319:本当にあった怖い名無し:2014/01/01(水) 21:05:46.59 ID:F0E6L47+0
楠桂の漫画「鬼切丸」は全体的に後味悪い話が多い。
特に救いがなかったのが、人鬼甦という話。
鬼を退治することが使命の主人公に殺されかけた鬼が逃げ偶然居合わせた妊婦の胎児に寄生する。
その胎児は生まれ、会社を経営する裕福な家庭の長男として、
父、母、姉とともに幸せな生活を送る。
長男(以下弟)は、両親思い、姉貴思いの優しい性格で、
仲良し姉弟として学校、近所でも評判に。
姉弟が高校生になったとき、再び主人公の少年が現れ、
「やっと見つけ出したぞ」と長男に切りかかる。
額を怪我した弟は何のことだかわからない。姉弟が帰宅すると、家ではご馳走が。
「きっと父さんの会社にいいことがあったんだ」と言い合う姉弟。久々の家族団欒の夜を過ごす。
弟が自室で寝ていると外から異臭が。リビングに降りると、父親が姉の首を絞めている。
父親の経営する会社の資金繰りに行き詰まり、一家で無理心中を図ろうとしていた。
驚いた弟は、無意識に鬼の本性を発動し、両親を切り殺してしまう。
弟は、「姉ちゃんは俺が守る」と、意識を失った姉を抱きかかえ、廃病院に隠れる。
目を覚ました姉に何か食べさそうとするが、それが猫の死肉。
姉は驚くが、弟も自分が何を食べてきたが思い出せず、味覚がわからなくなっている。
そこに再び主人公が登場。姉に対して「こいつは弟ではなく、弟のふりをした鬼だ」と言い放つ。
爪が伸び、顔の半分が鬼の形相になり、自分が人間でないと自覚する弟。
涙ながらに「もう一度、自分を人間のときの名前で呼んでくれ」と姉に訴える。
「何言ってんの。あんたは私の弟よ」と泣きながら抱きしめた途端、完全に鬼と化して、
姉を食べようとする弟。その瞬間、主人公の刀・鬼切丸で鬼を一閃。
泣き叫ぶ姉に主人公は一言「鬼に女は守れない。鬼の愛し方は愛する者の肉を食べることなんだ。」
他にも悲惨な話が多いものの、だいたい多少のフォローがあるんだが。
これは全く救いがなかった。