後味の悪い話

【後味の悪い話】アニメ「ジャイアントロボ」

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358:1/4:2013/10/26(土) 09:33:15.85 ID:UdwdXzaZ0
ちょっと長くなるけど、アニメのジャイアントロボの話。

シズマドライブというシステムによって、あらゆるエネルギー問題が解決した近未来が舞台。
車も、船舶も、照明も、ライターにいたるまで、すべてがシズマドライブで稼動している。
(ちなみにシズマドライブの見た目は、梅サワー。大きさはさまざまで、電池みたいにさして使う。)

巨大ロボット・ジャイアントロボを操る主人公、草間大作が所属する国際警察機構と、
世界征服をたくらむBF団が、シズマドライブをめぐって戦う。

それぞれの構成員はエキスパート、エージェントと呼ばれ、特殊能力や超能力を持っており、
衝撃派を出して空を飛んだりだとか、無数に舞うお札で敵をかく乱したりだとか、
何をされても死なないとか、指パッチンで真空波を起こして敵を真っ二つにするだとか、
それらの荒唐無稽な能力と人物による戦闘描写も、このアニメの見どころのひとつ。

草間大作は少年と言っていい年頃で、
周囲には何かと世話やきのお姉さん的存在のヒロイン銀鈴(ぎんれい)、
大作を父親のように見守る戴宗、その弟分の粗暴な鉄牛などのエキスパートたちがいる。
大作少年自身は特殊能力は持たないが、父親から死ぬ間際に授けられたジャイアントロボを操って戦う。

シズマドライブの名前は、開発者のシズマ博士の名前からつけられた。
実はシズマドライブの開発にあたって、
共同開発者のフランケン・フォン・フォーグラー博士が功をあせって起こした事故により、
ひとつの国家が消滅してしまう。消滅した国家の名をとって、後にバシュタールの惨劇とよばれた。
惨劇を起こしたフォーグラー博士は世間から批判を浴び、のちに完成させたシズマ博士は名声を得た。

そして物語は銀鈴と鉄牛が、黒いアタッシュケースに入った、シズマドライブのサンプルと、シズマ博士を運搬中、
それを奪わんとするBF団の追跡から逃れる場面からはじまる。
このサンプルの奪い合いと、その中で明かされる真実が、物語の主軸になっていく。

359:2/4:2013/10/26(土) 09:34:01.86 ID:UdwdXzaZ0
サンプルには通常のシズマドライブと違い特殊な効果があり、それをさすと、
周囲のほかのシズマドライブを止めてしまう効果があった。(アンチシズマ・フィールド)
そして三本のサンプルがそろえば、地球規模でシズマドライブが停止し、
すべてのエネルギーをシズマに頼り切っている現代においては、地球規模の大災害となる。

BF団はこれを地球静止作戦と名づけ、この作戦の指揮を、幻夜というエージェントにとらせた。
幻夜は大怪球フォーグラーという巨大な目玉型ロボを操り、
アンチシズマ・フィールドを用いて国際警察機構の動きを封じつつ、破壊の限りを尽くす。

幻夜はすでに2本のサンプルを所持しており、残るサンプルは銀鈴の持っていた1本のみ。
このサンプルをめぐる戦いの中で、戴宗は死に、他のエキスパートたちも傷つき、ジャイアントロボも動力が原子力ということが分かって忌避されたり、
大作少年も巨大なロボを託された意味や、仲間の死などを見つめ、自問自答し、成長していく。

物語の途中で、実はシズマを暴走させて惨劇を引き起こしたのは、フォーグラー博士ではなく、
シズマ博士ほか共同開発者たちであり、フォーグラー博士はむしろ、それを最後まで止めようとしたことがわかる。

そしてBF団の幻夜こそ、フォーグラー博士の実の息子であり、
博士の死に際の「シズマを止めろ・・・」という遺言のもと、汚名を着せられた父の恨みを晴らすために、
再びバシュタールの惨劇を全地球規模で起こすべく、シズマドライブのサンプル奪取を試みたのだった。
父親の復讐のために、BF団を利用したともとれ、他のエージェント達との軋轢も起こるが、これは割愛。

