後味の悪い話

【後味の悪い話】『METAL GEAR SOLID2』ピーターの話

94: 本当にあった怖い名無し 2022/05/10(火) 18:38:46.05ID:G1qX9bso0
『METAL GEAR SOLID2』というゲームのピーターの話
ピーターは爆発物処理のスペシャリストだったが、とあるテロ事件の際に失敗し、人質の子供達もろとも爆発に巻き込まれた
人質の子供達は全員死亡
ピーターだけは奇跡的に生き延びたが、爆発で負った怪我で脚に後遺症が残って歩けなくなってしまう
それからピーターは現役を退き、爆発物解体について記した本を出版したり、学校で爆発物解体について教鞭を取るようになった
そこでピーターは天才少年と出会い、少年を爆発物のスペシャリストとして教育することに夢中になった
天才少年は幼くして核爆弾を解体する程にまで成長するが、大人になると「ファットマン」と名乗り爆弾魔のテロリストへと変貌した
ファットマンの関わっているテロ組織がとある海上施設に立て籠る事件が発生し、施設の各所に大量の爆発物が仕掛けられた
たまたま居合わせたピーターも人質として捕らえられてしまう
そこへ政府のエージェントである主人公が潜入して来てピーターと出会う
主人公が施設各所を巡って爆発物を解除するので、ピーターが無線でアドバイスすることになる
だが、中盤でそれらの爆発物が囮だった事が判明
本命の爆弾は全く別の場所に仕掛けられており、爆発までの時間も残り僅か
主人公の現在地からでは間に合わない、もはや万事休す
と思われたその時、ピーターが名乗りを上げる
「私の方が近いから、私が向かおう」
しかしピーターは身体障害者ではないか、いくら近くても間に合う訳がない
そう主人公が指摘すると、ピーターは告白を始める
「実は私は歩けるんだ」

95: 本当にあった怖い名無し 2022/05/10(火) 18:40:00.92ID:G1qX9bso0
「それどころか、走ることだって出来る」
実はピーターの後遺症は詐病だったのだ
かつてピーターが爆発物の解体に失敗したテロ事件の際、実はピーターは解体作業中に「間に合わない」と諦めて見切りを付け、咄嗟に回避行動を取っていた
その甲斐有ってか爆死を免れたが、顔を上げてみると、爆発によって死亡した子供達の無惨な亡骸が辺り一面に散乱していた
それを見てピーターの心が抱いたのは「安堵」。「私じゃなくて良かった」と思ってしまった
その罪悪感と世間の批判から逃れるために、ピーターは「爆発の後遺症で歩けなくなった」と嘘を吐いていたのだ
しかし今回のテロ事件で主人公を通してかつての情熱を取り戻したピーターは、今度は逃げずに最後まで戦うという決意をしたのである
主人公が止めるのも聞かず、ピーターは本命の爆弾が有る場所へ突撃する
そして数分後
ピーター「アカン、やっぱり解除できへん」
主人公「ズコーッ!」
ピーター「こんな大くて複雑な爆弾は初めて見た。ファットマンは完全に私を超えたな」
主人公「今すぐそこから逃げるんだぁー!」
ピーター「いや、私は最後までここに留まり、爆発の威力を少しでも抑えられるよう尽力する」
主人公「そうか、アカンか」
ピーター「こんな時に言うのも難だが、弟子に超えられたということが嬉しくもあり、複雑な気分だ」

ピーター「ほな、また・・・」

そして爆弾が爆発し、ピーターは施設の一角と共に海のもずくと化すのであった

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