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138: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 19:21:29.26 ID:/ikzmbRm0.net
特撮番組『特救指令ソルブレイン』より「わしら純情放火団」
ソルブレインは犯罪者の逮捕と人命救助をする警察組織で、命だけでなく「人の心も救う」という理念を掲げて誕生した組織
強化服を装備する男女(西尾大樹、樋口玲子って名前)とブルドーザーみたいなロボット「ソルドーザー」、
それと強化服を装備しないサポート役の増田純という警官が前線に出るメインキャラ
さらに司令官役の本部長と開発担当もいる、戦隊ヒーローみたいな集団構成
話は老人3名とスーツを着た頬に傷を持つ30歳前後の男の4人組がプレハブ小屋に放火するところから始まる
スーツの男は「明日もう一人面接に来る。決まれば我ら老人放火団の誕生だ」とつぶやく
場面が切り替わって昼間の港、一人の壮年がバイクの若者に襲われていた
そこに駆けつけた増田は警察手帳を見せて若者を追い払う(逮捕すると脅しをかけたけど逃げられた)
壮年・岡田松太郎はバイクに履歴書を踏まれてしまい、増田とともに喫茶店で新しい履歴書を書く
139: ソルブレイン:2@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 19:22:33.50 ID:/ikzmbRm0.net
岡田は40年無遅刻無欠勤で働き、定年退職して再就職を図っていた
増田は岡田のことを「功労者ですね」と尊敬するが、岡田は送別会もしてもらえなかったという
「若い連中には知ったことじゃないんだろう。私たちが昔、どんなに苦労して会社を育ててきたか。
ごくろうさまの一言も言ってもらえなかったですよ。私の40年は何だったのか」
本部に帰った増田はそのことを皆に話し「あまり社会がお年寄りに冷たいといつか反乱が起きる」と話す
岡田が面接に向かったのは「あけぼの社」という名前
スーツの男は「我らの仕事は放火、日本を焼け野原にすることだ」と話し岡田を驚かせる
男は岡田に対し、岡田は戦時中中学生で、焼け野原になった日本の惨状を見てきたはずだということ
(『ソルブレイン』は1991年の作品なので、岡田の世代は中学生で終戦を迎えている)
それから身を粉にして働いて日本を復興したのに、若者は尊敬しないばかりか老人をいたぶるばかりじゃないかと言う
この国をもう一度焼け野原にして若者たちにその苦労を味わわせてやるべきだ、そのために結成したのだと主張する男
岡田は自分を襲った若者たちを思い出し、老人放火団に加入することを決意
その後、放火事件があちこちで発生
ソルブレイン本部では3日間で7件発生した連続放火事件に対する対策を考えていた
聞き込み調査をすると周辺でスキップをしたりVサインをして笑うなど、怪しげな老人を見たという共通点があった
本部長は「まさか老人が」と疑うが、2件目の放火現場で近くの少年が写真を撮影しており
その中に岡田の姿を発見したソルブレインはあけぼの社へ向かう
あけぼの社はすでにもぬけの殻で、テナントの管理者はその写真を見て「岡田だけでなく周辺の4人も住人だ」と言う
社長は頬に傷を持つ男で、名前は須藤正明という
140: ソルブレイン:3@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 19:23:06.96 ID:/ikzmbRm0.net
そこで本部から連絡が入り、放火対象は「桜木不動産」という会社の所有物であることが判明した
社長の桜木は「悪名高き不動産王」と呼ばれる男だった
ソルブレインは桜木を訪ね、犯人の心当たり、特に老人たちに恨まれる覚えはないか聞く
桜木は老人に心当たりはなかったが、須藤の写真を見ると「あのガキの仕業か」とつぶやく
アジトを移動した須藤は次の標的を高級マンションに定めるが、岡田は須藤に疑問を感じていた
須藤はどういった基準で放火対象を定めているのだろうか?
