563: 本当にあった怖い名無し:2010/09/26(日) 23:53:39 ID:WhHoFq6f0
古いSFドラマ「スタート・レック」のエピソードの一つで
題名を失念して内容もかなりウロだけど
カーク船長引きいる、宇宙調査船エンタープライズ号が走行中
近くを通った未知の星(A星)からのコンタクトを受け
着陸すると、なんと地球人の少年がたった一人で生きていた。
たった一人というのは、A星の本来の住人は
精神のみの肉体のない生命体で、高度に進化した神通力のような
能力を持った生命エネルギーであり、17年前に地球の宇宙船が
不時着したが、生存者は当時赤ん坊だったこの少年だけだった。
生命形態は違っていても、A星の住人達は慈悲で
この少年をこれまで育てていたが、やはり少年の今後の為に
いつかは地球人の元に還そうと、A星の近くに
地球人がやってくるのを待っていたという事であり
カーク船長はこの少年をエンタープライズ号に引き取って
A星を出発した。
少年は生まれて初めて見る、肉体のある同族に初めは戸惑っていたが
やがて、握手やハグ、音声での会話など、A星の住人達とは違う
触れ合いに喜びを感じるようになり
エンタープライズ号の面々も、この対人能力に無垢な少年を
可愛がるようになっていった。
続く
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564: 563:2010/09/26(日) 23:55:15 ID:WhHoFq6f0
続き2
しかし、やがて少年が人間との接触に慣れてくるにつれて
船の中で不可解な事件が起こるようになり、それが少年の感情が
害された時に頻繁に起こるという事が判ってきた。
(例えば、懐いていた女性隊員に男性船員が親しげに接しただけで
その男性隊員は酷い事故に遭ったり)
実は、A星の住人は肉体という実体がなかった為
地球人の赤ちゃんの生命を維持させるだけの
衣食住の環境を与えることが出来なかった。
そこで、強い持ち前の精神能力で赤ちゃんの脳に働きかけて
自分で思った事をそのまま実現出来るという
万能能力を与えていたのだった。
A星では生きる為の条件に過ぎなかったこの能力が
普通の人間たちにとっては驚異であることを知った
精神的にまだ未熟だった少年は、次第にその力に溺れ
暴君のように、カーク船長達を隷属させようとしだした。
カーク船長達も抵抗したが、少年の神にも等しい万能力に
絶対絶命の危機に陥った時に、A星から再びコンタクトがあり
少年の暴走を知ったA星の住民達は、少年はもう人類の元へ
戻せないとして、再びA星に戻すという。
565: 563:2010/09/26(日) 23:55:54 ID:WhHoFq6f0
続き3
A星に戻されると知って、少年は怯え泣きながらカーク船長に
「もう二度と、この能力は使わないし、何でもするから
A星に戻さないで!あの星で、またたった一人になるのはもう嫌だ!!」と懇願する。
カーク船長もA星住民に「他に方法はないのか?」と聞くが
A星住民は「人類はこの能力を使いこなすには未熟過ぎるし
この少年の力を消す事は我々にも出来ないので、このままだと
少年は人類に悪を為す事になるだろう」と
泣き叫び懇願する少年をそのままエンタープライズ号から
連れ去っていく事で、最終的には事態は解決する。
なんというか、少年は確かに暴走して殺人もしてしまったので
連れ戻されるのは仕方ないかもしれないけど
17年年間を実質的にずっと一人ぼっちで過ごしてきて
対人関係のノウハウを教えられる前に、万能力を持たされたまま
凡人の群れに放り込まれて「能力を抑えられないからやっぱり無理」と
人との交流の味を知った後で、また一人ぼっちの星に戻される
少年の運命が自業自得だとしてもやりきれなかったよ。
566: 本当にあった怖い名無し:2010/09/27(月) 00:21:41 ID:J9F/tPSg0
>>565
昔の病院であったらしい話を思い出した。
大けがをした少年が病院に担ぎ込まれた。
連れてきた親は「少年はちょっと頭がおかしくて手に負えないから、
怪我の治療もかねて入院させてほしい」と言う。
病院は承諾して少年を受け入れた。
が、事実はちょっと違った。
両親は「この世は宇宙人に支配されている!」と信じている真性電波夫婦で、
「外に出るのは危険だから」と子供達を家に閉じ込めていた。
しかし末っ子(だったか?)の少年は親の命令を聞かず、学校に行きたがった。
「学校に行きたがるのは宇宙人に取り憑かれてるからだ!」と判断した親は、
宇宙人を追い払うと称して暴行し、普段は物置に閉じ込めていた。
それでも態度の変わらない少年に業を煮やし、親が少年に火をつけた。
で、大けがをして慌てて病院に運び込んだのだった。
567: 本当にあった怖い名無し:2010/09/27(月) 00:22:43 ID:J9F/tPSg0
やっと家族から解放された少年は大喜び。
しかし電波以外とろくにコミュニケーションをとっていなかった少年は、病院の厄介者だった。
同室の患者にしつこくじゃれついたり時間を問わず大声でしゃべり続けたり…
少年の扱いに困った病院は、「やっぱり家族は一緒にいるべきだ」と迎えに来た親にそのまま引き渡した。
以降、少年がどうなったかはわからない。
電波の中で一人だけまともってのはそれはもう苦しい状態だったと思う。
やっと保護されるのかと思ったら、また放り出されるし…事実だけにひどく苦い気持ちになった。
569: 本当にあった怖い名無し:2010/09/27(月) 01:00:32 ID:lAlEsLywO
家庭内だけで完結してほしいよな
通り魔とかが不幸な境遇で育った、みたいなニュースを見ると
頼むから自分の親を殺して勝手に昇華してくれって思う