スポンサーリンク
711:本当にあった怖い名無し:2013/12/08(日) 15:07:15.05 ID:Ee6b3tFD0
内藤泰弘のトライガン・マキシマムから主人公とその兄弟の過去話をひとつ。
主人公のヴァッシュと双子の兄弟のナイブズ。
二人はプラントという有機生命体から産まれたいわゆるミュータント。
人間の成りはしているけれど本気を出せば街一つを吹っ飛ばせる能力を持っていて、ナイブズはその力で人間を皆殺しにしようとし、ヴァッシュは不殺を貫きながら彼を止めようとしている。
というのが前提。
作中年代からかなり昔の宇宙。
二人は星間移民船団の母艦にあったプラントから産まれた。
産まれた二人を見つけた女性クルーのレムは、彼らを育てることにした。
ヴァッシュとナイブズは1年で赤子から少年へと大きく成長し、様々な人間の知識を身につけていった。
移民船の中にはレム以外のクルーや数万単位の人間がコールドスリープ状態になっていた。
「皆がレムのような友好的な人間じゃない。だけど僕たち(プラント)を作ってくれた人だ。受け入れてくれるのを信じたい」と彼らは思っていた。
712:本当にあった怖い名無し:2013/12/08(日) 15:08:42.91 ID:Ee6b3tFD0
ある日、二人は船内の医療ブロックで一つの研究レポートを発見する。
そこにはヴァッシュやナイブズのようにプラントから産まれた少女の事が綴られていた。
少女を発見したクルーはレムのように彼女を保護することは無かった。
むしろ彼女を「人と意思を交わせる実験体」とし、船内の施設を使ってありとあらゆる実験を行った。
少女は度重なる実験で衰弱。
代謝が下がり、頭髪が抜け落ち、骨も脆くなった。
そして誕生から229日後、痙攣を起こして機能を停止した。
ヴァッシュとナイブズはレポートと共に保管されていた少女の標本を目の当たりにしてしまう。
ナイブズはその場で昏倒。
ヴァッシュは「僕らで彼女の実験の続きをするのだろう。それなら殺してくれ」とレムに冷たく当たるようになった。
レムは「私はもう実験による無力感を味わいたくない。あなた達は何処にでも行ける。死なないで私と一緒に色々な世界を見に行こう」とヴァッシュを説得し、彼はレムの言葉を受け止めていくことにした。
その後、昏睡状態だったナイブズが目覚め、レムは改めて二人に謝罪。
過去の話のこと、そして二人を人間として新天地に送り届けることを約束した。
時が流れ、移民船団は新たな星を発見。
着陸態勢に入ったその時、航行システムが異常をきたした。
このままだと星に着陸するまでに大気の摩擦で全ての船が燃え尽きてしまう。
レムはヴァッシュとナイブズを脱出ポッドに乗せて送り出し、できる限りの船の航行システムを修正する。
レムの行動でいくつかの移民船は無事に着陸。
レムは修正が間に合わなかった母艦と共に燃え尽きた。
航行システムの異常はナイブズの仕業だった。
ナイブズは同胞であるプラントや少女を非人道的な方法で搾取するだけの人間を恨んでいた。
「せめてあの女(レム)だけは情けで助けてやろうと思ったのに、馬鹿な奴だったな」
レムを喪って泣くヴァッシュにナイブズは冷たく言い放った。
それから長い年月、ナイブズは刺客をヴァッシュに送りながら人間を皆殺しにしようと企み、ヴァッシュは刺客を振り払いながらナイブズを追うようになった。
ナイブズが昏倒せずにレムの説得を聞いていればまた違ったのかな、
とか今でも読んでて複雑な気持ちになる。
713:本当にあった怖い名無し:2013/12/08(日) 15:21:23.20 ID:c9CRf60X0
>>712
トライガンはアニメから原作って順で見て、随分マイルドになってたの知って驚いた
原作読めばナイブズに共感する人間も多そうだけど、
アニメだけ見るとナイブズがただの狂人ぽくなってるのがちょっと・・・
これで誤解されたままだとキャラクターが報われんよな