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117:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/21(水) 04:08:54.68 ID:Dlj4an/h0.net
犬の話で思い出した。これは似てないけど
昔読んだアフターゼロという短編漫画
雲まで伸びる巨大な木が立つ平原に、木造の小さな家が建っていた
少年はその家で生まれ、巨大な木を眺めながら育った
少年には、影があるが美しい母と、逞しい隻眼の父がいた
母はよく物憂げに「この世界は私の地獄だ」と呟いていた
父は時折奇妙な表情で巨大な木を見上げていた
何年も同じような日が続いたが、ある日変化が訪れた
一人の謎の男が雲の中から巨大な木を蔦って降りてきたのだ
父は「とうとう来たか」と顔を強張らせる
謎の男は少年達の住む家へと向かって来た
何故か母はてきぱきと身支度を整え、謎の男と共に出て行ってしまう
謎の男と母は共に巨大な木によじ登り、何日もかけて高く高く登っていく
父は少年から理由を聞かれても答えず、日々やるせなさそうに過ごす
そしてある日とうとう思い立ったかのように猟銃を持ち出し、巨大な木を登っている謎の男へ向けて発泡した
弾は謎の男に当たったらしく、弱々しい足取りで巨大な木を登っていき、雲の中へと姿を消した
数年後。父は死の間際、「お前も大人になったらあの木を登れ。そこにお前の嫁となる女がいる。俺もそうやって嫁を手に入れた」と言い遺した
やがて少年は逞しい青年へと成長し、あの巨大な木を登り始める
辛い思いをしながら何日もかけて雲へ到達すると、いつの間にか木を降りていた
地上には小さな家があり、その家には美しい女性と隻眼の男と幼い少年の三人が住んでいた
女性は青年と共に木を登ることになる
また何日もかけて巨大な木を登っていると、地上から狙撃される
青年は方目を失うが、女性に介抱されながらなんとか雲の中に入った
そしてたどり着いた地上には、真新しい一件の家が建っていた
青年は女性を妻にし、そこで暮らし始める。やがて男の子が産まれた
妻は物憂げに呟く。「この世界は私の地獄だ」と
地獄だなんてとんでもない、美しい妻と可愛い我が子、この世界は天国じゃないか。と夫は思うのだった