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23:1/2:2006/10/15(日) 04:30:51 ID:eweDAfLQ0
「ひげを剃る男」だったかな?
ある男は口ひげを生やしているんだが、ふと気紛れにひげをそってしまう。
ずっとひげを生やしていたから妻はさぞびっくりするだろうと思いきや、
反応がない。
妻だけじゃなく、その夜妻と一緒に訪ねていった友達2人も驚かない。
普段から悪戯好きな妻が友人に根回しをして、
驚かない演技をしているんだろうと思った男は妻に、
「そろそろひげを剃ったってことを認めてくれよ」という。
ところが妻は「あなたは今までヒゲなんて生やしていなかった」という。
電話して訪ねた友人もヒゲ云々の意味が分からない様子。
勤務先の友人もヒゲが生えていたとは決して言わず、
ヒゲが生えていたと思っているのは自分だけ。
過去にバリ島だかなんだかで妻と一緒に撮った写真にはちゃんとひげを
生やしている自分が写っているのに、妻はそれを見ても狂人を見る目で自分を見る。
妻とは精神科医に掛かろう。という話で一旦落ち着くんだが、
今度はヒゲ以外で記憶の齟齬が出てくる。
一緒に行ったバリ島には行っていないというし
(土産は別の場所で買ってきたという)
ひげを剃った夜に会った友人は2人とも名前すら聞いたことがないという。
男の両親はまだ存命の筈だが、妻は父親は既に亡くなった、という。
男は自分が狂っているのか妻が狂っているのか分からなくなり、
有り金を持って精神科医を訪ねる前に家出する。
そして両親の家を訪ねようとするんだが、
毎週訪ねていた筈の家の場所が分からなくなっている。
24:2/2:2006/10/15(日) 04:31:45 ID:eweDAfLQ0
男は自分が狂っているんだという結論に達し、中国に行き、
フェリーに1日中ずっと乗ってホテルへ帰るという日常を数回繰り返す。
そうこうしている内に、ヒゲもうっすら生えてきた。
変な日常なりに、何となく落ち着いた気もする。
ところが数日目、ホテルに帰ると、
ボーイが「奥様はフェリーが嫌いなんですね」と声をかけてくる。
驚愕して部屋に戻ると、妻が全く当然の顔をしてベッドの上で雑誌を読んでいた。
男は混乱し、まずかみそりでヒゲを剃り、
それから顔の皮膚をずたずたに切り裂いて死んだ。
この話自体、意味不明で後味が悪かった。
なのに訳者が「読者は作中の嘘に騙されるだろう」と後書きで語っていて、
その嘘を見抜けない自分にも後味の悪さを感じますた。
27:本当にあった怖い名無し:2006/10/15(日) 07:25:09 ID:IkDVYLMhO
>>24
自分も嘘が見抜けない
作者の意図がわからない