復讐話・修羅場

【スッキリする話】お客様は神様じゃない

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@doughimself

アルバイトの若い女性が客の中年男性に「土下座しろ!」と怒鳴られていた。しかしたまたま厨房から見ていた僕は「謝る必要なんてない」と言って土下座なんてさせなかった。「東京地裁で会おうな」と言って彼は去っていった。でも何もなかった。もう時効だから話してもいいかな。お客様は神様じゃない。

このツイート ↑↑ をカリフォルニア時間の夜に書いて就寝してカリフォルニア時間の朝に起きてみたら日本の皆様からあまりにも反響があったので正直驚いています。そこで少し背景も含めて説明させてください。

1. (本当にこんな客はいるのか?)
土下座を求める客なんて本当にいるのか? バズるための作り話ではないか? というコメントがありましたが、他のサービース業従事者の皆様がリツイートやコメント欄に書かれている通り、残念ながら答えは「はい、います😓」です。

2. (なぜそんなに激怒したのか?)
勿論その中年男性も理由なく激怒したわけではありません。その日、店の左側には生後数ヶ月の赤ちゃんを抱いた若いママが座っていました。

3. そしてアルバイトの若い女性がそのママの横を通り抜けようとした瞬間、赤ちゃんが何かを床にこぼしたことに気がついたママが慌てて立ち上がったのです。その際にママの椅子が勢いよくアルバイトにぶつかり、アルバイトがトレイに乗せて運んでいたコーヒーが宙に舞いました。

4. その日、たまたま厨房のヘルプに入っていた僕はそれを厨房から眺めていました。僕の角度からは全てが良く見えていて、そしてすべてがまるで映画のスローモーションのように見えました。

5. まあ、この続きはご想像の通りです。不幸にもそのこぼれたコーヒーのほとんどがその中年男性の腕に着地してしまったのです・・・ 若いママはあまりにもパニックに陥りそれこそ土下座して謝る勢い。ギャン泣きする赤ちゃん。真っ青になるアルバイト。もはやカオス。

6. 頭が床に着くのではないかと思うほどお辞儀をして謝る若いパパ。その隣でギャン泣きの赤ちゃんをあやすママ。しかし不可解なことに、その中年男性はその若い夫婦を完全に無視してアルバイトに向かって怒鳴り始めたのです。

7. 「土下座しろ!」と店内に彼の声が響き渡りました。そのタイミングで僕が厨房から出て行って彼に声をかけました。「私の店内でこのような状況を招いてしまったことに関しては真摯にお詫び申し上げます。

8. しかし不可抗力で起きてしまった事故に対して土下座を求めるのは場違いかと思います」と。そこから数分間ああでもないこうでもないというやりとりが続きました。

9. そして彼の最後の言葉が「東京地裁で会おうな」だったのです。

10. (那覇地裁か簡易か?)
コメントの中に、これは東京地裁ではなくて那覇地裁では、または地裁ではなくて簡易裁判所の管轄ではないか、というコメントも多くありましたが、ツイートの主旨はそこではありません。(笑)

11. (その後)
その中年男性が退店した後、その若い夫婦は本当に平謝り。そのご夫婦には無料でお食事をして頂きました。あのご家族が宮古島を好きになってくれているといいなと、今でも時々思い出します。

12. (アルバイトの女性)
そのアルバイトの女性は泣きじゃくってしまいもうその日は仕事にはなりませんでした。だから店の裏に連れていって少し話をしてそのまま帰宅させました。そんな彼女も今は若いママ。

13. (なぜ「時効」と書いたのか)
なぜ昨日のツイートに「もう時効だから」と書いたかというと、この事件が起きてから昨日でちょうど10年でした。そんな風に思い出していたので「時効」と書きました。何かの刑法を意識して書いたわけではありません。あの赤ちゃんももう10歳のはず。

14. (ツイートの意図)
昨日のツイートの意図はこの話に出てくる登場人物をdisるためのものではありません。どちらかというと就寝前にたまたま「もう10年か〜」と感傷的になっていたのと、サービス業に従事していると毎日がドラマのようだなとしみじみ考えていたからです。

15. (内緒)
「東京地裁で会おうな」と言われた僕は、実は、「えっ、私を相手にするのですか?」と思わず返答してしまったことは内緒にしておきます。(終)

参照元:https://twitter.com/doughimself/status/1524156323981529088

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