後味の悪い話

【後味の悪い話】野菜ジュースにソースを2滴

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715: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/01/04(日) 19:13:29.33 ID:FC9KkkPy0.net
昔読んだ『野菜ジュースにソースを2滴』という短編小説

主人公は大学時代に、ある同好会に所属していた
卒業後も同好会の部長の自宅に集まってパーティーをしている
部長は同好会のマドンナと結婚していた
部長夫妻はラブラブで、二人お揃いのボトルで自家製ジュースを毎朝飲んでいた

しかし、ある年のパーティーの翌日、部長の妻が車の運転を誤って事故死してしまう
それからしばらくして、部長は「またパーティーをやろう」と同好会メンバーに召集をかける

再び同好会一同が部長宅に集い、飲食を行う
すると部長がこんなことを言い始める
「妻は前回のパーティーの翌日に事故死した。だがそれは何者かに毒物を盛られていたからであり、その犯人はこの中にいる」
騒然とするメンバー達
「俺はこのパーティーで犯人の飲み物に毒を盛った。ここにその毒の解毒剤がある。犯人は、死にたくなければ罪を認めろ」

主人公は体調の変化を感じ、部長に毒を盛られたのが自分なのだと気が付く。しかし主人公には全く身に覚えがない
最後まで黙秘を貫いていると、体調が治ってきた。どうやら主人公が盛られた毒は致死性は無いもので、部長の言葉はハッタリだったらしい
部長は「じゃあ、誰が犯人なんだ?」と呟き、気を失った

716: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/01/04(日) 19:14:01.33 ID:FC9KkkPy0.net
主人公は部長宅を出た
そして前回のパーティーの事を思い出す
あのパーティーの日の夜、主人公は密かに部長宅の冷蔵庫を漁り、部長夫妻が毎朝飲んでいるお揃いのボトルの中のジュースを飲んでいた
主人公は部長のボトルを飲んだつもりでいたが、間違えて妻のボトルに口を付けてしまっている事に気が付き、慌てて冷蔵庫に戻した
恐らく、その現場を部長に見られており、疑われたのだろう

そして主人公は真犯人の正体に気付いてしまう
真犯人は妻自身だった
あの時、主人公は手に取ったボトルを慌てて元に戻そうとし、部長のボトルと妻のボトルの位置を入れ換えてしまっていた
この時既に部長のボトルには毒が入れられており、翌朝、妻は部長の毒入りボトルを自分のボトルだと勘違いして飲んでしまったのだ
主人公は部長宅に電話をかけて真相を告げようとするが、辛うじて思い止まって終わり

主人公は身の潔白を証明できるのに部長を気遣って真相を明かさない良い奴だけど、それによっとてこれからも疑惑が付きまとうんじゃないかと思うと不敏
部長も「誰が妻を殺したのか」っていう謎に永遠に苦しむことになるだろうし
マドンナだった妻が部長を殺そうとした動機が不明なのも不気味。妻が悪女だったのか、それとも部長が糞野郎だったのか

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