後味の悪い話

【後味の悪い話】A・C・クラーク「星」

750: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/01/07(水) 10:21:51.17 ID:npf8MemNO.net
A・C・クラーク「星」

「ねえ神父さま。じゃなかった主任天体物理学博士どの。誰かが宇宙を作ったとして、その御方が我々の世界に特別の関心をお寄せになるとは思えんのですが」
(主よ、医者という奴はなぜこうまで頑固な無神論者ばかりなのでしょう)

その星雲の元となった超新星爆発の残骸である白色矮星を調査した宇宙船は、その恒星系の、太陽系なら冥王星に当たる最外軌道に小さな惑星を発見した。
惑星には放射性物質を埋めて人工的な文様が彫ってあり、目印の岩の塔の下には地下壕があった。
調査の結果、内側の惑星の住民が超新星爆発を予期して
(でも彼らが恒星間飛行=移民の技術を開発する時間はなかった)
いつか誰かが発見してくれるようにと彼らの文明の最良のものを地下壕に保管した事がわかった。

現地でさまざまな観測を行うまで、その星雲の元となった超新星爆発が具体的にいつ起きたのか、地球からどんな明るさで輝いたのかを正確に計算するのは不可能だった。
調査団の一員であるイエズス会士にして主任天体物理学博士は、これを発表すれば信仰はおそらく失われるが、だからといってかつて我が修道会の悪名を高めた、真実を歪めるという行為を許すわけにはいかない、と思った。

神は人に対して自身の行為を弁明する必要などない。
神が何をなすべきかなさざるべきかを論じるのは冒涜に近い。
それにしても主よ、他に使える星はあっただろうに、なぜ彼らを滅ぼさねばならなかったのですか。

あの日、ベツレヘムの東の空に明るい星を輝かせるために。

関連記事 一覧

-後味の悪い話

© 2021 サンブログ