後味の悪い話

【後味の悪い話】山岸涼子「鬼来迎」

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989:本当にあった怖い名無し:2006/03/04(土) 00:00:02 ID:RuE9pW5M0
山岸涼子の漫画の「鬼」が後味悪いよ

主人公の若い女性は都会で平凡だが安定した大企業の事務職。
しかし、気弱な主人公には男性上司等の叱責や、周りの強い
もの勝ち!みたいな生存競争の雰囲気がどうしても受け入れ
られずに退職し、両親の反対を押し切って(両親が再婚同志
であることも主人公は気に入らず義父を認めていない)田舎の
海辺に建っている屋敷に住み込みのお手伝いとして勤め始める。

その屋敷にはご主人を4年前に亡くしたという上品で美しく優しい奥様と
親切な先輩お手伝いさんの「二人暮らしで」主人公はとても親切に
して貰った上に仕事も楽、ここに来た事は正解だった!と喜ぶが
気になる事と言えば、時々奇妙な叫び声が聞こえるとか(奥様と
お手伝いは鳥の声だと)お手伝いがこっそりどこかに食事を持って
いく気がする(見間違い?)、庭にある小さな庭石を掃除の時に邪魔
だからと動かそうとしたら酷く怒られたり(動かすと不吉な事件が
起きると言い伝えがあるとか)・・といった事ぐらいだった。

ところがある晩、主人公が眠っているといきなり布団の上に何かが
落ちてきて、慌てて電気を付けると、そこに居たのは10歳くらいの
男の子・・しかも痩せさらばえて片腕の手首から先が無く、目は虚ろ
体中傷だらけで、一見して正気でない状態、涎をたらしながら「鬼が
・・鬼が来る・・」と言いながら部屋の隅で怯えている。

悲鳴を上げた主人公に、その少年を連れて行きながら奥様の説明
は「あの子は私の大事な息子だけど、生まれつき障害があって
自傷も酷く、あんまり哀れなのでここで人目から庇って生活している」
という事で、しかも「息子と一緒に海でボートに乗っていたご主人が
転覆してあの子を助ける為に自分が溺れて亡くなった」という話に
主人公は奥様に同情する。

990:989続き:2006/03/04(土) 00:01:53 ID:vRfPvupL0
しかし、海辺の人たちと話しているうちに昔の少年は極普通の利発な
少年で手や知能に障害など無かった・・とか、疑問に思うようにな
った夏祭りの日、動くと不吉といわれていた石が振動する、ごく小さな
地震のためで「ただの迷信だから」と無理に納得して祭りに行った
主人公だが、浜辺に行くと今まで無かった程の魚の大群が浜辺にまで
押し寄せてきて、主人公も沢山の魚を漁師さんから貰って予定外の時間
に屋敷に帰ってくると、少年の部屋から悲鳴が

驚いて部屋に行くとそこには鬼が立っていて、少年を棍棒で殴り
つけているところだった。・・鬼に見えたのは般若のお面を被った
奥様の姿・・実は少年をこのような恐ろしい異常な姿にしたのは
奥様で、奥様は愛する夫が死んだのは少年のせいだと恨み4年間
我が子である少年を虐め続けていた為だった。

こんな子のせいであの人は死んだ!こんな子は死ねば良いのよ!
優しく美しい奥様が口にする恐ろしい言葉に、呆然とする主人公

そこへ未曾有の大津波が浜辺を遅い、村人の殆どと屋敷の全てを
浚ってしまうが、主人公だけが奇跡的に助かる。

991:989続き2:2006/03/04(土) 00:02:32 ID:vRfPvupL0
それから時間がたって、傷も癒えた主人公は小さな町の会社で
社員達に追いまくられながら仕事をしている。「人使いが荒い会社」
と愚痴る同僚社員に主人公は「でも外見だけ妙に優しい人よりも
ずっとマシよ」と卓見して笑う主人公

事件に関しては「皆、死んでしまったので何が事実なのか、今では
判らないわ。本当に我が子にあんな恐ろしい事が出来るのか・・
人は鬼になれるのか・・だって事実はみんな津波と共に流れていって
しまったのだから、もう考えるの止しましょう」と自己完結で終わり

でもそりゃ主人公は助かって生き直せるから良いよ、病院で目が覚め
た時、嫌っていた義父が泣いて喜んでいているのを見て母親の再婚を
許せる雰囲気になるのも良い!他の村人は気の毒だけど、鬼の母親の
奥様や虐待に加担していた、お手伝いが津波にさらわれたのも自業
自得かも知れん。

しかし、苛め抜かれてあの気のふれた少年はどうなるのだ?
何の罪も無いのに、最初は利発に生まれ付いていたはずなのに
父親がたまたま自分を助ける為に死んだからと、実の母親に6歳から
一緒に津波にさらわれて死ぬまでの4年間、腕が切断されるまで
精神が破壊されるまで苛め抜かれて、誰にもその存在を知れれない
まま、どんな酷い事をされたのか世間に知ってもらえないまま死んで
しまった少年は浮かばれんじゃろう!!ゴウラァ!と後味悪い漫画だった

993:本当にあった怖い名無し:2006/03/04(土) 00:22:23 ID:BuVFlU640
山岸凉子だけどタイトルは別じゃまいか?
自分が読んだ「鬼」は飢饉の話だったような。

994:本当にあった怖い名無し:2006/03/04(土) 00:33:34 ID:0xhV/7em0
>>993
うむ。
確か>>989の作品は「鬼来迎(きらいごう)」というタイトルだったと思うよ。
山岸涼子はタイトルやテーマが「鬼」に関する作品がいくつもあるから混ざっちゃうんだよね。

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