後味の悪い話

【後味の悪い話】星新一『暑さ』

88 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/07(土) 07:33:13
星新一「暑さ」
うだるような暑い日、へばっている駐在のところへ一人の男が
「去年の今頃に、そのとき飼っていた猿を殺してしまったから自分を逮捕してくれ」
と訪ねてくる。そんなことでは逮捕することはできない、と駐在は男を説得するが、
男のほうも「ではまず話を聞いてくれ」としつこい。しかたなく話を聞くことにする駐在。

男は昔から、自分をいらいらさせる暑い日が苦手だった。
小さい頃、そんな暑い日に何気なくアリを踏み潰すと、いらいらがすっきりと消えた。
そのときから男は、暑さでいらいらしてくると手近な生き物を殺してストレスを解消するようになった。
生き物を殺すとき、どういうわけか前の年の夏と同じものではストレスが消えず、
当然年を経るごとに大きなものを殺すようになっていった。
犠牲の生き物はアリから始まって、カブト虫になり、犬になり…

それで去年は猿を殺したのだという。暑さでぼうっとしていた駐在は、
とにかく実害がないのだから逮捕は出来ない、無理言うな、と男を追い返す。
すごすご帰っていく男に駐在は何気なく問いかける。
「家族はあるんだろう」
「ええ、昨年の秋に結婚して……」

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