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678本当にあった怖い名無し2022/03/13(日) 22:00:19.44ID:xcgpTOsb0
『ビルドキング』という打ち切り漫画の終盤に登場した悪役「ハカ」の最期がなんとなく切なかった
「住」を題材とした作品で、ドラゴンボールっぽいファンタジー風の世界を舞台に、大工達が建築しつつドラゴンボールっぽいバトルを繰り広げなから冒険する物語
心優しい大工である主人公達は、人々に安心して暮らせる安全な住まいを提供しようとしている
しかし「弱者に与える家なんて“墓”くらいで十分」と豪語する悪役「ハカ」が立ち塞がる
そんなハカだけど、退場する直前には悲しい過去が明かされた
ハカは、蹂躙され殺された奴隷達の死体の海の中で産まれた
どれが自分の母親の死体なのかもわからないまま、腐敗してウジ虫が集る死体の隙間を縫うように這い上がりながら、ハカは生後間もない赤ん坊の身でありながら悟る
「真の弱者には、墓すら無いのだ」
そしてハカは誓った
「ならば、全ての人に墓を建ててあげよう」
「そう、 全 て の人に」
ハカは弱者のみならず、弱者を虐げる強者を含め、全ての人間を殺して墓を建てることを決意したのだ
その「恨み」の感情によって高い戦闘力を得て成り上がり、「恨み」こそがこの世で最も強い感情だと信じていた
その邪悪な力によってハカは主人公を圧倒するが、打ち切りによって超強い助っ人が駆け付ける
助っ人は凄まじい「愛」の力によってハカを攻撃する
ハカは成層圏まで吹き飛ばされ、己の死を悟る
そして走馬灯のような幻を見た
それは、自分に家族がいて、我が家まで有るという、存在しない筈の記憶の幻
「そうか、私にも愛する家族が、そして帰るべき我が家が有ったんだ」
「ただいま・・・」
ハカは安らかな表情を浮かべながら絶命し、大地に墜落
ちょうどそこはハカの幻に出てきた美しい土地で、幻に出てきた家も朽ち果てた姿で建っていた
(ハカの見た幻は前世の記憶で、前世とは言えハカにも家族と我が家が有った)