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【お盆だから怖い話する】
僕の兄の友人にドイツ人ハーフの人がいてその人から聞いた話。
彼の祖父の若い頃のお話なんだけど、ベルリンの壁が出来る少し前のドイツで彼の祖父はラウフェンってとこに住んでた。
ある朝出勤しようと大通りのバスを待ってたら人混みの中で同僚を見かけたんだと。
同僚は、人混みの中を酷く虚ろな表情でふらふらと通りを歩いていた。道向かいから声をかけるも、聞こえてない様子だった。その時、祖父は気づいた。同僚の傍らに服の裾を引っ張りながらついて歩く5〜6歳くらいの子供がいたのだ。同僚を独身と知っていた祖父は「あいつ、子供いたのか?」と驚いた
しかし、その子供の格好が気になった。子供は葬式に行くような小綺麗な正装をしていたのだ。仕事着の同僚とその子供はミスマッチで、更に2人はお互いの事を気に留める様子もないまま人混みに消えていった。
祖父はその夜、原因不明の高熱で寝込み、翌日の仕事を休んだ。
熱が引いて仕事場に出た祖父は、同僚が自殺した事を聞かされた。妙な違和感を感じた祖父は他の同僚達に「あいつ、子供が居なかったか?」と聞いたが「まさか、そんなわけない。あいつは浮いた話の一つもなかったよ」と返される始末だった。
それからしばらくして祖父は似たような子供をしばしば見かけるようになった。行き倒れたホームレスの横や、トラックの荷台、駅のホームなど、色々な場所に。そして、その子供達は大体誰かのそばにいたり、誰かの服の裾を掴んでいた。そしてその事を気に留める者は誰もいない。
んなある日、仕事場に向かうため祖父は市内バスを使う事にした。バスのステップを上がった祖父は車内を見て驚愕した。
座席の乗客ほぼ全員の隣にそれぞれ暗い色の正装をした無表情の「あの子供たち」が座っている。嫌な予感がした祖父は降りようと振り向いた。
すると振り向いた先、ステップの下には、車内の子供達と似たような子供がおり、祖父を見つめながら無表情で祖父の服の裾を掴んでいた。その目の色は暗く、吸い込まれそうな色をしていたとのことだった。
祖父は慌てて手を振り払い、バスが出る前に降りた。顔を上げてバスを見て祖父は戦慄した。祖父は見た。窓際から無表情の子供達が一斉に自分を見つめる姿を。
バスは行ってしまい、祖父はただ見送るしか出来なかった。
この時、祖父には確信めいた疑惑が湧いていた。
その後だった。自分が乗るはずだった市内バスがフランケン線の列車と衝突して大事故を起こした事を。あのバスに乗ったたくさんの人が亡くなった事を。そして何も出来なかった祖父はそれを悔いたそうだ。
祖父はこういった。
「死神は鎌なんか持ってはいない。可愛らしい子供の姿をしているんだ。」
その後、祖父に「あの子供たち」は見えなくなったけれど、正装をした子供に気後れした反応してしまうと気恥ずかしそうに笑って言ってたそうです。
今でもあの1959年の6月は忘れられないと語りながら祖父は亡くなったそうです(終わり
【蛇足】バス事故の詳細はググっだら出てくるんで、知りたい人はどうぞ
参照元:よんのき @yonnoki