・・・

そこには福田君と板倉君がいた。

526: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 09:03:09.14 ID:ulzWtsSO
二人は自転車に乗り、そして板倉君の手にはケーキの箱が在った。

森「・・・・別れたよww」

森はそう言って笑う。

福田「うん・・・」

福田君はそれだけ呟いた。
板倉君は手に持っているケーキの箱を出した。

板倉「・・・パイ投げ・・・したくね?」
森「誰にww」
板倉「ミカ」

板倉君が笑いながら言う。
森も笑った。

福田「それか・・・今から二時間かけて海まで行ってケーキ食う?」

福田君がそう言って笑う。

森「・・・それが良いww」

527: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 09:06:38.67 ID:ulzWtsSO
三人は夏の夕日を浴びながら自転車を走らせる。

福田「なんだかんだ言いながら森君てもう童貞じゃ無いんだなー!!!!」

福田君は自転車に乗りながら叫んだ。

森「お蔭様でー!!」
板倉「良いよなー!!!モテる奴はー!!!」
福田「因みに俺も海に行った時にモテたー!!!」
板倉「しつけーよ!!!いつまで引っ張ってんだ馬鹿!!!」

福田「いや本当だってば!!!」
森「でも石原さんにはフラれたんだよねー!!!」
福田「いしはらー・・・」

板倉「凹むな馬鹿wwwwwwもう石原は忘れろwwwwww」
福田「はあああああ???なんでだよー!!!」
森「いやww無理っしょwwwwww」

福田「そんな事言って俺が石原と将来結婚するかも知れんぞ!!!!」
板倉、森「無い無いwwwwww」
福田「したらどーすんだよ!!!」
板倉「そん時は裸でパラパラ踊ってやるわwwwwww」
福田「結婚式でか???」
板倉「神父さんと一緒にな!!!」

福田「絶対だな!!!絶対だかんな!!!」
・・・・

・・・・
・・・・

暑い夏は・・・もう目の前であった・・・

528: 福田 ◆RzEettbBGE :2009/11/04(水) 09:08:52.33 ID:ulzWtsSO
以上です
さて、板倉にパラパラを踊って貰う事にします

じゃあね!

因みに竜也の恋愛話は余り知らないんで・・・

他に聞きたい話が有れば、可能な限り書いてみます

529: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/04(水) 09:14:03.90 ID:t74yjQDO
福田乙wwwwww
個人的には板倉の結婚式

530: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/04(水) 09:16:36.79 ID:sGCFnCEo
石原弟のその後など

539: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/05(木) 23:24:24.75 ID:1LSgZ2DO
竜也がどういう経由って言うか理由で福ちゃんの会社入ったか知りたいな

一度目と二度目とは違って三度目は竜也がいたからあえたみたいだしね

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