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58: 本当にあった怖い名無し 2022/05/07(土) 23:59:05.42ID:9c4AgdLD0
『僕が死ぬだけの百物語』
突如として「害霊駆除」なる奇妙な仕事をすることとなった新人
先輩に連れられて現場に行ってみると、住人が「霊がいる」と怯えていた
先輩はバットを虚空に振って何かを殴るかのような動作をすると、「霊を捕まえた」と言う
しかし新人は霊など信じておらず困惑
先輩に命じられるがままにノコギリを使って霊を解体する作業をさせられるが、何の手応えも無く、さながらパントマイムのよう
新人は冷や汗を滴しながら「こんなの茶番だ」と心の中で呟く
それでも住人は霊を駆除してもらえたことに大喜び
その後も茶番染みたパントマイムのような害霊駆除をする空虚な日々が続いた
そんなある日、いつものように先輩がバットを虚空に振るうと、何かに当たるような鈍い音と、何者かの悲鳴が響いた
これに驚く新人
先輩は「やっと君も霊感に目覚めてきたようだね」と喜ばしい様子
そのままいつものように解体作業を命じられる
新人が虚空に向けてノコギリを揺らすと、今回は手応えを感じられた
霊は実在したのだ!
「出来ない」と言って諦める新人
先輩「今まで散々やってきたくせに、何を今さら」
新人「霊だってかつては人間だったんでしょう?駆除するなんて可哀想ですよ!」
先輩「霊なんて虫や獣と変わらない。君だって部屋の中に蚊が入ってきたら殺すだろ?」
そして先輩は新人に代わってノコギリを握ると、ギコギコと解体作業を始める
そして耳をつんざくような断末魔の悲鳴が響き続けた