メンバーからも尋ねられた須藤はここで本当の目的を話すことを決意する
須藤の父は20年前に桜木に財産をすべてだまし取られ、ガソリンによる一家心中を図った
須藤はそこから奇跡的に生き延びたが、左足を失い、顔に大きな火傷を負ったことで社会の片隅で小さく生きるしかなかった
老人放火団は桜木への復讐のために利用していただけだったのだ
その話を聞いた岡田は須藤を慰め、メンバーも須藤に同情して新たな放火対象をマンションに決める
岡田は須藤のためではなくあくまで自分のためにやるんだと話す
しかし、そこで突然須藤が胸を押さえて苦しみだす
141: ソルブレイン:4@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 19:23:45.17 ID:/ikzmbRm0.net
ソルブレインは須藤を連続放火事件の容疑者と定め、須藤の行方を追っていた
増田は須藤が通っていた病院に聞き込みを行っており、そこで須藤が心臓病を患って余命幾許もないということを知る
本部長と大樹は「須藤が自分の余命を知っているなら放火だけでは済まないかもしれない」「あるいは刺し違える覚悟で…」と考える
マンションにて、桜木が外へ出たところに突撃してきた老人放火団
桜木を護衛するためマンションを見張っていた玲子とソルドーザーによって放火は阻止されるも
岡田ともう一人のメンバーによって桜木は誘拐されてしまう
岡田はアジトへ、須藤の下へと桜木を連れてきた
岡田たちを追ってやってきたソルブレインが見たのは、火炎ビンと竹槍で武装した岡田たち
放火団アジトの倉庫はすでに炎上しており、鎖で桜木を繋ぎ止めつつ恨み節を語る須藤
「まじめだけが取り柄だった親父も、優しかったおふくろも、素直でかわいい妹も、みんな炎の中に消えたんですよ!」
外で増田は岡田たちを説得するが、岡田は全く聞き入れない
強化服を装着してきた大樹と玲子はビーム銃(殺傷力なし)で火炎ビンを叩き落とし、竹槍の突撃も軽くいなす
増田に岡田たちの拘束を任せた大樹と玲子はソルドーザーに消火してもらって倉庫へ突入
桜木は火災でガスを吸ってこそいるものの無事で、須藤は心臓病により死亡していた
岡田はつぶやく
「桜木だけが生き残った…腐りきった日本の象徴だけが」
岡田は須藤に言われた「焼け野原から日本を作ってきた自分たちを、今の若者は認めない」という境遇を語る
増田は「俺は認めますよ。でもあなたたちのやってきたことはやっぱり間違っている!」と手錠をかける
岡田は若者に自分を認めてくれる者がいたことに満足しながら逮捕された
駆けつけた本部長に増田が、真っ当に生きてきたこの人たちがなぜ自分に手錠を打たれなければいけなかったのか、
何がここまで彼らを追い詰めてしまったんだと叫ぶところで終わり
142: ソルブレイン:5(終)@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 19:24:17.28 ID:/ikzmbRm0.net
当初は「自分たちを認めないばかりか踏みにじる若者」を「腐りきった日本」と呼んでいたのに
いつの間にか「本当に腐りきった日本は自分たちと同じか上の世代の、人を踏みにじる富裕層」になっているというすさまじい構成
しかも
・あらゆる世代の人間(須藤の父は年齢考えると岡田と同じぐらいの世代)を踏みにじり、えげつない手口で富を築き上げた上、人の好さがまるで見えない桜木
・桜木に追い込まれ家族を失い、傷による差別を受けてきたという事情はあれど、その復讐のために老人の感情を利用し放火を繰り返した須藤
・「誠実に生きてきたのに若い者は誰も尊敬しない」という思いを須藤の煽りで「若者たちに自分と同じ苦しみを味あわせる」という考えに推し進める老害思考の放火団
・岡田をバイクで襲った、言うまでもなくクズの若者
といった具合に、主要以外の登場人物ほぼ全てがクズとしか言いようがない(それも老人から若い世代までまんべんなく)
結局のところ須藤の凶行を止めることもできないし、ましてや須藤の心を救うこともできていない
増田によって放火団は救われているけど、須藤の煽りを受けているとは言えど「若い世代は自分を尊敬しろ」な考えで
悪行を重ねていた岡田たち放火団の心を救う必要ってあるの?って思うし
「何がここまで彼らを追い詰めてしまった」って自分自身の驕りのような、でも実際劇中の若者はクズだし…
って感じで、複雑すぎて何とも言えない感じになる
明らかに日曜朝8時の子供向け番組で扱うテーマと話じゃないよね、これ…
146: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 21:33:55.03 ID:ngQ7Ps300.net
>>142
ソルブレインってイマイチ好きになれなかったけど面白そうだな