世にも奇妙な物語

【世にも奇妙な物語】噂のマキオ

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奈津子の通う高校では、人面犬やトイレの花子さんの噂が流行っている。しかし奈津子だけは、馬鹿馬鹿しいと噂を信じない。
ある日、弟の伸之の洗濯物を持っていくよう母に頼まれた奈津子は、彼の部屋に入る。そこで、「ウワサ」と書いてあるフロッピーディスクを見つける。フロッピーをパソコンに入れると、人面犬、花子さん、テレビの砂嵐を30分見ると死ぬなどの根も葉もない噂の文書が保存されていた。
ふと悪戯してみたくなった奈津子は、その文書ファイルに、自分で作った噂話を入力する事に。

「夜中に公園で一人で遊んでいる少年が居て『一緒に遊ぼう』と声をかけてくる。その少年の名前はマサオ…(マサオじゃ平凡過ぎるか…マキオにしよう…)『マキオ』といって、一緒に遊ぶと帰って来れなくなる。」

翌日、何故か奈津子のクラスや近所の子供達の間では、マキオの噂が広がっていた。
奈津子は弟が広めたのだと思い、弟を問いつめるが、弟はクラスの友達からその話を聴いたばかりだと話す。

奈津子が本屋で雑誌を読んでいると、子供たちがマキオに関する新事実を話している。すると、友達がマキオに捕まりそうになったという話をする。
本屋を出た時、研進塾の生徒がいなくなった話を小耳に挟む。そこに友達が現れて、マキオは奈津子が作ったと説明するが、「何バカな事言ってんの?」と誰も信じてくれない。

(マキオなんて元々居ないのよ…)

その日の夕刊にこの地域の小学生が行方不明になっているという記事が掲載されていた。夜になっても伸之が帰って来ない。奈津子は気になってウワサフロッピーを見てみると、マキオの情報が追加されていた。

・マキオとブランコに乗ってはいけない
・マキオの正体はむりやり塾に通わされて自殺した小学生らしい
・研進塾の子がマキオの犠牲になった
・マキオは普通のかっこうをしているけど、黒目がなく、目が時々光る
・マキオは友達を欲しがっている
・マキオがいることは、ブランコがゆれていることで分かる
・マキオのことは、もうみんな知っている
・マキオの噂を広めたのは誰だ。
・マキオの噂はもう全国に広まっている
……

(何よこれ!私知らないわよ!)
伸之の塾に電話した母親だが、もう三十分も前に塾を出ているという。まさかマキオに捕まってるわけじゃ無いわよねと心配する母親。奈津子は「探してくる!」と公園に向かう。

公園に到着する奈津子。誰も居ないのにブランコが大きく揺れている。ブランコの下には伸之の鞄が落ちていた。それを拾い上げた時、ブランコが止まり、マキオが現れた。奈津子に向かって手を差し伸べるマキオ。彼には黒目が無く、目は真っ白に光っていた。

「お・姉・ち・ゃ・ん・も・一・緒・に・遊・ぼ・う」

消えてしまう奈津子。

次の日からまた新しい噂話が小学生の間で広まる。
「女の子がまた一人消えたんだって」
「マキオが連れてったんだぜ」
「夜中にあの公園に行くと、その女の子が今でも立ってるって噂だよ」
「その女の子の名前知ってる?」
「『ナツコ』って言うんだって」

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