後味の悪い話

【後味の悪い話】ドイツの民話「兵士と死に神」

902: 本当にあった怖い名無し 2018/04/29(日) 10:43:26.84 ID:lfoCWs4i0
たしかドイツの民話。
男が魔法の道具を駆使して善行を重ねていくという物語。

男は、死にかけの病人を救うために、魔法の道具の一つを使って「死」の存在を目視し、「何でも入る魔法の袋」の中に「死」を閉じ込めてしまった。
それ以来、全人類が死ななくなった!

死の存在しない世界で、男は暫くの間は幸福に暮らしたが、ある時ふと気付いてしまう。
「死」の存在しなくなったこの世界は、「死を望む者」にとっては地獄のような世界なのだということを。
自らの過ちに気付いた男は、魔法の袋から「死」を解放し、「死」に謝罪すると同時に、罪滅ぼしのために自らの死を願った。
しかし「死」は、男の前から立ち去ってしまう。
それ以来、「死」は他の者には訪れたが、男にだけは訪れることは無かった。
これにより、男はこの世で唯一の不死身の存在になってしまったのである。

男は自らの死を強く望み、旅に出て、「本物の地獄の門」の前に辿り着いた。
しかし地獄の門番をしている悪魔たちは過去に男によって懲らしめられた経験が有り、門を開けようとはしなかった。

903: 本当にあった怖い名無し 2018/04/29(日) 10:44:31.42 ID:lfoCWs4i0
男は「ならば天国への道を教えろ。
さもなくば、いつまでもここに居座る」と悪魔たちを脅し、まんまと天国への道の地図を手に入れた。
ついでに地獄に囚われていた数百人の亡者の魂を救い出した。
男は数百人の亡者を連れて天国へ向かう永い旅に出て、
ついに天国の門の前に辿り着いた。

すると天使が言った。
「お前たちの中から一人を除いて入門を許可する」

男は自分がその一人になると宣言し、数百人の亡者達に天国入りを譲った。
しかし男は亡者の一人にそっと声をかけ、魔法の袋を手渡すと、
「天国に入ったら、この袋を使って私を天国へと引き入れて欲しい」と頼んだ。
亡者たちは全員が天国へと入っていった。
男は自分も天国に引き入れられと信じて待ち続けた。

しかしいつまで待ってもその時は来なかった。
あの亡者が約束を破ったわけではない。天国とは「魂の浄化」の場所であるため、亡者は天国に入った時点で男との約束を忘れてしまったのだ。

男はそうと知らずに延々と待ち続けた。気が遠くなる程、待ち続けた。
この世界から男の存在を知る者が誰一人居なくなる程の間、ただひたすら待ち続けた。

いつしか男はその場から立ち去った。
今もまだこの世界のどこかをさ迷い続けている。

916: 本当にあった怖い名無し 2018/04/29(日) 23:01:45.93 ID:m8X+nr170
>>902
『兵士と死に神』だね
男が最後まで善人なのがよけい気の毒なんだよな
キリスト教的には「死」という神の領域に手を出した男の思い上がりは許さん、
てことなのかもしれないけど神様厳しすぎないか

914: 本当にあった怖い名無し 2018/04/29(日) 21:08:34.50 ID:aObICzG80
>>902
なんか哲学みたいだ

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