銀鈴は、ふとしたきっかけで幻夜が自分の兄であることに気づき、復讐はやめるよう説得する。
が、幻夜は聞き入れない。

360:3/4:2013/10/26(土) 09:35:16.51 ID:UdwdXzaZ0
そしてとうとう、国際警察機構の本拠地、梁山泊にまで、銀鈴の持つサンプルを奪うべく、BF団のエージェント達が攻め込んできた。
奮戦むなしく、まさにサンプルが奪われんとするときに、銀鈴の超能力が発動した。
梁山泊をまるごと、バシュタールの惨劇の起こった地にテレポートさせたのだ。
バシュタールの惨劇に、幻夜・銀鈴兄妹も居合わせており、命を失わずにすんだのは、二人のテレポート能力のおかげだった。
銀鈴自身は、幻夜のいる大怪球フォーグラーの中へテレポートする。
この地で、戦いの決意を固めた大作少年とジャイアントロボが、大怪球フォーグラーへと、最終決戦をいどむ。

フォーグラーの中で幻夜に最後の説得を試みる銀鈴。しかし幻夜はそれでも拒否する。
銀鈴は大規模のテレポートの反作用によって、下半身を失っていた。幻夜は狼狽する。

説得が無理ならばと、すべての元凶であるサンプルを打ち砕こうとした銀鈴を、幻夜は狂乱状態になり、銃で撃ち殺してしまう。
最後のサンプルをセットする幻夜。これですべてが終わる・・・父さん・・・。

そして幻夜の眼前に現れたのは、生前のフォーグラー博士の残したホログラフ。

「この映像を見ていてくれるということは、幻夜が3つのサンプルを揃えてくれたってことだね」
「実はシズマ博士の完成させたものには不具合があって、あのまま使い続けたら、やがて全世界が滅亡してたんだよ」
「でも、このサンプルを揃えて発動させれば、その不具合も解消する。安心安心」
「兄妹、仲良くね」

脳天を打ちぬかれて下半身がない銀鈴の死体を前にして、幻夜は茫然自失、
「それはないじゃないか父さん!なんでしっかり言い残してくれなかったんだよ!!
僕が今までやってきたことは、いったい何だったんだ!!」

全視聴者が、まったく幻夜と同じ感想を抱いた瞬間だったと思う。

361:4/4:2013/10/26(土) 09:42:28.47 ID:UdwdXzaZ0
そこにようやくロボがパンチして大作が大怪球フォーグラーの中にこんにちは。
(あっ銀鈴さんが死んでる!!ちゃべーッ!)

大作に八つ当たりする幻夜。
「お前も俺も父親からとんでもないものを残されて、どうしろってんだ!ええ!答えてみろよ草間大作!」と逆切れ。
もちろん大作はホログラフ映像なんて見てないので、意味がわからない。

やけになった幻夜が大怪球フォーグラーを宇宙にテレポートさせて一件落着。
(おそらくこの反作用で幻夜も死ぬと思われる)

そして、適当にまとめに入って、でも戦いは続くんだぜ、なラスト。

後味が悪いというより、この作品は完成するまでに相当の時間と予算がかかり、6巻から最終巻の間に二年半の歳月を費やした。
待ちに待った結果が、銀鈴の悲惨な死に様。
オチがひどいけど、キャラクターの描写や、演出、とくにアニメーションの動きなんかはアニメ史上最高峰に値するものだと思うので、
まだの人はぜひ見てね。オチはひどいけど。
完全にはしょったけど、BF団の敵役に特に濃ゆい面子がそろっていて、ハマる人ならハマるはず。

363:本当にあった怖い名無し:2013/10/26(土) 11:23:02.00 ID:TKJbqDg80
ジャイアントロボはスパロボαで知ったけどそんな結末だったのか…

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