後味の悪い話

【後味の悪い話】星新一「病気を治す能力」

62: 本当にあった怖い名無し2019/06/22(土) 11:28:33.30ID:tgJsptYE0
星新一の短編

帰り道、占い師に呼び止められた青年。
君には病気を治す能力がある、と言われて笑い飛ばす。

翌日。頭痛持ちの同僚が、痛み止めを切らしたと言うのでものは試し、念じてみると頭痛は消えた。
あれからずっと頭痛が起きない、と同僚は喜び、高級クラブでおごってくれた。
同席したホステス、ニコチン中毒で実は今も苦しい、と言うので面白半分念じてみると、タバコが欲しくなくなった、と大喜び。
ホステスは時々、アパートを訪れるようになった。

同僚の話が広まり、青年は知り合いの水虫、その知り合いのハゲ、そのまた知り合いのアルコール依存症、取引先の娘婿の女癖(正確に言えばなぜか女にもてすぎる)、社長の親戚の攻撃性被害妄想などなど、覚えていられない程大勢の病人を治した。

ある日青年は、頭痛になった。気がつくと、タバコと酒量が増えていた。薄毛、吃音症、そしてなぜか女性にもてるようになり、青年は、治した病気が自分に「移る」ことに気がついた。

「ち、ち、ちきしょう。な、なんでこんな事に。た、多少の謝礼では、ひ、ひ、引き合わないぞ。も、も、もとはと言えば、ああああのうう占い師だ」
「あああ足がかゆい。お、お、思い知らせてやるぞ、まずはあ、あ、あ、あの占い師。つ、次はおれを頭痛にした同僚。そそそしてニニニニコチン中毒のホステス。そ、それから…」

63:本当にあった怖い名無し2019/06/22(土) 15:00:11.43ID:GU+Ik8lD0
>>62
グリーンマイルの黒人死刑囚みたいに病を他人に移す能力あればワンチャン有る

71: 本当にあった怖い名無し2019/06/23(日) 02:57:11.95ID:zh/xBDbc0
>>62
乙一の『傷』だったかな?あの小説も似た能力を持った少年の物語だったような。切なくも美しい話だった

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