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581:本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水) 21:54:59 ID:eBsvUaYk0
後味悪い小説つーと「シンプル・プラン」かな。サム・ライミ監督で映画化されたから
わりかし有名だと思うが、原作は映画の数倍後味悪し。
幼い頃貧乏で苦労した主人公と兄、そしてその友人が、森の中にかなり前に墜落したらしい飛行機の中で
大金を見つける。飛行機が墜落しているのに、そんなニュースは聞いた覚えはない。きっと犯罪がらみの金で、
公にして探すわけにはいかないのだろう。だったらこのまま自分の物にしてしまえ・・・。
だが、そうではないかもしれないし、探しに来る者がいるかもしれない。とりあえず金は自分が預かり、
もし探しにくる者があったりして、ネコババが発覚する心配がでてきたら、直ちにその金は焼却し、
知らんぷりを決め込む。まさに単純明快、シンプルなプランのはずであった。
翌日、偽装工作をしに戻った兄弟は、帰ろうとしたところを保安官に見つかり、
パニックを起こした兄は思い余って保安官を殺してしまう。主人公はそれを事故に見せかける工作をするが、
その最中、保安官が目を覚ます。保安官は気絶していただけだったのだ。が、主人公は
今度こそ保安官を殺し(兄は気付いていない)、それを事故にみせかける。
582:本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水) 21:56:26 ID:eBsvUaYk0
続き
その後、兄と友人は奥さん・恋人に金のことを教えてしまい、さらに金遣いまで荒くなって他人の興味を惹き始め、
主人公は二人が殺しあったようにみせかけ、奥さん・恋人もろとも抹殺。
主人公も妻に金のことを教え、リゾートマンションを購入してしいたというのに・・・。
考えの足りない二人を消して一安心したところに、購入したリゾートマンションが詐欺だったことが発覚。
決して裕福ではない二人がなぜそんな物を購入したのか探られる恐れがあるため、訴え出ることもできない。
だが、秘密を守りきれば大金は自分たちのものだ。
やがてFBI捜査官がこの町を訪れる。金持ちの娘を誘拐した犯人の乗った飛行機が、
身代金と一緒にこの辺りに墜落しているらしいのだ。主人公は捜査官と保安官を現場付近に案内するハメになるが、
身代金がないのを彼らがどう思うか知ることもできる。
が、身代金がないことを知った捜査官は態度を豹変させた。実は男は犯人の一味だったのだ。
男は保安官と相討ちになり主人公は助かるが、とうとう事は公になってしまう。
それでもまだ、金を持ち去ったのが自分だとバレなければ大丈夫だ。そんな主人公の儚い希望も、
本物のFBI捜査官の、「金の一部にわからないようにマークがつけてある」という言葉で砕け散った。
どの札にマークがついているかわからない以上、一枚たりとも使うことはできない。
映画ではここで、主人公は家に帰って妻と共に金を全て燃やしてENDだったが、原作はもう一山。
584:本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水) 21:59:35 ID:eBsvUaYk0
原作では、主人公は家に帰り、あの金は一枚たりとも使えないと妻に打ち明けたが、あろうことか妻はまさにその日、
一枚だけ抜き取って使ってしまっていたのだ。
念のために遠く離れた町の、監視カメラもないような小さな店を選んだから大丈夫と妻は言うが、
何人も死人を出している以上、ほんのわずかな危険も冒せないと、主人公は金を回収に向かう。
その店で主人公はデタラメな理由を並べて札を交換してもらおうとするが、店員は応じようとしない。
そこでマスクをつけて強盗に押し入り、銃を突きつけるがやはり店員は金を渡そうとせず、
揉みあいになり主人公はマスクを取られ、さっきの変な男だとバレてしまう。
もうこうなったら口を塞ぐしかない。主人公は店員を射殺し、レジを開けるが、中にあったのはわずかな金額。
たったこれっぽっち、なぜ素直に渡してくれなかったんだ・・・。死体の脇でそんなことを考えていると、
犬を抱いた老婦人が入ってきてしまう。
犬もろとも老婦人を始末し、家に帰った主人公は、妻と共に札束を燃やすのであった・・・。
何が後味悪いかって、最後の犠牲者と一緒にワンちゃんも殺されちゃったことかな。