48: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2016/07/17(日) 20:44:27.20 ID:kQeb+a+f0
宮沢賢治「貝の火」
ヒバリを助けたウサギの子供がお礼として鳥たちから「貝の火」という、内部が赤く光る透明な宝石をもらう。
これは立派な者にしか与えられず、生涯持ち続けられた者はほんの一握りだという。
ウサギの子供はその日以来、他の動物たちから畏れ敬われ、自分に意地悪をしてきたキツネも平伏するようになったため、他の動物たちに命令するようになる。
ウサギの父親は「そんな尊大な態度を改めないと貝の火は消えてしまうぞ」と諭したが、貝の火は赤く輝いたままだったため、ウサギの子供は安心する。
その後、ずる賢いキツネが盗んできたパンを食べ、キツネに甘くなったウサギの子供はキツネの悪事を黙認してしまうが、貝の火は赤く輝いたまま。
その次の日、キツネは小鳥を捕まえる罠を作り、何匹もの小鳥を捕らえたため、ウサギの子供は逃がそうとしたが
キツネに脅され怖くなり家に帰る。すると貝の火は濁り、やがて消えてしまった。
子供から話を聞いたウサギの父親は「早く小鳥を逃がさないと」とキツネの罠にかかった小鳥たちの入った箱を奪い、中の小鳥たちを解放。
お礼を言う小鳥たちに対し、ウサギの父親は
「面目次第もありません。あなたがたからもらった貝の火を台無しにしてしまいました」と謝罪。
鳥たちがウサギの家に貝の火を見に行くと、貝の火はすでに輝きを失っており、ただの白い石となっていた。
みんなが驚いていると貝の火は割れ、破片がウサギの子供の目に入り、子供は失明。
鳥たちは呆然としていたがやがて一羽ずつ去っていった。最後に残っていたフクロウは
「たった6日だったな。ホッホ。たった6日だったな。ホッホ。」とウサギの子供をあざ笑い、また去っていった。
ウサギの父親は子供に「こんなことも人生にはあるさ。それを気付けてお前は幸せだ。目はきっとまたよくなる。」
と子供を励ました。